何が起きたか:Google Analyticsにカスタマイズ可能なDashboardsが提供開始
Search Engine Landの記事は、今回の動きを冒頭で次のように要約しています。
Google Analytics has launched customizable Dashboards that bring key metrics and visualizations into one report.
日本語にすると「Google Analyticsは、主要な指標と可視化を1つのレポートにまとめる、カスタマイズ可能なDashboardsを提供開始した」という内容です。ここで言う指標は、数値で測れる測定項目のことを指します。
記事本文の説明はこうです。
Google Analytics has launched Dashboards, giving businesses a new way to bring their most important KPIs and visualizations together on a single customizable report.
日本語にすると「Google AnalyticsはDashboardsを提供開始し、最も重要なKPIと可視化を、カスタマイズ可能な単一のレポート上にまとめる新しい方法を企業に与えた」という内容です。KPIは、事業やサイトの状態を測るために選んだ重要な指標を指します。
もう一つの出典であるSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は、Googleの説明として次の一文を引いています。
Dashboards are now available in Google Analytics.
日本語にすると「DashboardsがGoogle Analyticsで利用できるようになった」という内容です。Googleはさらに、この機能の位置づけを次のように説明したと同記事は伝えています。
Dashboards are a highly flexible way to help businesses view their KPIs on a single report. This launch features enhanced UI capabilities, such as intuitive data visualization creation, drag-and-drop functionality, and new report visualizations.
日本語にすると「Dashboardsは、企業がKPIを単一のレポートで見られるようにする、非常に柔軟な手段である。今回の提供開始では、直感的なデータ可視化の作成、ドラッグアンドドロップの機能、新しいレポートの可視化といった、強化された画面機能が特徴となる」という内容です。
Googleのヘルプ文書からは、次の一文も引用されています。
create custom visualizations to quickly pull actionable insights from your Google Analytics data, all in a single, consolidated page.
日本語にすると「Google Analyticsのデータから実行につながる示唆を素早く引き出すためのカスタムな可視化を、単一の統合されたページの中ですべて作成できる」という内容です。つまり今回の変更は、新しい指標が増えたというより、既にあるデータの見せ方をまとめ直すための機能だと整理できます。
主要機能:グリッドのキャンバス、ドラッグでの作図、左ナビゲーションへの直接公開
Search Engine Landは、レポートの作り方そのものが変わった点を次のように書いています。
Building reports is now drag-and-drop.
日本語にすると「レポートの作成は、いまやドラッグアンドドロップである」という内容です。具体的な仕組みはこう説明されています。
Dashboards use a grid-based canvas where users can manually position, resize and align visualizations.
日本語にすると「Dashboardsはグリッドを基にしたキャンバスを使い、そこでユーザーは可視化を手作業で配置し、サイズを変え、整列させることができる」という内容です。キャンバスは、図表を置いていく作業領域のことです。
作図の手順についても記事は触れています。
Users can drag dimensions and metrics directly onto the canvas to create and customize charts, rather than building each report separately.
日本語にすると「ユーザーは、レポートを一つずつ別々に作るのではなく、ディメンションと指標をキャンバスの上に直接ドラッグして、図表を作成しカスタマイズできる」という内容です。ディメンションは、数値を切り分けて見るための属性項目を指します。指標が「どれだけか」を表すのに対し、ディメンションは「どの区分でか」を表すもの、と考えると区別しやすくなります。
公開までの導線も変わります。
Dashboards can also be published directly to the Reports left navigation without going through the Google Analytics library.
日本語にすると「Dashboardsは、Google Analyticsのライブラリを経由することなく、Reportsの左ナビゲーションへ直接公開することもできる」という内容です。
Search Engine Roundtableが紹介しているGoogleのヘルプ文書でも、主要な機能として次の4点が挙げられています。複数の異なるレポートを行き来する必要をなくす、統合された単一ページのKPIビュー。手作業での図表の配置、整列、独自のサイズ指定に対応するグリッドを基にしたキャンバスのレイアウト。ディメンションと指標をキャンバスに直接ドラッグして図表を作るドラッグアンドドロップ。そして、保存の際にライブラリを通さず左ナビゲーションへ公開できる直接公開です。両媒体の書き方は表現が違うだけで、指している中身は同じものです。
提供開始時点の可視化は6種類:スコアカードからファネルまで
用意されている図表の種類について、Search Engine Landは次のように書いています。
Six visualization types are available at launch.
日本語にすると「提供開始の時点で6種類の可視化が利用できる」という内容です。記事はその内訳を、高いレベルのKPIを示すスコアカード、詳細なレポートのための表、時間の経過に沿った推移を見る折れ線グラフ、比較のための棒グラフ、内訳を見るドーナツグラフ、そしてコンバージョンのステップと離脱を監視するファネルグラフ、と整理しています。スコアカードは、選んだ数値そのものを大きく示して現在の到達状況を伝える表示形式のことです。
細かな挙動についても補足があります。
Scorecards can also display percentage changes when date comparisons are applied, while line charts support daily, weekly and monthly views.
日本語にすると「スコアカードは、期間比較を適用したときに変化率を表示することもでき、折れ線グラフは日次、週次、月次の表示に対応する」という内容です。
Search Engine Roundtableが引くGoogleのヘルプ文書は、同じ6種類をもう少し細かく書き分けています。Score cardsは、期間比較を適用したときに変化率を含められる高いレベルのKPI。Table chartsは、網掛けの棒グラフとページ送りに対応した詳細なレポート。Line chartsは、日次、週次、月次の粒度に対応した、時間の経過に沿った指標の可視化。Bar chartsは、ディメンションを比較するための横向きと縦向きの棒。Donut chartsは、各部分が全体にどれだけ寄与しているかを見るための可視化。Funnel chartsは、コンバージョンのステップを監視し離脱点を特定するためのレポート、という説明です。
権限・上限・現時点の制約:作成はEditor以上、標準のプロパティは15枚まで
誰が作れて誰が見られるのかについて、Search Engine Landは次のように書いています。
Published dashboards can be viewed across the property.
日本語にすると「公開されたダッシュボードは、プロパティ全体にわたって閲覧できる」という内容です。プロパティは、Google Analyticsでデータを集める単位を指します。
Users need an Editor or Administrator role to create and publish a dashboard.
日本語にすると「ユーザーがダッシュボードを作成し公開するには、EditorまたはAdministratorの役割が必要である」という内容です。ただし公開されたあとは、そのGoogle Analyticsのプロパティにアクセスできる人であれば誰でも、Reportsのナビゲーションを通じて閲覧できると記事は説明しています。
作れる量には上限があります。
There are limits on how much you can build.
日本語にすると「作れる量には上限がある」という内容です。具体的な枚数はこう書かれています。
Standard Google Analytics properties can include up to 15 cards per dashboard, while premium properties support up to 30.
日本語にすると「標準のGoogle Analyticsのプロパティは、1つのダッシュボードにつき最大15枚のカードを含めることができ、プレミアムのプロパティは最大30枚まで対応する」という内容です。カードは、キャンバスに置いた図表1つ分を指す単位として記事が使っている言葉です。
共有の仕方にも制限があります。
Published dashboards are shared across the property rather than privately with individual users.
日本語にすると「公開されたダッシュボードは、個々のユーザーに非公開で共有されるのではなく、プロパティ全体にわたって共有される」という内容です。特定の担当者だけに見せるという配り方は、現時点の作りには含まれていないことになります。
そして、まだ対応していない機能が明示されています。
API support, segments and card-level comparisons are also not currently supported.
日本語にすると「APIのサポート、セグメント、カード単位の比較も、現時点では対応していない」という内容です。セグメントは、条件に合うユーザーやセッションだけを抜き出して見るための絞り込みを指します。これらがいつ対応するのか、そもそも対応予定があるのかは(出典では)明示されていません。
現場への意味(編集部の見解)
ここからは編集部の整理です。まず、記事自身が読者にとっての意味をどう書いているかを確認しておきます。
Why we care. Marketers can consolidate reporting inside GA.
日本語にすると「なぜ重要か。マーケターはレポートの確認作業をGoogle Analyticsの中に集約できる」という内容です。Search Engine Landは、複数のレポートを行き来して成果を見る代わりに、自社にとって最も重要な指標だけを集めた単一ページの表示を作れると説明し、これが日々の成果確認を速くし得ると述べています。特に、事業の異なる部分にまたがってKPIを追っているチームに効くという書き方です。
この指摘は、実務の感覚とも重なります。月次の報告のたびに複数のレポート画面を開き、数字を書き写していた作業が、公開済みの1ページを開くだけで済むようになるなら、報告の準備にかかる時間は素直に減ります。作成と公開の権限を持つ担当者が1枚作っておけば、プロパティにアクセスできるメンバー全員が同じ画面を見られるという点も、社内で数字の認識をそろえるうえでは有利に働きます。
一方で、現時点の制約は運用設計に直結します。APIが未対応ということは、ダッシュボードの中身を外部の仕組みへ機械的に取り出す使い方は今のところ想定されていないと読めます。公開範囲がプロパティ全体である以上、社内向けと取引先向けで見せる内容を分けたい場合には別の手段が要ります。セグメントが使えない点も、特定の条件に絞った見方を常設したいチームには効いてくるでしょう。ここは編集部の推測であり、記事が明言している内容ではありません。
枚数の上限も、作り始める前に決めておきたいところです。標準のプロパティで最大15枚というのは、思いついた指標を並べていくとすぐに埋まる枚数です。先に「このダッシュボードは何の判断に使うのか」を決め、その判断に必要な図表だけを置く。判断に使わない数字は載せない。こうした引き算を最初にやっておくほうが、結果として見やすい1ページになります。プレミアムのプロパティで最大30枚まで増えるとはいえ、枚数を増やすほど1ページに収まらなくなるという意味では、制約の性質は変わりません。
権限の設計も一度整理しておくとよいでしょう。作成と公開にはEditorまたはAdministratorの役割が必要で、閲覧はプロパティにアクセスできる人なら誰でも可能という組み合わせは、裏を返せば、権限を持つ誰かの編集が全員の見る画面に反映されるということでもあります。誰が作り、誰が更新し、いつ見直すのかを先に決めておくと、運用が始まってからの混乱を避けやすくなります。ここも編集部の推測であり、記事が明言している内容ではありません。
最後に、Search Engine Landは記事の結びで今回の機能の位置づけをこうまとめています。
Google Analytics Dashboards give businesses a centralized, drag-and-drop workspace for turning their most important metrics into customized performance reports directly inside GA.
日本語にすると「Google AnalyticsのDashboardsは、最も重要な指標を、Google Analyticsの中で直接、カスタマイズされた成果レポートへと変えるための、中央に集約されたドラッグアンドドロップの作業空間を企業に与える」という内容です。今ある数字を新しく増やす機能ではなく、今ある数字を見る場所を一箇所に寄せる機能だと受け止めておくのが、過不足のない理解だと編集部は考えます。
まとめ
・Google Analyticsに、重要なKPIと可視化を1つのカスタマイズ可能なレポートにまとめられるDashboardsが提供開始されたと、Search Engine LandのAnu Adegbola氏とSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz氏が2026年9月11日に報じた
・レポートの作成はドラッグアンドドロップで行い、グリッドを基にしたキャンバスの上で可視化を手作業で配置し、サイズを変え、整列できる。ディメンションと指標はキャンバスへ直接ドラッグする
・作成したダッシュボードは、Google Analyticsのライブラリを経由せずにReportsの左ナビゲーションへ直接公開できる
・提供開始の時点で使える可視化は6種類で、スコアカード、表、折れ線グラフ、棒グラフ、ドーナツグラフ、ファネルグラフが用意されている。スコアカードは期間比較で変化率を表示でき、折れ線グラフは日次、週次、月次に対応する
・作成と公開にはEditorまたはAdministratorの役割が必要で、公開後はプロパティにアクセスできる人なら誰でもReportsのナビゲーションから閲覧できる。公開されたダッシュボードは個別のユーザーへ非公開で共有されるのではなく、プロパティ全体で共有される
・1つのダッシュボードに含められるカードは標準のプロパティで最大15枚、プレミアムのプロパティで最大30枚。APIのサポート、セグメント、カード単位の比較は現時点では未対応で、対応時期は(出典では)明示されていない
よくある質問
Q1: Google AnalyticsのDashboardsでは何ができるようになったのですか?
重要なKPIと可視化を、カスタマイズ可能な単一のレポートにまとめられるようになりました。グリッドを基にしたキャンバスの上にディメンションと指標を直接ドラッグして図表を作成でき、できあがったダッシュボードはGoogle Analyticsのライブラリを経由せずにReportsの左ナビゲーションへ直接公開できると、Search Engine Landは伝えています。
Q2: ダッシュボードの作成や閲覧には、どの権限が必要ですか?
作成と公開にはEditorまたはAdministratorの役割が必要だとSearch Engine Landは伝えています。公開されたあとは、そのGoogle Analyticsのプロパティにアクセスできる人であれば誰でも、Reportsのナビゲーションを通じて閲覧できます。公開されたダッシュボードは個別のユーザーへ非公開で共有されるのではなく、プロパティ全体にわたって共有されます。
Q3: 現時点で対応していない機能や上限はありますか?
1つのダッシュボードに含められるカードは、標準のGoogle Analyticsのプロパティで最大15枚、プレミアムのプロパティで最大30枚までとされています。またAPIのサポート、セグメント、カード単位の比較は現時点では対応していないと、Search Engine Landは伝えています。これらの対応時期は(出典では)明示されていません。
出典:Google Analytics launches customizable Dashboards(Search Engine Land、Anu Adegbola氏、2026年9月11日)https://searchengineland.com/google-analytics-launches-customizable-dashboards-488343
出典:Dashboards Available In Google Analytics(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年9月11日)https://www.seroundtable.com/google-analytics-dashboards-42075.html
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