1. Search Consoleのソーシャル計測が全世界の誰でも使えるようになった
Googleは、Search Consoleのプラットフォームプロパティ(platform properties)を世界中の誰でも利用できるようにしました。限定的な展開が始まってから3週間後の開放です。
プラットフォームプロパティでは、Instagram、TikTok、X、YouTubeのアカウントをSearch Consoleに紐づけ、どのGoogleのクエリが、Search・Discover・Google Newsをまたいで自分の投稿へ人を送っているかを見られます。Googleはあわせて、ソーシャルおよび動画のパフォーマンスを分析するためのガイドも公開しました。そこには、タイトルやキャプションの書き換えが検索結果を変えるかどうかを検証するためのアノテーション(annotations)機能も含まれます。
記事が挙げる意義は、自分が所有していないプラットフォーム上のコンテンツについての検索データが、これまでは盲点だったという点です。今後は、どの検索で自分のソーシャル投稿が浮上するのかを、自社サイトに使っているのと同じレポートで特定でき、変更がそのデータにどう影響するかを評価できます。ただしレポートの対象はGoogleの面(サーフェス)のみであり、アプリ内での再生・閲覧は含まれません。
2. AI判定の強いページも上位10位のどこにでも出るが、順位は低めになる
Ahrefsの新しいデータによると、AIの比重が高いページはGoogleの上位10位のあらゆる順位に登場します。ただし、同社の検出器(detector)が「ほとんどAIによって書かれた」と読むページは、AI生成テキストがより少ないページに比べて順位が低くなる傾向があるとされています。
前提として記事が明記している注意点は2つです。スコアはAhrefs自身の検出器によるものであり、同社はこれをSite AuditとSite Explorerを通じて販売しています。またサンプルは、深さ(depth)、独自性(originality)、正確性(accuracy)を測っていません。さらに、昨年の分析ではAIスコアと順位の相関はわずか0.011で、明確な関連は示されていませんでした。今回の最新レポートは、AIの利用が増えるほど検索順位が低くなる傾向と関連づけられることを示唆しています。
記事は、このデータが示すのは因果関係ではなく関連であるとはっきり述べています。レポートの共著者の一人であるRyan Law氏は、Googleが直接AI生成コンテンツに反応しているというよりも、AI利用が増えるにつれて品質が下がる傾向があるように見える、と述べています。したがって、検出器のスコアが高いことはそのページをより詳しく見る理由にはなりうるものの、そのページが本質的に劣っていることや、Googleが何らかの措置を取ったことを意味するわけではありません。
SEO実務家の反応:「1000に0を掛けている」
House of Growthの創業者John Ozuysal氏はLinkedInで、このデータはコンテンツの作られ方を反映しているとして次のように書いています。「そして、ほとんどのAI生成コンテンツは怠惰(lazy)です。一発のプロンプト。すでに存在するものの言い換え。独自の洞察はゼロ」。さらに「すでに上位表示されているものをコピーして並べ替えているだけなら、あなたの情報利得(information gain)スコアは実質ゼロです」と続けます。
同氏はこれを「問題はスケールのためにAIを使うことではありません。多くの人が1000に0を掛けて、何かが出てくると期待しているのです」とまとめています。
3. AI機能のオプトアウトは、Top Storiesの枠を失う可能性がある
ニュースパブリッシャー向けに可視性トラッキングを提供するNewzDashのデータに基づき、GoogleがTop Storiesカルーセルを、ページ下部の独立したモジュールではなくAI Overviewsの内側に表示していると記事は伝えています。
数値としては、Top Storiesを含むトラッキング対象のニュース検索のうち、米国で15.5%、英国で17.46%が、カルーセルをAI Overviewsの内側に表示していました。興味深い点として、トラッキングされた結果のなかでは、独立したTop StoriesカルーセルがAI Overviewsと並んで表示されたことは一度もなかったとされています。GoogleのSearch ConsoleにあるAI機能のオプトアウト設定はAI Overviewsを対象としており、当初の英国でのテストを超えて、より多くのサイト所有者へ展開が進んでいます。
NewzDash創業者のJohn Shehata氏は、オプトアウトを、AI Overviews内にレンダリングされるあらゆるTop Storiesカルーセルからサイトが外れることとして読んでいます。記事はこの読みを、証明されたものではなく「高い確度の見立て」だと同氏が呼んでいると注記しています。また、2つのカルーセルのバージョンを比較するクリックデータはまだ存在しないため、オプトアウトによって何を手放すことになるのかは、現時点では測定できません。
4. メタデータの矛盾は「検証する」のではなく「直す」
GoogleのJohn Mueller氏は、矛盾したメタデータを解決する順序が公に定められているわけではないと述べ、矛盾があるサイトはどちらのソースが勝つかを見ようとするのではなく、修正に集中すべきだと示唆しました。
やり取りの発端はBlueskyで、Sebastián Galanternik氏が、フィードとオンページの構造化データが商品の在庫状況について矛盾している場合、Googleはどちらを正確と見なすのかを尋ねたものです。Mueller氏は、一貫性のないメタデータを持つサイトは「それを直すべきで、どちらでも動くかを分析すべきではない」と応じ、使われる重みやフィルタは時間とともに変わりうると指摘しました。
記事は、フィード、構造化データ、そして目に見えるページのコンテンツをまたいでシグナルを一貫させることは自分の手の内にある、と整理しています。Googleが正しいシグナルを選んでくれることを期待するのではなく、すべての面で同じ内容を提供することで、Googleが正しく理解できるよう助けられる、というまとめです。
今週のテーマ:「判断はデータより先に来る」
記事の締めの章は「The Decisions Arrive Before The Data(判断のほうがデータより先に到着する)」と題されています。Googleは操作系や各種レポートを渡し続けているが、それらを解釈するために必要な情報はいまだに不完全である、という指摘です。
具体的には次のように並べられます。プラットフォームプロパティはソーシャル投稿が検索結果でどう振る舞うかを明らかにするが、対象はGoogle自身の面に限られる。AhrefsのデータはAI判定を受けたページと順位の低さを結び付けるが、その理由は説明していない。AI機能のオプトアウトは本物の操作手段を提供するが、NewzDashによればその代償にはTop Storiesの掲載枠が含まれ、しかも比較用のクリックデータはまだない。そしてGoogleは、矛盾するメタデータを解決するプロセスを公開していない。
いずれの場合も、関連データが揃う前に意思決定の負荷が自分の側に落ちてくる。その結果として、自分の入力(インプット)と社内での計測により強く依存することになる――これが記事の結論です。
実務への影響と、今日からできる確認手順
記事が示している範囲で、手を動かせるところを整理します。4トピックはいずれも「使えるようになった機能」と「まだ揃っていない判断材料」が同時に来ている構図です。
- Search Consoleのプラットフォームプロパティを紐づけ、どのGoogleクエリが自社のソーシャル投稿へ人を送っているかを確認する。対象はSearch・Discover・Google Newsで、アプリ内での閲覧は含まれません。
- タイトルやキャプションの書き換えを試す場合は、Googleが提供するアノテーション機能を使って検索結果の変化を検証する(記事がガイドに含まれると明記している機能です)。
- AI検出器のスコアは、ページを詳しく見る入口として扱う。記事は、スコアが高いことがページの質の低さやGoogleによる措置を意味しないと明言しています。またサンプルは深さ・独自性・正確性を測っていません。
- ニュース系サイトでAI機能のオプトアウトを検討する場合は、AI Overviews内のTop Storiesカルーセルから外れる可能性を織り込む。ただしこれはNewzDash創業者の高確度の見立てであり、証明された挙動ではありません。
- フィードと構造化データ、ページ上の表示内容で商品情報が食い違っていないかを点検し、食い違いがあれば修正する。Mueller氏は、どちらが勝つかを分析するのではなく直すべきだと述べています。
※以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。AI検出器のスコアは提供元によって基準が異なるため、社内で運用指標として使うなら、どのツールのどのスコアかを記録に残しておくと後から比較できます。
所感
ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。この週次まとめでもっとも実務に効くのは、Ahrefsのデータの読み方だと考えます。「AI判定の強いページは順位が低い傾向」という一文は、そのままだとGoogleがAI生成を減点しているように読めます。しかし記事は相関であることを明示し、共著者のRyan Law氏自身が、Googleが直接反応しているというよりAI利用が増えるほど品質が下がる傾向に見えると述べています。しかも検出器はAhrefsの製品で、サンプルは深さ・独自性・正確性を測っていません。この3点を落として引用すると、事実がひとつ変わってしまいます。
John Ozuysal氏の「1000に0を掛けている」という言い方は、その品質側の中身を端的に表していると感じます。上位表示されているものを言い換えて並べ替えるだけなら、情報利得はゼロです。生成の速さは掛け算の一方の項にしかならず、もう一方の項が0であれば結果は0になります。AIを使うか使わないかという議論よりも、独自の観測や一次データをどこに置くかという議論のほうが実務的でしょう。
もうひとつ、記事が最後に置いた「判断はデータより先に来る」という整理は、今のSEOの状況をよく言い当てていると考えます。プラットフォームプロパティはGoogleの面しか見えず、AIオプトアウトは比較用のクリックデータがなく、メタデータの解決順序は非公開です。それでも決めなければならない。だからこそ、社内で自分の手で測った数字の価値が上がります。少なくとも、自社の指標をどう定義したかを残しておくことは、外部データの前提が変わったときに効いてきます。
まとめ
・Search Engine Journalが2026年7月31日付の週次まとめSEO Pulseで4件を取り上げ、Search Consoleのプラットフォームプロパティが限定展開開始から3週間後に全世界へ開放されたと伝えた。Instagram・TikTok・X・YouTubeを紐づけ、Search・Discover・Google Newsでのクエリを確認できるが、対象はGoogleの面のみ
・Ahrefsの新データでは、AI比重の高いページも上位10位のあらゆる順位に登場する一方、検出器が「ほぼAI執筆」と読むページは順位が低い傾向。昨年の分析では相関0.011で明確な関連がなかったが、今回は関連が示唆された。ただし因果ではなく、共著者Ryan Law氏はAI利用増加に伴う品質低下の傾向と説明している
・House of Growth創業者のJohn Ozuysal氏はLinkedInで、既存の上位コンテンツをコピーして並べ替えるだけでは情報利得が実質ゼロだと指摘し、「1000に0を掛けて何かが出てくると期待している」と述べた
・NewzDashのデータでは、Top StoriesカルーセルがAI Overviews内に表示される割合は米国15.5%・英国17.46%で、独立したカルーセルがAI Overviewsと並ぶ例はなかった。同社創業者John Shehata氏は、AI機能のオプトアウトでAI Overviews内のTop Storiesから外れると見ているが、証明ではなく高確度の見立てで、比較用のクリックデータもまだない
・John Mueller氏は、フィードとオンページ構造化データが在庫状況で矛盾する場合について、どちらが勝つかを分析するのではなく修正すべきだと述べ、使われる重みやフィルタは時間とともに変わりうると指摘した
よくある質問
Q1: AI検出器のスコアが高いと、Googleからペナルティを受けるのですか?
記事はそうは述べていません。Ahrefsのデータが示したのは、検出器が「ほとんどAIによって書かれた」と読むページは順位が低くなる傾向があるという関連であり、因果関係ではないと明記されています。共著者のRyan Law氏は、Googleが直接AI生成コンテンツに反応しているというよりも、AI利用が増えるにつれて品質が下がる傾向に見えると述べています。記事は、検出器のスコアが高いことはページをより詳しく見る理由にはなるが、そのページが本質的に劣っていることやGoogleが措置を取ったことを意味しないとしています。
Q2: Search Consoleのプラットフォームプロパティでは、何が分かるのですか?
Instagram、TikTok、X、YouTubeのアカウントをSearch Consoleに紐づけることで、どのGoogleのクエリが、Search・Discover・Google Newsをまたいで自分の投稿へ人を送っているかを確認できます。Googleはソーシャルおよび動画のパフォーマンスを分析するガイドも公開しており、タイトルやキャプションの書き換えが検索結果を変えるかを検証するためのアノテーション機能も含まれます。ただし対象はGoogleの面のみで、アプリ内での閲覧は含まれません。
Q3: AI機能のオプトアウトを設定すると、Top Storiesに出なくなるのですか?
記事の記述では、確定した挙動ではありません。NewzDash創業者のJohn Shehata氏が、オプトアウトによってAI Overviews内にレンダリングされるTop Storiesカルーセルからサイトが外れると読んでおり、同氏自身がこれを証明ではなく高い確度の見立てだと呼んでいます。トラッキングされたニュース検索では、Top Storiesを含む検索のうち米国で15.5%、英国で17.46%がカルーセルをAI Overviews内に表示していました。2つのカルーセルのバージョンを比較するクリックデータはまだないため、オプトアウトで何を手放すかは現時点では測定できないとされています。
出典:Social Search Data For All, AI-Detected Pages Rank Lower – SEO Pulse(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏、2026年7月31日)https://www.searchenginejournal.com/seo-pulse-social-search-data-for-all-ai-detected-pages-rank-lower/584337/