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Microsoftの検索広告収益がTAC控除後で10%増――2026会計年度第4四半期決算をSearch Engine Roundtableが報告【2026年7月】

Microsoftの検索広告収益がTAC控除後で10%増――2026会計年度第4四半期決算をSearch Engine Roundtableが報告【2026年7月】

Microsoftが2026会計年度第4四半期(fourth-quarter 2026)の決算を発表し、検索・広告収益が10%増だったとSearch Engine Roundtable(2026年7月29日付)が報じています。Microsoftは決算資料に「トラフィック獲得コストを除いた検索広告収益は10%増(為替一定ベースでは9%増)」と記載しており、記事はこれを前年同期比・TAC控除後の伸びだと説明しています。伸び率は直前の四半期の12%から2ポイント低下しましたが、記事はこの会計年度の以前の四半期で見られた10%という水準とは同水準だとしています。検索広告が属するMore Personal Computing部門は全体では4%減の129億ドルとなるなかで、検索広告だけが伸びた形です。Google広告に予算が集中しがちな運用現場にとって、もう一方の検索面の体力を測る材料になる数字です。

何が起きたか:検索広告収益がTAC控除後で10%増

Search Engine Roundtableの記事(見出し:「Microsoft Bing Ads Revenue Up 10%(MicrosoftのBing広告収益が10%増)」)は、Microsoftが2026会計年度第4四半期の決算を発表し、検索・広告収益(search and advertising revenue)が10%増だったと伝えています。同時に、この広告の成長率は直前の四半期より2ポイント低い水準だとも指摘しています。

Microsoft自身の記載として記事が引用しているのは、次の一文です。「トラフィック獲得コストを除いた検索広告収益は10%増加した(為替一定ベースでは9%増)(“Search advertising revenue excluding traffic acquisition costs increased 10% (up 9% in constant currency).”)」。ここで言うトラフィック獲得コスト(traffic acquisition costs、略してTAC)は、検索トラフィックを獲得するために外部のパートナーへ支払う費用を指す項目で、これを差し引いた後の数字が「ex-TAC」と呼ばれます。記事はこの10%という数字を「前年同期比のex-TAC成長率(year-over-year ex-TAC growth)」だと説明しています。

あわせて記事は、為替の影響を取り除いた為替一定ベース(constant currency)では9%増になる点も、Microsoftの記載どおりに示しています。つまり、公表された10%という伸びのうち1ポイント分は為替要因だったことになります。広告の伸び率を語るときに、名目の数字だけを見るか為替一定ベースまで見るかで印象が変わるため、この併記は押さえておきたいところです。

詳細①:伸び率は前四半期から2ポイント低下――ここ数四半期の推移

記事は、四半期ごとの伸び率の推移にも触れています。直前の四半期は12%増、その前は10%増、さらにその前は16%増、そのもう1つ前は21%増で、今四半期は10%増にとどまる、という並びです。なお原文の該当箇所は文としてやや読み取りにくく、ここでの四半期の並びは記事の文言をそのまま追ったものです。

そのうえで記事は、今回の10%というex-TAC成長率について「安定した推移を示している(reflects steady performance)」と評価し、2026会計年度第3四半期(Q3 FY26)に報告された12%成長からわずかに低下したものの、この会計年度の以前の四半期で見られた10%という水準とは同水準(in line with)だと整理しています。21%や16%といった高い伸びが出ていた時期と比べれば減速している一方、直近の水準からの落ち込みは限定的だ、という読み方です。

また記事の著者は、四半期ごとの広告収益額の変化だけを取り出したチャートを自作して掲載したとも述べています。記事本文には、そのチャートから読み取れる具体的な金額は書かれていません。

詳細②:More Personal Computing部門は4%減、検索広告が主な成長ドライバー

検索(Search)がどの事業セグメントに属しているかも、記事は明記しています。検索はMore Personal Computing部門に含まれており、この部門の売上高は全体で4%減の129億ドル($12.9B)でした。記事は減少の理由を、Windows OEMとXboxの不振によるものだと説明しています。

部門内の内訳として記事が挙げているのは次の3点です。Windows OEMとデバイス(Windows OEM and devices)が7%減、Xboxが10%減、そして検索広告(Search advertising)が10%増。つまり、部門全体が縮むなかで検索広告だけがプラスであり、記事はこの検索広告こそがこのセグメントにおける主な成長ドライバー(the primary growth driver)だったと位置づけています。

広告運用者の視点で言えば、これは「Microsoftの検索広告面が伸びている」という事実と、「その広告面を抱える事業部門全体は縮んでいる」という事実が同時に成り立っている状態です。どちらか一方だけを切り取ると印象を誤りやすいので、両方をセットで押さえておくのが安全です。

全社決算のハイライトと株価・経営体制の動き

記事が決算リリースから抜き出したハイライトは次のとおりです。数値はいずれも記事の記載どおりに転記しています。

項目 金額 増減
売上高(Revenue) 900億ドル($90.0 billion) 18%増(為替一定ベースでは17%増)
営業利益(Operating income) 406億ドル($40.6 billion) 18%増
純利益(Net income、GAAPベース) 358億ドル($35.8 billion) 31%増
純利益(non-GAAPベース) 353億ドル($35.3 billion) 22%増
希薄化後1株当たり利益(GAAPベース) 4.81ドル 32%増
希薄化後1株当たり利益(non-GAAPベース) 4.74ドル 23%増

記事は、non-GAAPの数値についてOpenAIへの投資による影響を除外したものだと注記しています。なお記事本文には、冒頭で「2026会計年度第4四半期の決算」と書きながら、ハイライトを紹介する箇所では「Microsoft reports Q3 revenue up 18% YoY to $90 billion」と第3四半期を指す表記も混在しています。ここでは原文の表記をそのまま伝えるにとどめ、どちらが正しいかの判断は行いません。四半期の呼称が実務上重要になる場合は、Microsoftの決算リリース原本で確認することをおすすめします。

経営面では、記事はMicrosoftが売上・利益の両面で市場予想を上回った(beat on the top and bottom line)一方で、複数の経営幹部を失いつつあるとし、当四半期に2名のシニア経営幹部が退任の意向を表明したと伝えています。退任する人物の氏名や役職は記事に書かれていません。

株価の反応についても記載があります。決算発表から10分以内の時間外取引でMicrosoft株は3%超上昇したものの変動していたこと、午後6時以降には7%超まで急伸したこと、そして年初来ではMicrosoftの株価が17%超下落していることが挙げられています。決算単体の受け止めと、年初来の水準とでは方向が逆になっている点は、そのまま押さえておく必要があります。

Satya Nadella CEOのコメントも、記事は引用しています。「私たちはコスト対成果の曲線(cost-to-outcome curve)のフロンティアを前進させており、すべての顧客がトークンをビジネスの成果へ変えられるようにしています(“We are advancing the frontier on the cost-to-outcome curve, ensuring every customer can turn tokens into business results.”)」。さらに「今年、Azureの収益は初めて1,000億ドルを超え、Microsoft 365 Copilotは3,000万を超える有料シートに達しました。これは、顧客が自社のAI変革を推進する存在として私たちに寄せている信頼を映すものです(“This year, Azure revenue surpassed $100 billion for the first time, and Microsoft 365 Copilot reached over 30 million paid seats, reflecting the confidence customers are placing in us to power their AI transformation.”)」と述べたとしています。検索広告そのものについての言及ではありませんが、AI関連の指標を前面に出す姿勢がうかがえるコメントです。

実務への影響:Google一本足の運用をどう点検するか

ここから先は記事本文には書かれていない内容で、以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。記事は決算の数字を伝える速報であり、広告主が取るべき施策や、特定の市場における出稿判断については一切触れていません。以下も、今回の数字から直接導かれる結論ではなく、決算開示をどう読むかという観点の整理として読んでください。

まず前提として、決算の伸び率は「Microsoftの検索広告事業がグローバルで前年よりどれだけ多くの収益を上げたか」を示す数字であり、自社アカウントで同じ伸びが得られることを意味しません。収益の伸びは広告単価の上昇、在庫(表示機会)の増加、広告主数の増加のいずれか、あるいは複数の組み合わせで起こり得ますが、記事にはその内訳は書かれていません。したがって「10%増だから出稿を増やす」という読み方は、根拠として弱いと考えます。

そのうえで、決算から受け取れる情報もあります。ひとつは継続性です。記事の整理どおりであれば、Microsoftの検索広告はこの会計年度を通じて10%から21%の範囲でプラス成長を続けており、部門全体が4%減となるなかで主な成長ドライバーと位置づけられています。運用チャネルとして続くかどうかを測るうえでは、前向きな材料です。もうひとつはAI関連との距離感で、Nadella CEOのコメントはAzureとMicrosoft 365 Copilotに焦点があり、検索広告には触れていません。検索とAIアシスタントの接点が広告面にどう影響するかは、今回の記事が何も述べていない以上、推測の域を出ないと区別しておくべきです。

結論として、Google広告に予算が寄っている運用体制の見直しを検討するのであれば、判断の主軸は決算の伸び率ではなく、自社の実測データに置くべきだと考えます。決算はあくまで「その広告面が事業として続いているか」を確かめる背景情報にとどめるのが、誤読を避ける読み方です。

今日からできる確認手順

この章もScale Basics編集部による一般的な実務上の補足であり、記事に書かれた推奨事項ではありません。決算の数字を自社の判断に落とし込む際の、素朴な確認手順として挙げます。

  1. Microsoftの決算リリース原本にあたり、記事が引用した「Search advertising revenue excluding traffic acquisition costs increased 10%」という文言と、四半期の呼称(第4四半期か第3四半期か)を自分の目で確認する。
  2. 自社が運用しているMicrosoft Advertisingのアカウントについて、直近1年の表示回数・クリック数・費用・コンバージョン数を四半期単位で並べ、決算が示すグローバルの伸びと自社の実績が連動しているかを見る。連動していないのであれば、決算の数字は自社の判断材料にならないと割り切る。
  3. まだアカウントを持っていない場合は、いきなり予算配分を変えるのではなく、既存のGoogle広告のうち成果が安定しているキャンペーンを1つだけ選び、限定した予算で同等の設定を組んで実測する。判断材料を推測ではなく自社データで作る。
  4. レポートのテンプレートに「検索面ごとの前年同期比」を入れておき、外部の決算発表があったときに自社の数字とすぐ突き合わせられる状態にしておく。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。今回の一報は決算の数字を淡々と伝える速報で、広告主に向けた新しい仕様変更やプロダクト発表を含むものではありません。それでも押さえておく価値があると考えるのは、この種の数字が「その広告面に張り続けてよいか」という長期の判断に効いてくるからです。

特に注目したいのは、More Personal Computing部門の構図です。Windows OEMとデバイスが7%減、Xboxが10%減という逆風のなかで、検索広告だけが10%増で部門の主な成長ドライバーになっている。事業ポートフォリオの中でその役割を担っている限り、検索広告面への投資が急に止まる可能性は高くないと読めます。運用チャネルを選ぶときに気にすべきなのは、短期の成長率よりも、この「事業として続くかどうか」の見立てです。

一方で、伸び率が21%、16%、10%、12%、10%と推移してきたという記事の整理は、成長の勢いという意味ではピークを過ぎた局面にあることも示しています。ここから急な加速を前提にした計画を立てるのは危険で、堅実に続く面として扱うのが妥当でしょう。

最後に、四半期の呼称が原文の中で揺れている点は、ニュースを二次情報で追うことのリスクをそのまま示しています。数字を意思決定に使う場面では、記事を出発点にしつつ、必ず一次資料である決算リリースまで戻る。当たり前のことですが、決算のような数字が多い題材ほど、この手間を省かないことが効きます。

まとめ

・Microsoftが2026会計年度第4四半期の決算を発表し、検索・広告収益が10%増だったとSearch Engine Roundtable(2026年7月29日付)が報じた。伸びは直前の四半期より2ポイント低い水準

・Microsoftは「トラフィック獲得コストを除いた検索広告収益は10%増(為替一定ベースでは9%増)」と記載しており、記事はこれを前年同期比のex-TAC成長率だと説明している

・伸び率の推移は、直前の四半期が12%増、その前が10%増、さらにその前が16%増、そのもう1つ前が21%増で、今四半期が10%増。記事は「安定した推移」と評価している

・検索が属するMore Personal Computing部門は全体で4%減の129億ドル。Windows OEMとデバイスが7%減、Xboxが10%減となるなか、検索広告だけが10%増でこのセグメントの主な成長ドライバーとされた

・全社では売上高900億ドル(18%増)、営業利益406億ドル(18%増)、純利益358億ドル(GAAPベースで31%増)。株価は時間外取引で3%超上昇後、午後6時以降に7%超まで急伸したが、年初来では17%超の下落

よくある質問

Q1: 今回の「10%増」は何と比べた数字ですか?

記事がMicrosoftの記載として引用しているのは「トラフィック獲得コストを除いた検索広告収益は10%増加した(為替一定ベースでは9%増)」という一文で、記事はこれを前年同期比のex-TAC成長率(year-over-year ex-TAC growth)だと説明しています。つまり、トラフィック獲得コストを差し引いた後の検索広告収益を、前年の同じ四半期と比べた数字です。為替の影響を取り除いた為替一定ベースでは9%増になります。なお記事によれば、この伸び率は2026会計年度第3四半期に報告された12%成長から2ポイント低下していますが、この会計年度の以前の四半期で見られた10%という水準とは同水準だとされています。

Q2: Microsoftの検索広告だけが伸びているのですか?

記事によれば、検索が属するMore Personal Computing部門の売上高は全体では4%減の129億ドルで、WindowsのOEMとXboxの不振が理由だと説明されています。部門内の内訳はWindows OEMとデバイスが7%減、Xboxが10%減、検索広告が10%増で、記事は検索広告がこのセグメントにおける主な成長ドライバーだったとしています。したがって「部門全体は縮んでいるが、その中で検索広告だけがプラスだった」というのが記事の伝える構図です。部門全体の増減と検索広告の増減を混同しないよう注意してください。

Q3: この決算を見て、Microsoft Advertisingへの出稿を増やすべきですか?

記事は決算の数字を伝える速報で、広告主が取るべき施策や特定の市場での出稿判断には触れていないため、以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。決算の伸び率はMicrosoftの検索広告事業がグローバルで前年よりどれだけ収益を伸ばしたかを示すもので、自社アカウントで同じ成果が出ることを意味しません。収益の伸びが単価の上昇によるものか、表示機会の増加によるものか、広告主数の増加によるものかも記事には書かれていません。出稿の増減は、自社アカウントの表示回数・クリック単価・コンバージョン単価といった実測値をもとに判断し、決算の数字は「その広告面が事業として継続しているか」を確かめる背景情報として扱うことをおすすめします。

出典:Microsoft Bing Ads Revenue Up 10%(Search Engine Roundtable、2026年7月29日)https://www.seroundtable.com/microsoft-earnings-41786.html

scale-basics編集部
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SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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