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欧州の検索戦略はGoogleとBingだけでは足りない――ドイツのBing10%、チェコのSeznam.cz約12%【2026年7月】

欧州の検索戦略はGoogleとBingだけでは足りない――ドイツのBing10%、チェコのSeznam.cz約12%【2026年7月】

欧州の検索市場を「ほぼGoogle、たまにBing」とひとくくりに扱っていると、実際に発見(discovery)が起きている場所を取り逃がす――そう指摘する寄稿記事を、Search Engine Journal(SEJ)が2026年7月29日に公開しました。書き手はAJPRでInternational Search Marketingのプレジデントを務めるMotoko Hunt氏で、記事は「マーケットプレイスはGoogleがクエリを見る前にそれを吸収し、ローカルエンジンは実質的なシェアを握っている」という前提から、欧州向けの検索戦略をどう組み立てるかを論じています。ドイツにおけるBingの10%、チェコのSeznam.cz約12%といった具体的なシェア、DMA(デジタル市場法)に基づく2026年7月16日の拘束的決定、そして欧州言語のトークン化(tokenization)という技術的な落とし穴まで、日本から欧州に向けてサイトを展開している事業者にも効く論点が並びます。

何が起きたか:欧州を「ひとつのGoogle市場」として扱うことへの警告

記事(見出し:「European Search Strategy Goes Beyond Google & Bing(欧州の検索戦略はGoogleとBingの先にある)」)は、冒頭で次のように書き出しています。欧州の検索戦略を単一の統合された市場として捉えるなら、この地域で発見が実際にどれほど分断され、どれほど規制されているかを見落とすことになる、という趣旨です。Motoko Hunt氏は本記事を、同氏が先に発表したAPAC(アジア太平洋)の検索戦略に関する記事の欧州版だと位置付けています。

そのうえで「Googleはほぼどこでも依然として支配的だが、その支配を支えている仕組みと、それを削り取っている力は、単一エンジンの物語とはまるで違って見える」と述べています。論点は「Googleのシェアが落ちたか」ではなく「Googleの外側でどれだけの検索行動が起きているか」に置かれています。

記事はスコープについても断りを入れており、欧州はひとつの市場ではなく数十の市場であるとして、以下の例はドイツ、チェコ、英国、フランスに寄せていると明示しています。南欧と東欧については別途一本の記事に値するとしており、ここでの話が欧州全域にそのまま当てはまるわけではない、という留保は読む側も持っておく必要があります。

国別の勢力図:ドイツのBing10%、チェコのSeznam.cz約12%

記事が具体的な数値を挙げている国は2つです。ドイツの検索市場ではGoogleが約80%で、Bingが実質10%のシェアを持ち、残りをYahoo、DuckDuckGo、Ecosiaが分け合っているとしています。このうちローカルエンジンであるEcosiaについて、記事は「二度見する価値がある」と述べ、母国市場での過去最高の数値を記録したばかりだと説明しています。これはドイツの消費者がプライバシーとサステナビリティを、マーケティング上の飾り文句ではなく購買基準として真剣に受け止めていることと整合する、というのが記事の見立てです。

チェコでは、別のローカルエンジンであるSeznam.czが約12%のシェアを握っており、Googleの81%と対比されています。そのうえで記事は「他のどのEU加盟国にも、二桁に近いシェアを持つ国内エンジンは存在しない」と付け加えています。Seznam.czは例外的な存在であり、チェコの事情を他国へ横展開できるわけではない、ということです。

検索エンジン 記事が挙げるシェア
ドイツ Google 約80%
ドイツ Bing 実質10%
ドイツ Yahoo / DuckDuckGo / Ecosia 残りを分け合う(Ecosiaは母国市場で過去最高を更新)
チェコ Google 81%
チェコ Seznam.cz 約12%(EU加盟国で唯一、二桁に近い国内エンジン)

Bingについて記事が強調しているのは、一般に引用されるモバイルとデスクトップの合算値ではその実力が見えないという点です。企業の業務用ノートPCやWindowsの既定設定が生きているデスクトップだけを見ると、Bingのシェアは全体の数字の数倍に跳ね上がるとしています。さらにMicrosoftは、CopilotをEdgeとWindows 11へ一段と深く組み込むことで、その差を広げ続けているとも指摘しています。業務用PCからの検索が主戦場になる領域では、合算シェアだけを根拠にBingを切り捨てる判断は危うい、ということになります。

ローカルエンジンが実質的なシェアを保っている理由については、データ上のたまたまの偏りではなく、プライバシー志向と規制の2点に帰したうえで「規制のほうが大きな要因だ」と明言しています。DMA、AI法(AI Act)、GDPR(一般データ保護規則)は他の地域では書類仕事のように扱われがちだが、欧州では検索結果に何が表示されるかを実際に変えている、という指摘です。ひとつの判断が競合エンジンにこれまで無かったアクセスを与えることもあれば、ある機能を市場から丸ごと取り下げさせることもあり、そのどちらも今年すでに起きている、と記事は述べています。

発見の経路を変えている3つの力

記事は「The Forces Reshaping Discovery In Europe(欧州で発見を作り変えている力)」として、3つの力を挙げています。

1. AI回答システムは、遅れたタイムラインで来る

AI Overviews(AIによる概要)は、米国および200以上の国々よりもかなり後になってから、EUの大半の市場に展開されたとしています。Google I/Oで披露される新機能の多くには、DMAとAI法の審査に紐づいた「欧州では利用できない」という但し書きが、言葉にされないまま付いて回るとも指摘しています。

ただし記事は、この遅れは実在するが縮まりつつあるとも書いています。ChatGPT、Perplexity、そしてMistralのLe Chatはすでに意味のある規模でEU内で使われており、規制上の承認が追いつけば、Google自身の検索結果内での普及も速く動く可能性が高い、という見方です。「欧州はAI導入が遅い」という前提でGEO(生成エンジン最適化)への投資を後回しにしていると、遅れが縮まった時点で対応が間に合わなくなる、という含みのある指摘です。

2. マーケットプレイスと比較サイトがクエリを吸収する

欧州では、多くの商品検索がそもそもGoogleに触れていない、というのが2つ目の力です。ジャケットやブレンダーを探している人は、国ごとに現地版のAmazonを開くか、Zalando、Otto、Allegroへ直行する、と記事は具体的なサービス名を挙げています。加えてIdealoやKelkooのような比較サイトも、Googleから消費者を引き寄せているとしています。

そしてAIがこの移動を劇的に加速させている、と続きます。マーケットプレイスの検索窓が、クエリの意味理解をかなりの部分まで自前で処理するようになっており、ショッピングアシスタントはブランド自身のサイトへ行く代わりに、マーケットプレイスの商品ページやフィードから直接、商品データを引いてくることがあるという指摘です。その帰結として、マーケットプレイス上の商品タイトル、構造化された属性、レビュー件数が、ブランド側の認識とは無関係に、いまや現実にSEOの仕事をしていると記事は述べています。それでも多くのチームはその領域を「Amazonのアカウントを見ている担当者」に丸投げしたまま、発見可能性(discoverability)の話と結び付けていない、というのが記事の指摘です。

3. 規制は制約であると同時に機会でもある

3つ目は規制です。記事は、欧州では規制上の課題が2つの戦線で同時に現れると整理しており、DMAや英国CMAによる競争法上の措置と、AIによる回答の法的責任をめぐる動きの双方を挙げています。具体的な出来事は次のとおりです。

時期 出来事 内容
2025年10月 英国CMAがGoogleを戦略的市場地位(Strategic Market Status)に指定 ローカルパブリッシャーがオーガニックの可視性を失わずにAI Overviewsからオプトアウトできること、明確な帰属表示とエンゲージメント指標を提供すること、ユーザーが検索データを認可された第三者へ移管できることを求める要件が生まれた
2026年5月 ミュンヘン地方裁判所の判決 2社のパブリッシャーを詐欺と誤って結び付けたAI Overviewsの記述について、Googleに直接の責任があると認定。要約を中立な検索結果ではなく、Google自身が書いた発言として扱った。控訴中であり確定した法解釈ではない
2026年7月16日 欧州委員会がDMA第6条(11)に基づく拘束的決定を採択 Googleが匿名化されたランキング、クエリ、クリック、ビューのデータを、競合エンジンおよびAIチャットボット提供者へどう共有すべきかを定めた
2026年8月2日 GDPRとAI法に基づく透明性ルールが発効 ユーザーに向き合うAIに対する透明性の規定が効力を持つ
2027年1月 データ共有の開始 上記のデータ共有が始まり、Googleの競合に対して、他のどの規制当局も執行したことのないデータ上の優位を与える

ミュンヘン地裁の判決から記事が引き出している含意は、検索エンジンをこれまで守ってきた法的な盾は生成された回答を自動的にはカバーしない、というものです。判決は控訴中で確定した法ではないと断ったうえで、もしこれが維持されるなら、その論理は実在の企業について主張を合成するあらゆる回答エンジンへ及び得る、と述べています。

そしてこの法的リスクには、ブランド側にとっての上振れがある、というのが記事の見立てです。責任を問われる可能性があるほど、回答エンジンは検証できない参照を避けるようになる。したがって、詳細で一貫し、機械可読なアイデンティティを持つブランドは純粋な可視性の優位を得られるため、いま優位を取りに行くか、少なくとも穴を埋め始めるべきだ、と記事は促しています。

回答レイヤーでの可視性と、欧州言語の「トークン化」問題

AI Overviews、Perplexity、ChatGPT、Le Chatが域内で広がるにつれ、可視性は「情報源として選ばれ、引用されるかどうか」に一段と依存するようになる、と記事は整理しています。そのためにブランドに求められるのは、明確な定義、直接的な比較、十分に裏付けられた主張によって、きれいに抽出できる形にコンテンツを構造化することです。欧州のパブリッシャーと規制当局がAIの学習と引用をめぐって激しく係争していることを踏まえると、帰属表示(attribution)の重みもこの地域ではより大きい、としています。

そのうえで記事は、ほとんど話題に上らない技術的な層として、言語がどれだけうまくトークン化されるかという問題を提示しています。大半のLLMのトークナイザは英語に偏ったコーパスで学習されており、その点でアジアの言語は見た目の馴染みにくさとは裏腹に構造的な優位を持つ、というのが説明です。中国語と日本語の文字は一文字あたりの意味密度が高く、背後に巨大な学習コーパスがあるため、文字単位を意識したトークナイザが比較的うまく扱える。韓国語の膠着的な性質については、NaverとKakaoが何年もトークナイザに専門的な投資を続けてきたと具体名を挙げています。

問題は欧州言語です。同じ文字体系を共有しているため英語と同じようにトークン化されるはずだと思われがちだが、汎用のトークナイザを使う一方で文法が一致しておらず、静かに断片化していくと記事は指摘します。最もリスクが高いのはトルコ語とハンガリー語で、格・時制・所有をひとつの語根に積み上げるため、ひとつの意味単位を複数のトークンへ分割せざるを得ず、その過程で意味が変わり得るとしています。ドイツ語の複合名詞が、構成する概念どうしの境界ではなく統計的によく現れる境界で切られてしまうという例も挙げられています。

ドイツ語・ハンガリー語・トルコ語で発信するブランドにとって、これは翻訳だけで解決する問題ではなく、よりきれいにトークン化される平叙的な文体に寄せるだけでも解決しない、と記事は述べます。解となるのは地域固有のコンテンツを増分的かつ本質的に用意することであり、これを「本物の意味で新しいローカライズの規律であり、体系的に取り組んでいる者はほとんどいない」と表現しています。

計測が追いついていない:同意バナーが構造化データの発火まで止める

もうひとつ記事が重大な課題として挙げているのが同意バナー(consent banner)で、バナーは計測を妨げるだけでなく実装作業そのものを妨げている、という指摘です。ユーザーが同意を拒否した場合、そのセッションのAI経由の参照データやコンバージョンのデータはそもそも取得されないことが多く、しかもその欠損はランダムではなく、よりプライバシー意識の高いユーザーに偏るとしています。データが「少し減る」のではなく「特定の層だけが消える」という点が厄介です。

さらに実務上のインパクトが大きいのは次の点です。同じ同意管理の枠組みが、タグマネージャのスクリプト実行そのものを広範にゲートするようになってきており、その結果、Google Tag Manager経由で配信している構造化データ(スキーマ)が、無視できない割合の訪問者に対して静かに発火しないことがあり得る、というものです。影響を受けるのはアナリティクスのピクセルだけではない、と記事は明確に書いています。対処としては、スキーマが同意取得前に発火することを確認するか、重要な構造化データをゲートされたスクリプトではなくページのソースそのものへ移すことが挙げられています。サーバーサイドタギング(server-side tagging)が本当の解決策だが、それは手早い作業ではなくインフラのプロジェクトだ、とも付け加えています。

記事が挙げる「次にやること」と、今日からできる確認手順

記事のWhat To Do Nextに書かれている5点

記事は「What To Do Next」として、次の項目を挙げています。

  1. 規制のモニタリングを深める。DMAの手続き、ミュンヘン判決の控訴の状況、英国CMAの期限、AI法の段階的施行について四半期ごとのレビューを実施し、検索/コンテンツ側と法務が共同で追跡する。
  2. マーケットプレイスと比較エンジンの監査を今四半期のロードマップに載せる。AmazonのEUストアフロントと関連する比較エンジンにおける掲載品質、構造化された属性、レビューのカバレッジを、自社サイトの技術的な不具合と同じ緊急度で扱う。
  3. 同意でゲートされたスキーマと動的スクリプトを監視して直す。構造化データやその他のスクリプトが読み込まれない状態になっていないかを確認したうえで、トークン化を意識したリライトに投資する。ボットが決して見ないコンテンツを最適化しても意味がない。
  4. アナリティクス基盤を優先度順に作り直す。エンジン別・発見の種類別にセグメントし、AI経由の参照を明示的に計測し、同意起因のデータ欠損に対してはサーバーサイドタギングを本当の解決策として扱う。
  5. エンティティの明確さを今のうちに引き締める。ミュンヘンの控訴の結論が出る前に、一貫した名称と検証可能な主張を実装し、責任意識を強めていく回答エンジンにとって、あなたを避けるより引用するほうが容易な状態にしておく。

加えて記事は、コンテンツチームは米国やAPACですでに成果が出ている学習内容とコンテンツを、欧州実装の裏付けとして活用すべきだと述べています。そうすればチームはゼロから始めるのではなく、現地の規制文脈、通貨、事例に合わせて適応させるだけで済む、という考え方です。

ここからはScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です

以下は記事本文に書かれていない内容で、日本から欧州に向けてサイトを運用している事業者を想定した編集部の補足です。記事の主張を超える部分なので、その旨を明示して書きます。

着手しやすいのは、記事の指摘のうち自社サイト内で完結するものです。Google Tag Manager経由でJSON-LDを注入している箇所を洗い出し、ページのソースを直接取得して構造化データが含まれているかを見れば、ブラウザ上の見え方に関係なく判定できます。次にマーケットプレイスの監査です。自社商品がZalandoやOtto、Allegro、あるいは現地版Amazonに出ているのであれば、そこでの商品タイトルと属性が自社サイトの商品ページと同じ品質で管理されているかを確認します。担当部署が分かれている場合は、まず責任範囲の整理から必要になります。なお、多言語サイトの言語・地域の出し分け(hreflangの設計など)も欧州展開では避けて通れない論点ですが、これは今回の記事が扱っている範囲ではありません。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。この記事で最も実務的な示唆があるのは、シェアの数字よりも「同意バナーが構造化データの発火まで止め得る」という一点だと考えます。多くの現場で、構造化データはSEO施策として設計されながら実装はタグマネージャという計測系の仕組みに載せられており、同意管理が厳格化した環境ではその組み合わせが静かに壊れ得る、という指摘は欧州向けサイトに限らず点検の価値があります。日本国内でも同意管理の導入は進んでいるためです。

トークン化の議論は、記事自身が「体系的に取り組んでいる者はほとんどいない」と述べているとおり確立された手法ではなく、断定はできません。ただ「翻訳を用意したのだから多言語対応は済んでいる」という前提がAIの回答面では通用しないかもしれない、という問いの立て方は有効です。日本語の記事に日本の読者向けの一次情報が含まれているかどうかが引用の分かれ目になる、という話に置き換えて読むこともできます。

一方で規制関連の記述は慎重に扱うべきです。ミュンヘン地裁の判決は記事自身が控訴中で確定した法解釈ではないと明記しており、DMAに基づくデータ共有も開始は2027年1月です。確定事実として社内に共有するのではなく、四半期ごとに状況を確認する対象として登録しておく、というのが記事の推奨とも合致する扱い方でしょう。欧州の検索環境が「Googleとその他」ではなく「規制が形を決める複数の経路」であるという構図そのものは、当面変わらないと見ています。

まとめ

・Search Engine Journalが2026年7月29日に公開したMotoko Hunt氏(AJPR)の寄稿は、欧州の検索を単一市場として扱うと、実際の発見がどれほど分断され規制されているかを見落とすと指摘している

・ドイツはGoogleが約80%でBingが実質10%、残りをYahoo・DuckDuckGo・Ecosiaが分け合い、チェコではSeznam.czが約12%、Googleが81%。二桁に近い国内エンジンを持つEU加盟国は他に無いとしている

・欧州の商品検索の多くはGoogleに触れず、現地版AmazonやZalando、Otto、Allegro、比較サイトのIdealoやKelkooへ直行しており、マーケットプレイス上のタイトル・構造化属性・レビュー件数が実質的にSEOの役割を担っている

・規制面では、2026年7月16日にDMA第6条(11)に基づく拘束的決定が採択され(データ共有の開始は2027年1月)、2026年5月のミュンヘン地裁判決はAI Overviewsの誤った記述についてGoogleの直接責任を認めた(控訴中で確定した法解釈ではない)

・同意バナーはAI経由の参照データを欠損させるだけでなく、タグマネージャ経由で配信している構造化データの発火まで止め得ると指摘し、スキーマを同意取得前に発火させるかページのソースへ移すこと、本質的にはサーバーサイドタギングが解決策だとしている

よくある質問

Q1: 欧州でGoogle以外に押さえるべき検索エンジンとして、記事は何を挙げていますか?

記事が具体名と数値を挙げているのは、ドイツのBing(実質10%)とEcosia、そしてチェコのSeznam.cz(約12%)です。ドイツではGoogleが約80%、残りをYahoo、DuckDuckGo、Ecosiaが分け合っており、Ecosiaは母国市場で過去最高の数値を記録したばかりだと説明されています。チェコではGoogleが81%です。記事は、二桁に近いシェアを持つ国内エンジンは他のEU加盟国には無いと明記しています。またBingについては、モバイルとデスクトップの合算値ではなくデスクトップ単体で見るとシェアが全体の数倍になり、MicrosoftがCopilotをEdgeとWindows 11へ組み込むことでその差を広げ続けているとしています。

Q2: 2026年7月16日の欧州委員会の決定は、実務にどう影響しますか?

記事によれば、これはDMA第6条(11)に基づく拘束的決定で、Googleが匿名化されたランキング、クエリ、クリック、ビューのデータを、競合エンジンおよびAIチャットボット提供者へどう共有すべきかを定めたものです。共有は2027年1月に開始され、Googleの競合に対して、他のどの規制当局も執行したことのないデータ上の優位を与えるとされています。ただし記事は、この決定によって個別のサイトの順位がどう変わるかについては述べていません。現時点では、開始時期を四半期ごとの規制モニタリングの対象として登録しておく、という扱いが妥当です。記事自身も、DMAの手続きやミュンヘン判決の控訴状況、英国CMAの期限、AI法の段階的施行を、検索・コンテンツ側と法務が共同で四半期レビューすることを推奨しています。

Q3: 日本企業が欧州向けにサイトを展開する場合、まず何から手を付ければよいですか?

記事は日本企業に向けた個別の推奨を書いていないため、以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。記事の指摘のうち自社で完結する項目から着手するのが現実的です。具体的には、Google Tag Manager経由でJSON-LDを注入している箇所を洗い出し、同意管理ツールの設定で実行が止められていないかをページのソースを直接取得して確認すること、そしてマーケットプレイスに出品しているならそこでの商品タイトルと属性の管理責任者を整理することです。多言語サイトの言語・地域の出し分け(hreflangの設計など)も欧州展開では論点になりますが、これは今回の記事が扱っている範囲ではないため、別途の検討事項として扱ってください。

出典:European Search Strategy Goes Beyond Google & Bing(Search Engine Journal、Motoko Hunt氏、2026年7月29日)https://www.searchenginejournal.com/european-search-strategy-goes-beyond-google-bing/581780/

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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