国のフィルタが複数選択に対応した
3つの出典が伝えている事実の核は共通しています。Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポート(Performance report)で国を絞り込む際に、複数の国に同時にチェックを入れられるようになった、という点です。Search Engine Roundtableは、これによって国をひとまとまりにし、1か国ずつではなく複数の国について検索パフォーマンスをまとめて確認できるようになったと説明しています。
Search Engine Journalは、この更新が国のフィルタの変更であり、複数の国を合算したGoogle検索のトラフィックを一度に見られるようにするものだと書いています。Search Engine Landも同じく、Google Search Consoleで検索パフォーマンスレポートを絞り込む際に、複数の国を同時に選べるようになったと伝えています。
操作の流れについて、Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は、米国とカナダをまとめて見たい場合は、両方を選んで更新をクリックすればよいと例を挙げています。Search Engine Landは別の例として、スウェーデンとデンマークをまとめて検索パフォーマンスのデータを見たい人も、それをGoogle Search Consoleの検索パフォーマンスレポート上で直接できるようになったと書いています。
Googleの告知内容
発表の場はLinkedInです。Search Engine Journalによれば、Google Search Centralが10月6日にLinkedInで告知しました。3つの出典はいずれも、その投稿から次の2文を引用しています。
Today we’re updating the Search Console performance report filters to make it easier for you to analyze traffic patterns across different countries and devices.
日本語にすると「本日、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートのフィルタを更新し、さまざまな国やデバイスをまたいだトラフィックの傾向を分析しやすくします」という内容です。
If you operate in multiple countries, you can now view their combined Google Search traffic.
日本語にすると「複数の国で事業を行っている場合、それらの国を合わせたGoogle検索のトラフィックを確認できるようになりました」という内容です。
ここで注意したいのは、告知の1文目が国だけでなくデバイスにも触れていることです。Search Engine Journalは、投稿が今回の更新はデバイスと国に関わるとしている一方で、デバイスのフィルタにどのような変更が加えられたのかは明示していないと指摘しています。つまり、国のフィルタの複数選択は出典から確認できますが、デバイスのフィルタで何が変わったのかは、出典の範囲では分かりません。
これまでの絞り込みと比較の仕組み
今回の変更の意味は、従来の仕組みと並べると分かりやすくなります。Search Engine Journalは、Googleのヘルプページの記述を紹介しています。それによれば、複数のデバイス、検索タイプ、国、検索での見え方(Search appearance)のデータが欲しい場合は、次のようにする必要がありました。
you must use a comparison (limited to two items)
日本語にすると「比較を使う必要がある(2項目までに限られる)」という内容です。この比較では、違いを示すための差分(Difference)の列が表示され、一度に行える比較は1つだけだとされています。
一方で、検索パフォーマンスレポートでは、クエリとページのフィルタについてはもともと複数の値をまとめて一致させることができました。ヘルプページには、正規表現を使う場合も含め、複数のクエリやURLで絞り込めることも記載されているとSearch Engine Journalは書いています。今回の更新は、国という軸でも複数の値をまとめて扱えるようにしたもの、と整理できます。
Search Engine Landは、従来のやり方を具体的に説明しています。国をまとめたデータを見るには、データをエクスポートし、表計算ソフトや自前のソフトウェアでグループ化する必要があった、という内容です。今回の更新で、その作業の一部をSearch Consoleの画面内で済ませられるようになります。
出典が指摘する未確定の点
Search Engine Journalは、更新の範囲についていくつかの点がまだ明らかでないと書いています。
1つ目はヘルプページとの食い違いです。比較は2項目までという記述は、Googleが更新を告知した当日もヘルプページに残っていたとされています。また同誌は、ヨーロッパの複数の市場を見ているチームは国のフィルタを使えばグループ全体の合算トラフィックを確認できるようになった一方で、Googleのヘルプページは依然として2つの国だけを並べて示す比較機能を説明している、とも書いています。
2つ目は展開の範囲です。LinkedInの告知では検索パフォーマンスレポートのフィルタを「本日」更新するとしていますが、すべてのプロパティに同時に届くかどうかは投稿に書かれていないとされています。
3つ目は今後の確認点です。Search Engine Journalは、4つのフィルタすべてを含む更新や、比較(Compare)タブの2項目の制限に変更があるかどうかについて、ヘルプページの更新を確認するよう勧めています。
なお、Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は、今回の追加をSearch Consoleに直接備わる便利な機能だと評価したうえで、本当に求められているのはAIのパフォーマンスレポートのクリックデータだ、とも書いています。今回の更新はその要望に応えるものではありません。
現場への意味(編集部の見解)
ここからは編集部の整理です。出典が伝えているのは、検索パフォーマンスレポートの国のフィルタで複数の国を選び、合算した数値を見られるようになったという点です。日本のサイトでも、日本以外の国からの検索流入を扱っている場合や、複数の国向けにサイトを運営している場合には、使いどころがある変更だと考えます。
実務で意味が大きいのは、これまでのエクスポートと集計の手間が減る点です。Search Engine Landが書いているとおり、国をまとめた数字を見るには、データを書き出して表計算ソフトなどでまとめる必要がありました。地域単位の定点観測を画面上で済ませられれば、簡単な確認のたびに集計表を作り直す必要はなくなります。ここからは編集部の推測ですが、エクスポートを前提にした既存の集計表やダッシュボードがある場合、それをすぐに捨てる必要はありません。画面上での合算表示は手早い確認に使い、継続的な記録や他のデータとの突き合わせは従来の仕組みに残す、という使い分けが現実的です。
一方で、使い方を誤りやすい点もあります。1つは「フィルタ」と「比較」が別物である点です。Search Engine Journalによれば、ヘルプページには比較が2項目までという記述が残っています。複数の国をまとめて1つの数字として見ることと、国同士を並べて差を見ることは別の操作であり、後者については出典の範囲で変更が確認できていません。社内で共有する際は、「複数の国を合算して見られるようになった」とだけ伝え、「複数の国を並べて比較できるようになった」と言い換えないほうが正確です。
もう1つは展開の時期です。告知は「本日」更新するとしていますが、すべてのプロパティに同時に届くかどうかは書かれていないとSearch Engine Journalは指摘しています。自社のプロパティで複数選択が見当たらない場合でも、設定の問題と決めつけず、しばらく様子を見るのがよいと編集部は考えます。デバイスのフィルタについても、告知の文面には含まれているものの、何が変わったのかは出典に書かれていません。変化に気づいた場合は、ヘルプページの記述とあわせて確認することをおすすめします。
まとめ
・Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで、国のフィルタに複数の国を同時に選べるようになったと、Search Engine Roundtable、Search Engine Land、Search Engine Journalが2026年10月6日に報じた
・Google Search CentralはLinkedInで、複数の国で事業を行っている場合、それらの国を合わせたGoogle検索のトラフィックを確認できるようになったと告知した
・告知はデバイスにも触れているが、デバイスのフィルタで何が変わったのかは明示されていないとSearch Engine Journalは指摘している
・従来は、ヘルプページによれば複数の国などのデータを見るには2項目までの比較を使う必要があり、国をまとめるにはエクスポートして表計算ソフトなどでグループ化する必要があった
・比較が2項目までという記述は告知当日もヘルプページに残っており、すべてのプロパティに同時に届くかどうかも投稿には書かれていない
・合算して見ることと並べて比較することは別の操作であり、社内共有では両者を混同しないことが大切
よくある質問
Q1: 複数の国を選ぶと、国ごとの数値が並んで表示されるのですか?
出典が伝えているのは、複数の国を合わせたGoogle検索のトラフィックを確認できるようになったという点です。国同士を並べて差を見る比較については、Search Engine Journalによれば、ヘルプページに比較は2項目までという記述が告知当日も残っていたとされ、比較機能に変更があったかどうかは出典の範囲では確認できません。
Q2: デバイスのフィルタも変わったのですか?
GoogleのLinkedIn投稿は、さまざまな国やデバイスをまたいだトラフィックの傾向を分析しやすくするためにフィルタを更新すると書いています。ただしSearch Engine Journalは、投稿がデバイスのフィルタにどのような変更を加えたのかは明示していないと指摘しており、具体的な内容は出典では明らかになっていません。
Q3: 自分のSearch Consoleで複数選択ができないのはなぜですか?
理由は出典に書かれていません。Search Engine Journalは、LinkedInの告知はフィルタを「本日」更新するとしているものの、すべてのプロパティに同時に届くかどうかは投稿に書かれていないと指摘しています。表示されない場合は、ヘルプページの更新とあわせて確認するのがよいと編集部は考えます。
出典:Google Search Console Performance Report Multi-Select Country Filters(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年10月6日)https://www.seroundtable.com/google-search-console-performance-report-country-filters-42241.html
出典:Google Search Console performance report filter allows selection of multiple countries(Search Engine Land、Barry Schwartz氏、2026年10月6日)https://searchengineland.com/google-search-console-performance-report-filter-allows-selection-of-multiple-countries-493658
出典:Google Search Console Lets You Filter By Multiple Countries(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏、2026年10月6日)https://www.searchenginejournal.com/google-search-console-multiple-countries-filter/592065/