何が起きたか:完全一致・フレーズ一致のキーワードがAI Modeでテキスト広告を配信
Search Engine Landの記事は、今回の動きを冒頭で次のように要約しています。
Google is testing exact and phrase match Search ads in AI Mode when users show clear, direct intent.
日本語にすると「Googleは、ユーザーが明確で直接的な意図を示した場合に、完全一致とフレーズ一致の検索広告をAI Modeで表示するテストを行っている」という内容です。
記事本文の説明はこうです。
Google begun testing whether traditional Search campaigns using exact and phrase match keywords can serve text ads in AI Mode, expanding the types of campaigns eligible to appear in its AI-powered search experience.
日本語にすると「Googleは、完全一致およびフレーズ一致のキーワードを使う従来型の検索キャンペーンがAI Modeでテキスト広告を配信できるかどうかのテストを開始し、AIを活用した検索体験に表示され得るキャンペーンの種類を広げた」という内容です。ここで言うAI Modeは、Googleが提供するAIを活用した検索体験を指す名称として記事が使っているものです。
記事はこの意味を、次のように言い換えています。
This means advertisers may not need AI Max or Performance Max to get some exposure in AI Mode.
日本語にすると「これは、AI Modeで一定の露出を得るために、広告主がAI MaxやPerformance Maxを必要としないかもしれないことを意味する」という内容です。ユーザーのクエリが明確で直接的な意図を示している場合に、従来型の検索キャンペーンにAI Modeへの経路を与えるのが、この実験だと記事は説明しています。
発端:AdSquireのHigman氏が発見し、Google AdsのMarvin氏が確認
記事の「Driving the news」の節によれば、経緯は次のとおりです。
Google Ads Liaison Ginny Marvin confirmed that Google recently kicked off a “small experiment” allowing exact and phrase match keywords to serve text ads in AI Mode.
日本語にすると「Google AdsのLiaisonであるGinny Marvin氏は、完全一致およびフレーズ一致のキーワードがAI Modeでテキスト広告を配信できるようにする『小規模な実験』を、Googleが最近開始したことを確認した」という内容です。Liaisonは、Google Adsの動きを広告主に向けて説明する窓口役を指す肩書です。
このテストを最初に見つけたのは、AdSquireの創業者で広告主でもあるAnthony Higman氏だと記事は伝えています。Higman氏は、複数のキャンペーンとテストにわたってこの挙動を確認したと述べたとされています。記事の末尾では、GoogleがAI Modeで制限の強いマッチタイプを許可していることをHigman氏が共有した、とも紹介されています。
つまり今回の情報は、現場の広告主による観測が起点となり、それをGoogle Adsの窓口役が追認する形で表に出たものです。Googleが新機能として単独で発表した公式リリースではない、という点は押さえておきたいところです。実施の規模や期間についても、記事は小規模な実験という位置づけを繰り返すにとどまっています。
適用条件:「明示的で直接的なユーザーの意図」がある場合に限られる
記事の「The details」の節は、対象範囲が無制限ではないことをはっきり書いています。
Eligibility isn’t unrestricted.
日本語にすると「対象となる条件は無制限ではない」という内容です。Marvin氏は、完全一致とフレーズ一致のキーワードがAI Modeでテキスト広告をトリガーできるのは、Googleがexplicit and direct user intent、つまり明示的で直接的なユーザーの意図を識別した場合に限られる、と述べたと記事は伝えています。
記事はこの条件の意味を、広告主にとっての実務的な言い換えとして整理しています。より制限の強いキーワードターゲティングを使っている広告主が、マッチタイプを広げたり、そのキャンペーンをGoogleのより自動化されたキャンペーン商品へ移したりすることなく、AI Modeのユーザーに到達できる可能性がある、というものです。完全一致とフレーズ一致は、記事の文脈ではこの「より制限の強いキーワードターゲティング」に当たるものとして扱われています。
記事の「Why we care」の節でも、同じ論点が読者への意味として示されています。従来型の検索キャンペーンが、AI MaxやPerformance Maxへ切り替えることなくAI Modeへの経路を持ち得ること。既存の完全一致・フレーズ一致キャンペーンのリーチを広げつつ、より厳密なキーワードのコントロールを保てること。ただし同時に、テストが現時点ではGoogleが明確で直接的な意図を認めるクエリに限られていることも、そこに付記されています。
AI Max・Performance Maxとの位置づけの違いと今後の見どころ
記事の「Yes, but」の節によれば、Googleは依然として、AI MaxとPerformance Max for Searchを、より複雑で会話的な検索を取り込むために設計された商品として位置づけています。
Those campaign types also provide access to Google’s newer AI Mode ad formats, including Highlighted Answers.
日本語にすると「これらのキャンペーンタイプは、Highlighted Answersを含む、Googleのより新しいAI Modeの広告フォーマットへのアクセスも提供する」という内容です。これに対し従来型の検索キャンペーンは、より明確な意図に結び付いたテキスト広告に限ってテストされている、と記事は対比しています。つまり同じAI Modeの中でも、テキスト広告として出られるかどうかと、新しい広告フォーマットを使えるかどうかは、別の話として書き分けられています。
記事の「The big picture」の節は、今回の実験の位置づけをこう述べています。Googleは、キーワードに基づく確立された検索広告の仕組みが、より自動化されたキャンペーン商品と並んでAI Modeにどう収まるのかを試している。AI Modeの広告をAI MaxとPerformance Maxに限定するのではなく、ユーザーの意図が広告主のキーワードに直接対応する場合には、厳密にターゲティングされた検索キャンペーンも参加できるかどうかを試している、という整理です。
「What to watch」の節では、これがまだ小規模な実験であることが改めて確認されています。
Google hasn’t said how broadly the test is running or whether it will become a permanent feature.
日本語にすると「Googleは、テストがどれほど広く実施されているのか、また恒久的な機能になるのかどうかを明らかにしていない」という内容です。記事は現時点の見立てとして、次のように締めています。
For now, exact and phrase match advertisers may begin seeing AI Mode as another place their existing Search ads can appear — but only when Google’s systems determine the user’s intent is explicit and direct.
日本語にすると「今のところ、完全一致とフレーズ一致の広告主は、既存の検索広告が表示され得る別の場所としてAI Modeを見始めるかもしれない。ただしそれは、Googleのシステムがユーザーの意図を明示的かつ直接的だと判断した場合に限られる」という内容です。対象となる国や地域、配信量、開始や終了の時期といった具体的な数値は(出典では)明示されていません。
現場への意味(編集部の見解)
ここからは編集部の整理です。今回の報道でまず押さえたいのは、AI Modeへの露出のために必ずしもAI MaxやPerformance Maxへ移す必要がなくなるかもしれない、という可能性が示されたことです。記事が指摘するとおり、完全一致・フレーズ一致を軸に運用してきた広告主は、マッチタイプを広げるという判断を保留したまま、AI Modeでの表示機会を得られる余地が出てきます。キーワードのコントロールを手放したくない運用者にとっては、選択肢が一つ増えたと受け取れる話でしょう。
ただし、これが小規模な実験だと記事が繰り返している点も、同じくらい重要です。Googleは実施範囲も恒久化の可否も明らかにしていないため、現段階で予算配分やキャンペーン構成を大きく組み替える根拠にはなりません。現場でできることは、まず自社の完全一致・フレーズ一致キャンペーンの数値の動きを普段より丁寧に観察しておくことです。変化があったときに「いつから、どのキーワードで起きたのか」を後から追えるようにしておけば、恒久化された場合の判断も速くなります。
もう一点、条件が明示的で直接的なユーザーの意図に限られるという記述は、実務的には、登録キーワードとユーザーのクエリがどれだけ素直に対応しているかが問われる、と読めます。意図があいまいな語や幅広い語をフレーズ一致で抱えているアカウントよりも、意図が一義に定まる語を丁寧に積み上げてきたアカウントのほうが、今回の枠組みでは扱いやすくなり得ます。ここは編集部の推測であり、記事が明言している内容ではありません。
また、AI Modeの新しい広告フォーマットであるHighlighted Answersへのアクセスは、記事によればAI MaxとPerformance Maxの側にあります。テキスト広告としての露出と、AI Mode向けの新しいフォーマットの活用は、切り分けて考えたほうが判断を誤りにくいでしょう。自動化されたキャンペーン商品へ移すかどうかは、今回のテストとは別の軸で検討する話だと編集部は捉えています。
まとめ
・完全一致とフレーズ一致のキーワードを使う従来型の検索キャンペーンが、AI Modeでテキスト広告を配信できるかどうかのテストをGoogleが開始したと、Search Engine LandのAnu Adegbola氏が2026年9月7日に報じた
・Google AdsのLiaisonであるGinny Marvin氏が「小規模な実験」として確認し、最初に見つけたのはAdSquireの創業者で広告主でもあるAnthony Higman氏だとされている。Higman氏は複数のキャンペーンとテストで挙動を確認したと述べた
・これにより、AI Modeで一定の露出を得るためにAI MaxやPerformance Maxを必要としないかもしれない、と記事は指摘している
・対象は無制限ではなく、Googleが明示的で直接的なユーザーの意図を識別した場合に限られるとMarvin氏は述べている
・GoogleはAI MaxとPerformance Max for Searchを、より複雑で会話的な検索向けの商品として引き続き位置づけており、Highlighted Answersを含む新しいAI Modeの広告フォーマットへのアクセスもそちら側にある
・Googleはテストの実施範囲も恒久的な機能になるかどうかも明らかにしておらず、対象国や配信量などの詳細は(出典では)明示されていない
よくある質問
Q1: 今回のテストで何が変わる可能性があるのですか?
完全一致およびフレーズ一致のキーワードを使う従来型の検索キャンペーンでも、AI Modeにテキスト広告を配信できる可能性が出てきます。Search Engine Landは、これによりAI Modeで一定の露出を得るために広告主がAI MaxやPerformance Maxを必要としないかもしれない、と伝えています。ただし現時点では小規模な実験という位置づけです。
Q2: どんなクエリでも対象になるのですか?
いいえ。記事によれば対象は無制限ではなく、Googleが明示的で直接的なユーザーの意図を識別した場合に限って、完全一致とフレーズ一致のキーワードがAI Modeでテキスト広告をトリガーできるとGoogle AdsのGinny Marvin氏が述べています。どのようなクエリがその条件に当たるかという具体的な基準は(出典では)明示されていません。
Q3: AI MaxやPerformance Maxに移行する必要はなくなるのですか?
記事は、より複雑で会話的な検索を取り込む商品としてGoogleが引き続きAI MaxとPerformance Max for Searchを位置づけており、Highlighted Answersを含む新しいAI Modeの広告フォーマットへのアクセスもそちらのキャンペーンタイプにあると伝えています。今回テストされているのは、より明確な意図に結び付いたテキスト広告に限られるため、移行の要否は別の論点として考える必要があります。
出典:Google tests traditional Search campaigns in AI Mode(Search Engine Land、Anu Adegbola氏、2026年9月7日)https://searchengineland.com/google-tests-traditional-search-campaigns-in-ai-mode-487199
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