何が起きたか:8月31日で旧APIのリクエストは処理されなくなる
原文の見出しは「Bing Webmaster Tools SOAP/POX APIs To Be Retired On August 31, 2026(Bing Webmaster ToolsのSOAP/POX APIは2026年8月31日に廃止される)」です。MicrosoftのKrishna Madhavan氏がLinkedInとX(旧Twitter)の両方でリマインダーを投稿しており、内容は次のとおりです。
「ANNOUNCEMENT!! Using the Bing Webmaster Tools SOAP/POX APIs? These legacy APIs will be retired on August 31, 2026. Please review the migration guidance and plan your move to our REST/JSON APIs.(お知らせ!! Bing Webmaster ToolsのSOAP/POX APIをお使いですか? これらのレガシーAPIは2026年8月31日に廃止されます。移行ガイダンスを確認し、REST/JSON APIへの移行を計画してください)」
APIに関する公式サイト側にも告知が掲示されています。原文が引いている文面はこうです。「Notice: The SOAP and POX/HTTP APIs will be retired on August 31, 2026. After this date, requests to these endpoints will no longer be served. Migrate to the JSON/HTTP (REST) API before August 31, 2026 to avoid service interruption.(告知:SOAPおよびPOX/HTTPのAPIは2026年8月31日に廃止されます。この日以降、これらのエンドポイントへのリクエストは処理されません。サービス中断を避けるため、2026年8月31日までにJSON/HTTP(REST)APIへ移行してください)」
つまり、猶予期間や段階的な縮退ではなく、期日以降はエンドポイントが応答しなくなるという告知です。POXは「Plain Old XML」を指す呼び方で、SOAPと並ぶ旧来のXMLベースのインターフェースを意味します。
変わらないこと:機能・APIキー・上限はそのまま
移行にあたって影響が小さい部分も明示されています。原文が「変わらないこと」として挙げているのは次の4点です。
- すべてのAPIメソッドは、JSON/HTTP経由でも完全に利用可能で、機能は同一である。
- APIキーはそのまま使える。再発行は不要。
- クォータ、レート制限、権限は変更されない。
- JSON/HTTPのエンドポイントは今後もサポートされ、積極的に開発が続けられる。
一方で原文は「But there are things that are changing.(ただし、変わるものもある)」とし、変更点についてはMicrosoft側の解説ページを参照するよう案内しています。機能とキーが同一である以上、移行作業の中心は呼び出し方の書き換え――リクエストの形式とレスポンスの解析部分になります。
もうひとつの動き:レポートにページ/クエリ単位のフィルタが来る
同じ2026年8月3日、Search Engine Roundtableは別記事で、MicrosoftがBing Webmaster Toolsのパフォーマンスレポートにフィルタ機能を追加する作業に取り組むと認めたことも報じています。
現状、レポート内のどの指標に対してもフィルタを追加する方法はありません。もちろんデータをダウンロードして自由に加工することはできますが、レポート画面にネイティブのフィルタボックスがない、という説明です。原文はこの点で、Google Search Consoleのパフォーマンスレポートにはフィルタがあるのに対し、Bingにはないという対比を示しています。
きっかけはX上のやり取りです。Lily Ray氏がMicrosoftのKrishna Madhavan氏に対して、レポートにフィルタを追加できないかと尋ねました。Ray氏の依頼は「please add page-level filtering to queries/keywords in Bing Webmaster Tools!(Bing Webmaster Toolsで、クエリ/キーワードにページ単位のフィルタを追加してください!)」というもので、Madhavan氏は「We will work on it.(取り組みます)」と応じています。投稿の文面は「@lilyraynyc thank you for the request. Ack. We will work on it :)」で、日付は2026年7月31日です。
現時点で提供時期や仕様は示されていません。原文の扱いも、確定した機能リリースではなく「取り組む」という言明の報告にとどまっています。
実務への影響と、今日からできる確認手順
影響を受けるのは、Bing Webmaster ToolsのAPIを自動化に組み込んでいる運用です。原文の範囲と編集部の補足を分けて整理します。
- 自社の連携がSOAP/POXなのかREST(JSON)なのかを確認する。原文の告知どおり、前者は8月31日以降リクエストが処理されません。
- 該当する場合は、Microsoftの移行ガイダンスを確認して移行計画を立てる(Madhavan氏の投稿が求めている手順です)。
- APIキーは再発行不要、メソッドの機能も同一、クォータ・レート制限・権限も変更なし。移行の作業範囲は主に呼び出し形式の書き換えに限られます。
- フィルタ機能については、現時点で提供時期の情報がないため、当面はデータをダウンロードして加工する運用を続ける前提で考えるのが妥当です。
※以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。国内の運用では、Bing Webmaster ToolsのAPIをURL送信(IndexNowを含む送信系)やサイト検証、レポート取得のために社内ツールへ組み込んでいるケースがあります。心当たりがある場合は、コード内でSOAPのエンドポイントやXMLの組み立て・解析を行っている箇所を検索するのが早い確認方法です。あわせて、外部のSEOツールやプラグイン経由でBingに連携している場合は、そのベンダー側が期日までに対応するかも確認対象になります。自社で書いたコードだけが対象とは限らない点に注意してください。
所感
ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。今回の廃止は、機能・キー・上限がいずれも据え置きである点で、移行としては軽いほうだと考えます。とはいえ期日以降はリクエストが通らなくなるため、放置した場合の症状は「静かに止まる」形になります。URL送信を自動化していれば送信が失敗し続け、レポート取得を自動化していればデータが欠ける。エラー通知を仕込んでいない社内ツールでは、しばらく気づかないという事故が起こりやすい種類の変更です。
フィルタ機能の件については、期待の持ち方に注意が必要だと見ています。「取り組みます」という返答は、実装の約束や時期の明示ではありません。ただ、Bingの検索データを見る動機はここ1年で明確に増えました。Microsoft Copilotの引用がBingのインデックスに支えられている構造を踏まえると、Bing側のパフォーマンスレポートを分析する必要は今後さらに上がります。ページ単位でクエリを絞れるかどうかは、その作業の効率を大きく左右します。
Google Search Consoleと比べたときの機能差は、そのままBingのデータが分析されにくい理由になっています。フィルタが実装されれば、ダウンロードして加工するという一手間が消える分、日常的に見る運営者は増えるはずです。実装を待つ間は、エクスポートしたデータをスプレッドシートやBIツールに流し込む運用を整えておくと、機能が来たときにも比較しやすくなります。
まとめ
・MicrosoftがBing Webmaster ToolsのSOAP/POX APIを2026年8月31日に廃止する。以降、これらのエンドポイントへのリクエストは処理されない(Search Engine Roundtable、2026年8月3日)
・MicrosoftのKrishna Madhavan氏がLinkedInとXでリマインダーを投稿し、移行ガイダンスの確認とREST/JSON APIへの移行計画を求めている
・変わらない点として、全APIメソッドがJSON/HTTPで同一機能のまま利用可能、APIキーは再発行不要、クォータ・レート制限・権限は変更なし、JSON/HTTPエンドポイントは今後もサポート・開発が継続、の4点が挙げられている
・一方で「変わるものもある」とされており、変更点はMicrosoft側の解説ページで確認する必要がある
・別件として、Bing Webmaster Toolsのパフォーマンスレポートへのフィルタ追加について、Lily Ray氏の要望にKrishna Madhavan氏が2026年7月31日に「取り組みます」と応じた。提供時期や仕様は未定
よくある質問
Q1: 8月31日を過ぎると具体的にどうなりますか?
公式の告知文では、この日以降SOAPおよびPOX/HTTPのエンドポイントへのリクエストは処理されなくなるとされています。サービス中断を避けるため、8月31日までにJSON/HTTP(REST)APIへ移行するよう案内されています。段階的な縮退や猶予期間についての記述は、原文で報じられている範囲には含まれていません。
Q2: 移行にあたってAPIキーの取り直しや権限の再設定は必要ですか?
不要です。原文が「変わらないこと」として挙げているのは、全APIメソッドがJSON/HTTP経由で同一機能のまま利用可能であること、APIキーはそのままで再発行が不要であること、クォータ・レート制限・権限が変更されないこと、JSON/HTTPエンドポイントが引き続きサポートされ積極的に開発されることの4点です。ただし「変わるものもある」とも記されているため、Microsoftの移行ガイダンスで差分の確認は必要になります。
Q3: Bing Webmaster Toolsのレポートにフィルタはいつ付きますか?
時期は示されていません。X上でLily Ray氏がページ単位のフィルタ追加を要望し、MicrosoftのKrishna Madhavan氏が2026年7月31日に「取り組みます」と返答した、という段階です。現状はレポート内の指標に対してフィルタをかける方法がなく、データをダウンロードして加工する形になります。
出典:Bing Webmaster Tools SOAP/POX APIs To Be Retired On August 31, 2026(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年8月3日)https://www.seroundtable.com/bing-webmaster-tools-soap-pox-apis-retire-41805.html/Bing Webmaster Tools Page & Query Level Filtering Coming To Reports(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年8月3日)https://www.seroundtable.com/bing-webmaster-tools-page-query-level-filtering-coming-41802.html