何が起きたのか
Search Engine Roundtable(Barry Schwartz氏)によると、2026年8月18日にGoogle広告で「予算に制約がある(Limited by Budget)」キャンペーンの入札に関する変更が実施される予定です。この変更を巡り、PPCコミュニティの一部では、Googleが説明している範囲よりも広範なスマート自動入札のアップデートなのではないかという見方が広がっています。同メディアはこの件を6月2日に詳しく取り上げ、その後もGoogleからのコメントを追記して更新を続けており、6月15日にも続報を出しています。記事のタイトルにもある通り、Googleの広告担当者側はこの変更を「限定的なもの」として位置づけようとする一方、PPCコミュニティ側は懸念を強めているという、やや異例の温度差が生じています。
Google広告リエゾンによるやり取り
この件について、Maggie Humphrey氏がJoey Binder氏のLinkedIn投稿に対し、次のような趣旨の疑問を投げかけたと記事は伝えています。「Googleは『予算に制約があるキャンペーン』にのみ影響すると言っているが、同時に、より予測可能なパフォーマンスを提供するために入札システムを変更するとも言っている。それはより広範なスマート自動入札のアップデートに聞こえる。もし新しい入札挙動が最初から控えめでなくなるのであれば、Googleが『予測可能性』と呼びながら、単に効率の余剰分を犠牲にして支出を増やしているだけではないか」という内容です。
これに対し、Google広告リエゾンのGinny Marvin氏は次のように回答したと記事は引用しています。「その通りで、これは目標値を使用しているキャンペーンが予算制約下にある場合のみに影響する。なぜなら、目標値を使うキャンペーンが予算制約を受けていないときには、すでにこの入札挙動になっているからだ。今回の変更は、目標値を使うキャンペーンが予算制約下にあってもなくても、期待される入札挙動が同じになるようにするためのもの。もし広告主が予算制約のあるキャンペーンの予算を変更した場合、キャンペーンがスケールする過程でより安定したパフォーマンス挙動を期待できるはずだ。特に予算が限られたキャンペーンでは、予算変更時にパフォーマンスが予期せず変動することが多く、これが広告主にとって、自信を持ってキャンペーンをスケールさせることを難しくするフラストレーションの原因になっていた。今回の変更はこれに対応するものだ。要するに、コントロールをより明確にするものであり、目標値がROIをより正確にコントロールするようになる」という内容です。
さらにMaggie氏が「tROAS入札のキャンペーンが目標値を上回っていて、かつLimited by Budgetでない場合は今日と同じ挙動を続ける。しかし、そのキャンペーンがLimited by Budgetになった場合は、予算を増やさない限り、キャンペーンのROASが現在の目標値に近づくよう低下すると考えてよいか」と確認を求めたところ、Ginny Marvin氏は「目標値を使うキャンペーンが予算制約を受けていない場合の入札システムの挙動は何も変わらず、それらのキャンペーンは今日と同じように振る舞い続ける。これらのキャンペーンは通常、入札目標値に沿ったパフォーマンスになる傾向がある。キャンペーンが予算制約を受けるようになった場合でも、平均的な目標パフォーマンスに変化は生じないと考えてよい。なぜなら、このアップデート後は、予算制約の有無にかかわらず期待される入札挙動が同じになるからだ」と回答したと記事は伝えています。
記事では、この一連のやり取りについてGreg Finn氏が「It’s New」という番組内でさらに詳しく解説しており、動画の10分10秒付近から始まる約6分間の解説は視聴する価値があると紹介されています。また、この件に関するフォーラムでの議論はLinkedIn上で行われているとのことです。
SEO・PPC担当者はどう捉えるか
ここで整理しておきたいのは、Googleが説明しているのは「入札システムの内部的な仕様変更の範囲」であり、それが個々のアカウントの実際の費用対効果(ROASやCPA、支出額など)にどう表れるかは別問題だという点です。Google広告リエゾンの説明は「予算制約下と非制約下で挙動を揃える」という技術的な意図にとどまっており、それによって特定の広告主のパフォーマンスが良くなる・悪くなるという結果を約束するものではありません。tROASやtCPAで予算制約に達しているキャンペーンを運用している場合は、8月18日の変更前後でパフォーマンス指標(実消化予算、CPA/ROASの実績値)に変化がないか確認しておくとよいでしょう。ただし記事内のやり取りが示す通り、Google側と現場の広告運用者の間で受け止め方に差があること自体が、この変更の影響範囲がまだ完全にはクリアになっていないことを示しています。
所感
Scale Basics編集部としては、Googleが「限定的な変更」と説明する一方でPPCコミュニティ側が「実質的にはより広範なスマート自動入札のアップデートではないか」と疑念を持つという構図自体が興味深いと感じています。Google広告リエゾンが公式にLinkedIn上でやり取りに応じ、追加の質問にも回答している点は透明性の観点で評価できますが、それでもなお現場からは「本当に自分たちのキャンペーンだけの話なのか」という不安が拭えていない様子がうかがえます。今後もGoogle側からの追加コメントや、8月18日以降の実際の運用データに基づく検証記事が出てくる可能性が高く、続報を注視しておく価値のあるトピックだと考えています。
まとめ
・Google広告は2026年8月18日、「予算に制約がある(Limited by Budget)」目標値キャンペーンの入札挙動を変更する予定
・PPCコミュニティの一部は、これをGoogleの説明より広範なスマート自動入札アップデートと見ている
・Google広告リエゾンのGinny Marvin氏は、予算制約の有無にかかわらず入札挙動を統一する変更であり、パフォーマンスの安定化を狙ったものと説明
・実際の費用対効果への影響は個別のアカウント・キャンペーンによって異なるため、変更前後の実績値の確認が推奨される
よくある質問
Q1: Google広告のどのような変更が、いつ実施されますか?
2026年8月18日に、Google広告で「予算に制約がある(Limited by Budget)」目標値キャンペーンの入札挙動が変更される予定です。
Q2: どのキャンペーンが対象になりますか?
tROASやtCPAなど目標値を使用しており、かつ「予算に制約がある」状態のキャンペーンが対象です。目標値を使用していても予算制約を受けていないキャンペーンの挙動は変わらないと、Google広告リエゾンのGinny Marvin氏は説明しています。
Q3: この変更でROASやCPAの実績が良くなりますか、悪くなりますか?
記事の中でGoogle広告リエゾンは、これが「より予測可能で安定したパフォーマンス」を目的とした変更であり、予算制約の有無で入札挙動が揃うようにするものだと説明していますが、個々のキャンペーンの実績が改善するか悪化するかを断定する内容ではありません。PPCコミュニティの一部からは、実質的な支出増につながるのではという懸念も出ています。
出典:Google Ads Making Broader Smart Bidding Updates? Google Says No.(Search Engine Roundtable、2026年7月17日)https://www.seroundtable.com/google-ads-broader-smart-bidding-updates-41702.html