何が起きたか:AI Performanceレポートに「Topics Portfolio」が追加された
Search Engine Roundtableによれば、Microsoft BingのチームのKrishna Madhavan氏、Saral Nigam氏、Vivek Jain氏がBing Webmasterのブログで、Bing Webmaster ToolsのAI Performanceレポートの中に新しいベータ機能「Topics Portfolio」を加えたと発表しました。発表文は次のように説明しています。
It is called Topics Portfolio, and it groups the grounding queries where your site appears into broader thematic clusters – for example, football, taxes or AI Chatbots – so you can see the shape of your presence across those clusters rather than one query at a time.
日本語にすると「それはTopics Portfolioと呼ばれ、あなたのサイトが表示されるグラウンディングクエリを、たとえばフットボール、税金、AIチャットボットといったより広いテーマのクラスターにまとめる。それにより、クエリを1つずつ見るのではなく、それらのクラスター全体での存在感の形を把握できる」という内容です。
Search Engine Roundtableによれば、Krishna Madhavan氏はLinkedInでも、Topics Portfolioは新しい洞察をまとめたもので、その中にはpersonalized Opportunity Queries based on real grounding dataが含まれると投稿しています。日本語にすると「実際のグラウンディングデータに基づく、パーソナライズされたOpportunity Queries」という内容です。
ここで言うグラウンディングクエリについて、Search Engine Journalは、BingのAIがCopilotとBingのAI要約、および一部のパートナー連携で、回答の中でコンテンツを見つけて引用するために使う検索語だと説明しています。
利用条件について、Microsoftは「サイトに十分なデータがある場合」にだけAI Performanceレポートの下で利用できるとしています。Search Engine Journalは、サイトの存在感やエコシステム全体の動きが少なすぎるトピックは表示されないため、小規模なサイトでは表示される項目が少なかったり、機能そのものが見えなかったりする可能性があると書いています。
3つの指標とTop Opportunity Queriesの中身
Search Engine Journalによれば、Topics PortfolioはAI Performanceのセクションで、Citations & Pagesの右にある新しいタブに置かれています。Topics Portfolioを開くと、まずMicrosoftが自サイトに「意味のある」存在感があるとみなすトピックが並び、各トピックに次の3つの指標が付きます。
・Topic Size:選択した期間における、そのトピックの全サイト合計の引用数の概算です。Microsoftは、そのトピックがAI検索でどれだけの需要を持つかを測る目安だとしています
・Sites Cited:そのトピックのクエリで表示されるサイト数の概算で、トピックがどれだけ混み合っているかを示します
・Queries:そのトピックに含まれる、異なるグラウンディングクエリの数の概算です
トピックの一覧のすぐ下には「Top Opportunity Queries」という一覧があります。これは自サイトの全トピックを横断して、他のサイトは引用されているのに自サイトは引用されていないクエリを集めたものです。この一覧の引用数は、正確な数ではなく幅(レンジ)で示されます。
トピックをクリックすると詳細ページが開き、トピックの規模、そのトピック内での自サイトの引用数、クエリの数が表示されます。その下には表が2つあり、1つは自サイトがすでに表示されているクエリ、もう1つはそのトピックのOpportunity Queriesで、こちらも引用数は幅で示されます。データは1か月、2か月、3か月の期間で表示できます。
6月の更新から何が変わったか
Search Engine Journalによれば、AI Performanceは2月にパブリックプレビューとして公開され、6月の更新でTopics、Intents、Citation Share、Compareが加わりました。このときのTopicsのラベルは、自サイトがすでに引用されているグラウンディングクエリをまとめたものでした。同じく6月に導入されたCitation Shareは、あるグラウンディングクエリの全引用のうち自サイトが占める割合を示す指標で、BingはAI Performanceのヘルプページで、競合のドメイン名は明かさないと説明しています。
今回のTopics Portfolioでは、トピック単位で全サイト合計の数値を示せるようになり、自サイトが引用されていないクエリも一覧にできるようになりました。Microsoftは、ポートフォリオとしての見方、エコシステム全体の文脈、Opportunity Queriesを、これまで示せなかった項目に挙げています。
ベータとしての制約と、まだ無いもの
Search Engine Journalは、Bingの発表にある制約も紹介しています。Topics PortfolioのトピックはAIが生成しているため、自分ならそうは分類しないラベルにクエリが入ることがあります。また、ブランド名での検索がOpportunity Queriesとして表示されることもあります。Microsoftが挙げた例は靴のサイトで、Running Shoesのトピックに競合ブランドの検索が機会として表示されたというものです。Microsoftは次のように書いています。
Treat the numbers as directional signals for planning, not as a precise ledger.
日本語にすると「数値は計画のための方向性を示すシグナルとして扱い、正確な台帳としては扱わないでください」という内容です。
各Opportunity Queryやトピックの行には、フィードバック用の高評価と低評価のボタンがあります。Microsoftによれば、評価は分類と機会の選定を担当するチームに届き、何から修正するかの判断に反映されます。
まだ無いものもあります。Search Engine Roundtableは、クリックのデータはまだ無いと書いています。Search Engine Journalは、執筆時点でBingのAI PerformanceのヘルプページはTopics Portfolioを扱っておらず、当面はBingの投稿の制約に関する部分が当面の主な手引きになるとしています。Bingの発表は、Topics Portfolioがベータを終える時期を示していません。
現場への意味(編集部の見解)
ここからは編集部の整理です。出典が述べている事実と分けて読んでください。
最も実務に結びつきやすいのはOpportunity Queriesでしょう。Search Engine Journalも、自社のトピックについてAIの回答が他サイトを参照しているのに自社を参照していないクエリの一覧であり、コンテンツの抜け漏れを探す出発点になると評価しています。編集部としては、この一覧を既存記事の棚卸しと突き合わせ、「該当する記事が無い」のか「記事はあるのに引用されていない」のかを分けて扱うのが進めやすいと考えます。前者は新規作成の候補、後者は既存記事の見直しの候補という整理です。AI回答で引用されるための考え方はAIO対策の解説でも扱っています。
一方で、数値の扱いには注意が必要です。Topic Sizeなどの指標は概算で、Opportunity Queriesの引用数は幅で示されます。Search Engine Journalは、トピック間のおおまかな比較には使えるが、個別の引用数の追跡には使えないと指摘しています。社内レポートに転記する場合は、Microsoft自身が「正確な台帳ではない」としている点を注記しておくと安全です。
競合ブランドの検索が機会として表示されうる点も、リストをそのまま制作指示にしない理由になります。違和感のある分類には、フィードバックのボタンで評価を返しておくとよいでしょう。また、クリックのデータがまだ無いため、この機能だけで流入への影響は判断できません。
まとめ
・Microsoft BingはBing Webmaster ToolsのAI Performanceレポートに、ベータ機能「Topics Portfolio」を追加した。Search Engine Roundtableが2026年10月13日、Search Engine Journalが10月14日に報じた
・Topics Portfolioは、自サイトが引用されたグラウンディングクエリをテーマ別のトピックにまとめ、Topic Size、Sites Cited、Queriesの3指標を概算で示す。表示はサイトに十分なデータがある場合に限られる
・Top Opportunity Queriesは、他サイトは引用されているが自サイトは引用されていないクエリを全トピック横断で示し、引用数は幅で表示される。期間は1か月、2か月、3か月から選べる
・Microsoftは、ポートフォリオとしての見方、エコシステム全体の文脈、Opportunity Queriesを、これまで示せなかった項目に挙げている
・トピックはAIが生成するため分類にずれが出うるほか、競合ブランドの検索が機会として出ることもある。Microsoftは数値を正確な台帳ではなく方向性のシグナルとして扱うよう求めている
・クリックのデータはまだ無く、ヘルプページも執筆時点で未対応、ベータ終了の時期も示されていない
よくある質問
Q1: Topics Portfolioはどこで見られますか?すべてのサイトで使えますか?
Search Engine Journalによれば、Bing Webmaster ToolsのAI Performanceのセクションで、Citations & Pagesの右にある新しいタブに置かれています。ただしMicrosoftは、サイトに十分なデータがある場合にだけ利用できるとしています。存在感やエコシステム全体の動きが少なすぎるトピックは表示されないため、小規模なサイトでは表示される項目が少なかったり、機能自体が見えなかったりする可能性があります。
Q2: Topic Size、Sites Cited、Queriesはそれぞれ何を示しますか?
Topic Sizeは選択期間におけるそのトピックの全サイト合計の引用数の概算で、AI検索での需要の目安とされています。Sites Citedはそのトピックのクエリで表示されるサイト数の概算で、トピックの混み具合を示します。Queriesはそのトピックに含まれる異なるグラウンディングクエリの数の概算です。いずれも概算であり、Microsoftは数値を正確な台帳ではなく計画のための方向性のシグナルとして扱うよう求めています。
Q3: Opportunity Queriesに出たクエリはすべて対策すべきですか?
そのまま制作の対象にするのは避けたほうがよいと編集部は考えます。Microsoftによれば、トピックはAIが生成するため想定と違う分類になることがあり、競合ブランドの検索が機会として表示されることもあります。引用数も幅でしか示されません。Search Engine Journalも、コンテンツの抜け漏れを探す出発点にはなるが、自サイトと関係の無い競合ブランドのクエリが含まれうると指摘しています。
出典:Topics Portfolio In Bing Webmaster Tools AI Reports(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年10月13日)https://www.seroundtable.com/topics-portfolio-bing-webmaster-tools-42288.html
出典:Bing Webmaster Tools Sorts AI Search Queries Into Topics(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏、2026年10月14日)https://www.searchenginejournal.com/bing-webmaster-tools-topics-portfolio-ai-performance/592874/