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AI検索の引用の約40%はブランド名を伴わない――Writesonicが約1,600万件を分析した「ゴースト引用」調査【2026年7月】

AI検索の引用の約40%はブランド名を伴わない――Writesonicが約1,600万件を分析した「ゴースト引用」調査【2026年7月】

AI検索エンジンが自社ページをソースとしてリンクしているのに、回答文のどこにもブランド名が出てこない――こうした状態を「ゴースト引用(ghost citation)」と呼び、AI検索における引用のおよそ40%がこれに当たると、Search Engine Landが2026年7月29日付の記事で報じています。記事はWritesonicによる調査をもとにしたもので、AI検索エンジンをまたいで約1,600万件のブランド出現を分析した結果だとされています。エンジン別に見るとゴースト引用の割合はPerplexityの52%からMicrosoft Copilotの19%まで大きく開いており、記事は「引用率をAI可視性の唯一の指標にすることはできない」と結論づけています。GEO(生成エンジン最適化)の効果測定に引用数を使っている担当者にとって、指標の置き方そのものを点検する材料になる調査です。

何が起きたか:AI検索の引用の約40%はブランド名を伴っていない

Search Engine Landが2026年7月29日に公開した記事「Ghost citations: Why AI search cites your content, not your brand(ゴースト引用:AI検索があなたのブランドではなくコンテンツを引用する理由)」が、AI検索でのブランド露出に関する調査結果を紹介しています。執筆はNikki Lam氏とSamanyou Garg氏、編集はAngel Ninofranco氏、レビューはDanny Goodwin氏と記載されています。

記事が扱っているのはWritesonicによる調査で、AI検索エンジンをまたいだ約1,600万件のブランド出現(brand appearances)を分析したものだと説明されています。その中心的な発見として記事が挙げているのが、「引用のおよそ40%は、回答の中でソースとなったブランドの名前を出していなかった(“Around 40% of citations didn’t name the source brand in the answer.”)」という数字です。

言い換えれば、AIの回答は自社のページを参照先として示しているにもかかわらず、回答本文を読んだユーザーはそのブランド名を目にしていない、という状況が全体の4割程度で起きているということになります。リンクは付いているのでツール上は「引用された」とカウントされますが、ユーザーの記憶に残る名前としては出ていない。この食い違いを記事は「ゴースト引用」と名付けています。

「引用」と「言及」は別物――ゴースト引用の定義

この調査を読むうえで最も重要なのが、記事が明確に線を引いている2つの用語の違いです。記事は「引用(citation)とは、AIの回答があなたのページをソースとしてリンクすることを意味する(“A citation means an AI answer links to your page as a source”)」「言及(mention)とは、生成された回答のテキストの中にあなたのブランド名が現れることを意味する(“A mention means your brand name appears in the generated answer text”)」と定義しています。

そのうえでゴースト引用は、「AIエンジンがあなたのページをソースとしてリンクしているのに、生成された回答の中でブランド名に触れていない」場合に発生すると説明されています。つまりゴースト引用は、引用はあるが言及がない状態を指す言葉です。

この区別は、実務で使う指標の設計に直結します。多くのAI可視性トラッキングツールは「何回引用されたか」を主要な数字として提示しますが、その数字は「何回ブランド名が読まれたか」とは一致しません。記事の枠組みに沿えば、引用と言及は測るべき対象が違う2つの指標であり、片方だけを見ていると露出の実像を取り違える可能性がある、ということになります。

エンジン別のゴースト引用率:Perplexityの52%からCopilotの19%まで

記事が掲載しているエンジン別のゴースト引用率は次のとおりです。全体では約40%とされる一方、エンジンごとの差は非常に大きく、最も高いPerplexityと最も低いMicrosoft Copilotでは33ポイントの開きがあります。

AI検索エンジン ゴースト引用率
Perplexity 52%
Google AI Mode 49%
Google AI Overviews 41%
ChatGPT 37%
Gemini 25%
Grok 22%
Microsoft Copilot 19%

数字の読み方には注意が必要です。ここでの割合が高いということは、そのエンジンで引用されたときに回答文の中でブランド名が出てこない確率が高い、という意味です。Perplexityでは引用されたうちの半分強がブランド名を伴わず、逆にMicrosoft Copilotでは引用のうち約8割で何らかの形でブランド名が回答に現れている、という読み方になります。エンジンの優劣を示す数字ではなく、あくまで「引用と言及がどれだけ一致するか」の傾向を表す数字です。

「Namers」と「Citers」:エンジンごとに性格が分かれる

記事はこのばらつきを、2つの明確なパターンとして整理しています。ひとつが「Namers(名前を出す側)」で、GeminiとMicrosoft Copilotが該当するとされています。これらは回答の中にブランド名を含める一方で、リンクを張る頻度は低い、というのが記事の説明です。

もうひとつが「Citers(引用する側)」で、PerplexityとGoogleが該当します。こちらは頻繁にリンクを張る一方で、ブランド名を出すことについては一貫していない、とされています。

この対比は、ゴースト引用率の表をそのまま裏返した構図になっています。Perplexity(52%)とGoogle AI Mode(49%)、Google AI Overviews(41%)がCiters側の上位に並び、Gemini(25%)とMicrosoft Copilot(19%)がNamers側として低い値に位置します。同じ「AI検索での露出」でも、エンジンによってブランドが受け取る便益の形が違う、という整理です。リンクが多いエンジンではクリックによる流入の可能性が残り、名前を出すエンジンでは流入がなくても認知が積み上がる、という性格の違いだと読み取れます。

実務への影響:引用率だけをAI可視性の指標にできない

記事は結論として、「引用率がAI可視性の唯一の指標にはなり得ない(“citation rate can’t be the only measure of AI visibility”)」と述べています。ここから先は、この結論を日本のSEO・GEO運用の文脈に置き直したScale Basics編集部の整理です。記事に書かれていない数値や事例は含めていませんが、解釈の部分は編集部の見解として読んでください。

まず影響を受けるのは、レポーティングの設計です。AI検索での成果を「引用数」や「引用率」だけで社内報告している場合、その数字は今回の枠組みでいう引用(citation)しか捉えていません。Perplexityで引用数が伸びていても、その半分強は回答文にブランド名が出ていない可能性がある、というのが調査の示す傾向です。逆に、Microsoft Copilotのように引用の絶対数が少なくても回答内でブランド名が出やすいエンジンでは、引用数ベースの指標は成果を過小評価しかねません。

次に、エンジンごとに打ち手の優先順位が変わります。Citers寄りのエンジンでは、リンク経由の流入をどう受け止めるか、つまり着地ページの品質やコンバージョン導線が効いてきます。Namers寄りのエンジンでは、そもそもクリックが起きにくい前提で、回答文の中にブランド名が残ること自体を成果として扱う必要があります。すべてのエンジンに同じKPIを当てはめると、どちらかを必ず取りこぼす構造になっています。

三点目として、社内の期待値調整があります。「AIに引用された」という報告は響きが良い一方で、その回答を読んだユーザーが自社名を認識していないケースが相当数あるという事実は、経営層や事業部と共有しておくべき前提です。引用が増えているのにブランド指名検索が動かない、という現象が起きたときに、測定の失敗ではなく構造的な性質として説明できるかどうかで、施策の継続判断は変わります。

記事が挙げる4つの打ち手と、今日からできる確認手順

記事は、ブランドの可視性を高めるための方策として4つを挙げています。

  1. 言及と引用を別々にトラッキングする
  2. 自社ブランド名を冠した独自調査(proprietary research)を作る
  3. ブランドの帰属表示を主張(claim)と直接ひも付ける
  4. 個々のAI回答を調べてパターンを見つける

ここから先は、この4点をどう実務に落とすかについてのScale Basics編集部による補足です。記事にはこれ以上の具体的な手順は書かれていないため、以下は一般的な実務上の考え方として参照してください。

1点目については、既存のAI可視性レポートに「言及」の列を追加できるかをまず確認するのが出発点になります。ツールが引用数しか出さない仕様であれば、主要クエリについて回答テキストを保存し、その中にブランド名が含まれているかを手作業でも記録しておくと、引用と言及の乖離が自社でどの程度かを把握できます。

2点目の独自調査については、自社名と切り離せない形のデータを作るという発想です。一般論として、AIの回答が数値やランキングを引くとき、その出所を示す必要が生じる場面ではブランド名が回答文に現れやすくなります。既存の一般論の焼き直しではなく、自社しか持っていない集計や実測値を出すことが、名前ごと引用される確率を上げる方向に働くと考えられます。

3点目の帰属表示については、記述の書き方の問題です。数字や主張だけを単独で置くのではなく、「当社の調査では」「◯◯社の集計によると」といった形で、主張と出所を同じ文の中に収めておく。ページのどこかにクレジットがあるだけでは、抽出された断片から名前が落ちる余地が残ります。

4点目のパターン探索は、定点観測の話です。自社に関わる代表的な質問をいくつか決め、主要エンジンで定期的に同じ質問を投げて回答を保存する。そのうえで、リンクだけが付いているのか、名前も出ているのか、名前が出る場合はどういう文脈なのかを分類していくと、エンジン別の傾向が自社のデータとして蓄積されます。今回の調査はあくまで全体傾向であり、業界やクエリによって実態は変わり得るため、自社での確認が最終的な判断材料になります。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。この調査で本当に価値があるのは、エンジン別の数字そのものよりも「引用と言及を別の指標として分けた」という枠組みのほうだと考えています。AI検索の効果測定はまだ手探りの段階にあり、多くの現場では従来のSEOレポートの発想を引き継いで「何回出たか」を数える形になっています。しかし、リンクが付くことと名前が読まれることは、ユーザーの行動としてはまったく別の出来事です。前者はクリックの可能性を生み、後者は指名検索や想起を生みます。この2つを同じ列に足し合わせている限り、どちらの施策が効いたのかは永久に切り分けられません。

もうひとつ気になるのは、ゴースト引用が事業者側からは制御しにくいという点です。どのエンジンがブランド名を出すかは、そのエンジンの回答生成の設計に依存します。今回の数字でPerplexityとGoogle AI Modeが上位に並ぶ一方でCopilotが最も低いという結果は、コンテンツ側の努力というよりエンジン側の方針の違いを反映していると読むのが自然でしょう。だとすれば、事業者にできるのは「名前ごと引用されやすい情報の形を用意しておくこと」までであり、それでもゴースト引用は一定割合で残り続けると想定しておくべきです。

実務としての推奨は、指標を1本に絞らないことです。引用数、言及数、そして指名検索や直接流入といったブランド側の指標を並べて見る。数字が動かない期間があっても、どの層で止まっているのかが分かれば打ち手は選べます。逆に、引用数という単一の数字だけを追いかけていると、増えているのに何も起きていない、あるいは減っているのに認知は伸びている、といった説明のつかない状況に陥りやすくなります。今回の記事が投げかけているのは、施策の話というより測定の設計の話だと受け止めています。

まとめ

・Search Engine Land(Nikki Lam氏・Samanyou Garg氏、2026年7月29日付)が、Writesonicによる調査を紹介。AI検索エンジンをまたいだ約1,600万件のブランド出現を分析した内容で、引用のおよそ40%が回答内でソースブランドの名前を出していなかったとされる

・記事は引用(citation)を「AIの回答がページをソースとしてリンクすること」、言及(mention)を「生成された回答テキストにブランド名が現れること」と定義し、リンクはあるが名前が出ない状態を「ゴースト引用」と呼んでいる

・エンジン別のゴースト引用率はPerplexity52%、Google AI Mode49%、Google AI Overviews41%、ChatGPT37%、Gemini25%、Grok22%、Microsoft Copilot19%と、大きな開きがある

・記事はエンジンを2つのパターンに整理しており、GeminiとCopilotは回答にブランド名を含めるがリンクは少ない「Namers」、PerplexityとGoogleはリンクは多いがブランド名を出すことに一貫性がない「Citers」だとしている

・打ち手として、言及と引用を別々に追う、自社ブランド名を冠した独自調査を作る、ブランドの帰属表示を主張と直接ひも付ける、個々のAI回答を調べてパターンを見つける、の4点が挙げられ、記事は引用率をAI可視性の唯一の指標にはできないと結論づけている

よくある質問

Q1: ゴースト引用とは何ですか?

Search Engine Landの記事によれば、AIエンジンがあなたのページをソースとしてリンクしているにもかかわらず、生成された回答の中でブランド名に触れていない状態を指します。記事は引用(citation)を「AIの回答があなたのページをソースとしてリンクすること」、言及(mention)を「生成された回答のテキストの中にあなたのブランド名が現れること」と定義したうえで、この2つが一致しないケースをゴースト引用と呼んでいます。Writesonicが約1,600万件のブランド出現を分析した調査では、引用のおよそ40%が回答内でソースブランドの名前を出していなかったとされています。

Q2: エンジンによってゴースト引用の割合はどれくらい違うのですか?

記事が示しているゴースト引用率は、Perplexityが52%、Google AI Modeが49%、Google AI Overviewsが41%、ChatGPTが37%、Geminiが25%、Grokが22%、Microsoft Copilotが19%です。記事はこの違いを2つのパターンとして整理しており、GeminiとMicrosoft Copilotは回答にブランド名を含める一方でリンクを張る頻度が低い「Namers」、PerplexityとGoogleは頻繁にリンクを張る一方でブランド名を出すことに一貫性がない「Citers」だと説明しています。なお、これらは調査全体の傾向を示す数値であり、特定の業界やクエリでの自社の実態とは別物として扱う必要があります。

Q3: AI検索での可視性はどのように測ればよいですか?

記事は「引用率がAI可視性の唯一の指標にはなり得ない」と結論づけ、言及と引用を別々にトラッキングすること、自社ブランド名を冠した独自調査を作ること、ブランドの帰属表示を主張と直接ひも付けること、個々のAI回答を調べてパターンを見つけることの4点を挙げています。これ以上の具体的な手順は記事に書かれていないため、以下はScale Basics編集部による一般的な実務上の補足です。まず既存のAI可視性レポートに「言及」を独立した列として追加できるかを確認し、ツールが引用数しか出さない場合は主要クエリの回答テキストを保存してブランド名の有無を記録することから始めるとよいでしょう。あわせて、指名検索や直接流入といったブランド側の指標を並べて見ると、引用数だけでは説明できない変化の所在を切り分けやすくなります。

出典:Ghost citations: Why AI search cites your content, not your brand(Search Engine Land、Nikki Lam氏・Samanyou Garg氏、2026年7月29日)https://searchengineland.com/ghost-citation-problem-ai-483794

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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