そもそも「バックボタン・ハイジャック」とは?
バックボタン・ハイジャックとは、サイトがユーザーのブラウザ操作に干渉し、「戻る」ボタンで元のページ(そのサイトに来る前に見ていた検索結果など)にすぐ戻れないようにする行為です。具体的には、ユーザーが「戻る」を押したときに、見たこともない別のページへ飛ばされる、頼んでもいないおすすめや広告を見せられる、そもそも普通にブラウジングを続けられない、といった状態を作り出す手口を指します。
技術的には、ユーザーの閲覧履歴に偽の(操作的な)ページを差し込んだり置き換えたりするスクリプトなどが原因になります。
なぜスパム扱いなのか
「戻る」はユーザーが最も基本的に信頼しているブラウザ操作です。それを奪うのは、ユーザーを騙して意図しないページに閉じ込める=ユーザー体験を著しく害する行為だとGoogleは判断しました。そのため、スパムポリシーの中でも最も重い「悪質な行為(malicious practices)」——マルウェアや望ましくないソフトウェアと同じ枠——に分類されています。
意図せず該当するケースに注意
バックボタン・ハイジャックは、自分で書いたコードだけでなく、導入している広告プラットフォームや外部ライブラリ由来で発生することがあります。「うちは意図的にはやっていない」場合でも、技術実装を一度きちんと見直す必要があります。
いつから適用? — タイムライン
・2026年4月13日:Googleが新スパムポリシーを発表(適用の2か月前に予告)
・2026年6月15日:適用開始。以降、該当ページは手動対策・自動降格の対象に
・2026年7月(現在):すでに適用中。まだ確認していないサイトは早急にチェックを
違反するとどうなる?
バックボタン・ハイジャックを行っているページは、次のいずれか(または両方)の対象になります。いずれもGoogle検索でのパフォーマンス(順位・表示)を悪化させます。
・手動による対策(Manual Action):人手のレビューによるペナルティ。Search Consoleの「手動による対策」レポートに通知されます。
・自動的な降格(Automated Demotion):アルゴリズムによる自動的な順位引き下げ。
SEO担当者が今すぐ確認すべきこと
「戻る」の挙動を実機で確認する
スマホ・PCで自サイトの各種ページを開き、ブラウザの「戻る」で素直に前のページへ戻れるかを確認します。飛ばされる・広告が挟まるなどがあれば要調査です。
広告・外部タグを棚卸しする
導入中の広告ネットワーク、計測タグ、外部ライブラリが履歴を操作していないかを確認します。心当たりのある設定は無効化してください。
history API の使い方を点検する
history.pushState / replaceState を使った疑似ページや、無限リダイレクト的な実装がないかを開発側と確認します。
Search Consoleを確認する
「手動による対策」レポートに警告が来ていないかをチェックします。来ていれば原因を除去したうえで再審査をリクエストします。
所感 — 「計測」か「順位」かを見分ける
このポリシーは、先に紹介した「Search Consoleの計測機能追加」とは性質がまったく違います。こちらは順位に直接効くタイプで、違反すれば手動対策や自動降格が実際に発生します。Googleの発表を見るときは、まず「計測の話か、順位の話か」を見分けるのが実務上とても重要です。今回は明確に後者なので、優先度を上げて対応すべき案件です。そしてGoogleが「悪質な行為」枠に入れたことからも分かるとおり、根底にあるのは一貫して「ユーザーを騙さない」という原則です。誠実なUXこそ最も堅実なSEOだと、あらためて確認させてくれるアップデートです。
まとめ
・「戻る」ボタン妨害=バックボタン・ハイジャックが悪質な行為スパムに追加(2026年4月13日発表)
・2026年6月15日から適用中。違反は手動対策または自動降格で順位ダメージ
・広告・外部ライブラリ由来で意図せず該当することがある → 技術実装の点検が必須
・今回は「計測」ではなく「順位に効く」発表。優先度を上げて対応を
よくある質問
Q1: バックボタン・ハイジャックとは具体的に何ですか?
ユーザーがブラウザの「戻る」を押しても元のページに戻れないようにする妨害行為です。見ていないページへ飛ばす、頼んでいない広告やおすすめを見せる、といった手口が該当します。
Q2: いつから適用されていますか?
2026年4月13日に発表され、2026年6月15日から適用が始まっています。現在はすでに適用中です。
Q3: 違反すると順位は下がりますか?
はい。手動による対策(ペナルティ)や自動的な降格の対象となり、Google検索での順位・表示に悪影響が出ます。今回のポリシーは計測機能ではなく、順位に直接影響するタイプです。
Q4: 意図していなくても違反になりますか?
なり得ます。導入している広告プラットフォームや外部ライブラリが原因で発生することがあるため、意図の有無に関わらず技術実装を点検し、該当するコードや設定を無効化する必要があります。
出典:Google Search Central Blog「Introducing a new spam policy for "back button hijacking"」(2026年4月13日)https://developers.google.com/search/blog/2026/04/back-button-hijacking