Googleが技術SEOの「珍問」を扱う動画シリーズを開始
出典によると、Googleは最近、Search CentralのYouTubeで「The Non-Canonical Cabinet」というシリーズを始めました。技術SEOのエッジケース(めったに起きない例外的な状況)を扱うシリーズです。10月14日に公開された初回では、ドメイン名やURLパスに含められるもの、含められないもの(絵文字など)と、URLにキーワードを使うことが検索順位に影響するかどうかが扱われています。
進行役はGary Illyes氏とCherry Prommawin氏です。Googleは10月6日に予告動画を投稿してシリーズを告知し、視聴者に対して、それぞれの投稿のコメント欄でエッジケースの質問を寄せるよう呼びかけたとされています。
シリーズの位置づけ
出典によると、Googleが10月6日に公開した予告編では、「The Non-Canonical Cabinet」はサイト運営者やSEO業界から寄せられた具体的な質問をもとにした、シットコム(連続ホームコメディ)仕立てのコメディだと説明されています。エピソードの説明文には、次のように書かれているとされています。
These are questions that don’t belong on a standard FAQ page but are still useful for Search and generative AI features.
日本語にすると「標準的なFAQページには載らないものの、検索や生成AIの機能にとっては役立つ質問」という内容です。
出典は、Illyes氏が2024年にSearch Centralで5回構成の動画シリーズ「How Search Works」の進行役を務めたことにも触れています。そちらはクロール、インデックス登録、検索結果の表示という流れを順に説明するものでした。これに対して「The Non-Canonical Cabinet」は、基礎から始めるのではなく、検索についてのユーザーの質問から始まる点が違う、というのが出典の整理です。
ドメイン名とURLパスでは使える文字のルールが違う
初回で取り上げられたテーマの一つは、ドメイン名とURLパスの違いです。
出典によると、ドメイン名の技術的な指針はICANNとInternet Engineering Task Force(IETF)が定めています。IETFの指針(RFC 1035、RFC 1123)では、ドメイン名に英字、数字、ハイフンを使えるとされており、Prommawin氏はGoogleもこれと同じ標準に従っていると述べました。
ローマ字以外の文字(中国語、アラビア語)に対応する文字体系が加わったことで、母語の文字で書かれたドメイン名も使えるようになりました。こうした国際化ドメイン名(IDN)は、「xn--」で始まる文字列であるPunycodeに変換されます。ブラウザは通常、IDNを元の文字で表示します。ただしIllyes氏は、IDNの文字体系の中には、ほかの言語の文字とよく似た文字があり、人やブラウザを混乱させることがあると指摘しました。例として、キリル文字(Cyrillic)のある文字は英語の「p」とよく似ているとされています。
絵文字についてIllyes氏は、ドメインに関する現在のインターネット標準では、ドメイン名に絵文字は認められていないと述べました。出典は、2017年のICANN理事会の決議が、絵文字は国際化ドメイン名の現在の技術標準では認められていないとしていることを紹介しています。一方でこの決議は、現在の標準では禁止されているものの、一部の国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)では、第2レベルで絵文字を登録できる場合があるとも記しているとされています。
これに対して、URLパス(ドメイン名より後ろの部分)の制限はより少ないとされています。Illyes氏は、絵文字を含むパスもGooglebotはクロールし、「私たちのシステムは実際にそれを処理する」と述べました。ブラウザはこうした文字をパーセントエンコード(文字を「%」と英数字の組み合わせに置き換える方式)するため、エピソードに出てくるニワトリの絵文字は、パスの中では%F0%9F%90%94になります。
ただしIllyes氏は、すべてのブラウザやソーシャルメディアのアプリが絵文字を表示するわけではなく、代わりに「意味不明な文字列」が表示される場合もあると述べています。出典は、GoogleのURL構造に関するドキュメントがすでにパスの側を扱っており、ASCII以外の文字にはパーセントエンコードを推奨し、例の一つに絵文字を使っていると補足しています。
URL内のキーワードと単語の区切り文字
もう一つのテーマは、URLに含めるキーワードの扱いです。Illyes氏はURL内のキーワードを「非常に小さなシグナル」と呼びました。Illyes氏は、それが意味を持つのは、ほかに手がかりがまったくないときだけだとし、例として、できてから数秒しかたっておらず、コンテンツもないサイトを挙げています。Googleがコンテンツを確認できるようになると、ドメインやURL内のキーワードは「基本的に無関係になる」と述べたとされています。
出典の筆者であるSouthern氏は、John Mueller氏がURLのキーワードを2016年に「非常に小さなランキング要因」、2021年に「非常に非常に軽い要因」と表現していたことにも触れています。これらは、Southern氏が2023年にランキング要因としてのURLを調べた際に集めた発言だとされています。
単語の区切り文字について、Illyes氏は、URLパスでアンダースコアでつながれた単語を、Googleは「1つの長い単語として」扱うと述べました。そのうえで、Googleがそれでも単語を使える場合があるため、それで問題ないこともあるとし、Googleはウェブ全体で一般的な単語の区切りとしてハイフンを推奨していると付け加えています。出典によると、Googleのドキュメントも同じ助言をしており、その理由として「歴史的な理由」を挙げています。アンダースコアは、プログラミングの関数名のように、ひとまとまりにしておくべき概念を示すことが多いため、という説明です。
現場への意味(編集部の見解)
ここからは編集部の整理です。出典は、初回の内容について、絵文字、英語以外の文字、URL内のキーワードに関するクライアントの問い合わせに対して、Googleの公式な発言として使える回答だと位置づけています。また、パスに関する助言はURL構造のドキュメントと重なっているため、すでにそのドキュメントに沿っているサイトは変更の必要がない、と出典は書いています。今回の動画を受けて、URL設計を急いで見直す必要はないと考えます。
実務で役立ちそうなのは、URLのキーワードをめぐる社内やクライアントとの議論です。出典は、クライアントがキーワードを詰め込んだURLを望む場合の参考として、Illyes氏の回答を使えるとしています。また、エピソードの締めくくりのまとめでは、URLに大量のキーワードを入れて検索結果を操作しようとするのはやめるよう、視聴者に呼びかけていたとされています。URLの変更を提案されたときは、「URLのキーワードは、Googleがほかに何も知らないときにしか意味を持たない」という今回の発言を判断材料の一つにできます。
ここからは一般論としての整理です。URLを変えると、旧URLからの転送の設定や内部リンクの修正といった作業が発生します。キーワードを入れるためだけにURLを変える場合は、その作業の負担と、今回「非常に小さなシグナル」とされた効果とを比べて判断するのが妥当だと編集部は考えます。
確認の手順としては、次のような点が挙げられます。まず、自社サイトのURLパスに絵文字や英語以外の文字が含まれている場合は、ブラウザやソーシャルメディアでの共有時に、意図どおり表示されるかを確かめます。Illyes氏が述べたとおり、Googlebotが処理できても、すべての環境で表示されるとは限らないからです。次に、URLの単語の区切りにアンダースコアを使っている場合は、Googleが推奨しているのはハイフンであることを、今後の新規URLの設計ルールに反映するかどうかを検討します。既存のURLについては、Illyes氏が「問題ないこともある」と述べている点も踏まえて判断します。
出典によると、次回のエピソードではrobots.txtが扱われる予定です。どちらの動画の説明文にも公開スケジュールは書かれておらず、予告編と初回の公開は8日空いていたとされています。各動画のコメント欄では、公式ドキュメントで扱われていないエッジケースを質問できるとされているため、社内で判断に迷っている技術的な疑問がある場合は、投稿してみる価値があります。
まとめ
・Search Engine JournalのMatt G. Southern氏が2026年10月14日、GoogleがSearch Centralで技術SEOの珍しい疑問を扱う動画シリーズ「The Non-Canonical Cabinet」を始めたと報じた
・進行役はGary Illyes氏とCherry Prommawin氏で、10月6日に予告動画、10月14日に初回が公開された
・ドメイン名はIETFの指針(RFC 1035、RFC 1123)に沿って英字、数字、ハイフンが使え、現在の標準では絵文字は認められていない(一部のccTLDでは第2レベルで登録できる例外がある)。IDNは「xn--」で始まるPunycodeに変換される
・URLパスは制限が少なく、絵文字を含むパスもGooglebotはクロールし処理する。ブラウザは絵文字をパーセントエンコードする
・Illyes氏はURL内のキーワードを「非常に小さなシグナル」と呼び、コンテンツが確認できれば基本的に無関係になると述べた。単語の区切りにはハイフンが推奨されている
・次回はrobots.txtを扱う予定で、公開スケジュールは示されていない
よくある質問
Q1: URLにキーワードを入れると検索順位は上がりますか?
出典によると、Gary Illyes氏はURL内のキーワードを「非常に小さなシグナル」と呼び、ほかに手がかりがまったくないときにしか意味を持たないと述べています。例として、できてから数秒しかたっておらずコンテンツもないサイトを挙げ、Googleがコンテンツを確認できるようになると、ドメインやURL内のキーワードは基本的に無関係になるとしています。
Q2: ドメイン名やURLに絵文字を使えますか?
Illyes氏は、ドメインに関する現在のインターネット標準ではドメイン名に絵文字は認められていないと述べています。一方でURLパスは制限が少なく、絵文字を含むパスもGooglebotはクロールして処理するとしています。ただし、すべてのブラウザやソーシャルメディアのアプリが絵文字を表示するわけではないとも述べています。なお、2017年のICANN理事会の決議によると、一部の国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)では、第2レベルで絵文字を登録できる場合があるとされています。
Q3: URLの単語の区切りはアンダースコアとハイフンのどちらがよいですか?
Illyes氏は、URLパスでアンダースコアでつながれた単語をGoogleは1つの長い単語として扱うと述べ、Googleはウェブ全体で一般的な単語の区切りとしてハイフンを推奨しているとしています。出典によると、Googleのドキュメントも同じ助言をしており、アンダースコアはプログラミングの関数名のように、ひとまとまりにしておく概念を示すことが多いという歴史的な理由を挙げています。
出典:Google Launches A Video Series For Odd Technical SEO Questions(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏、2026年10月14日)https://www.searchenginejournal.com/google-launches-a-video-series-for-odd-technical-seo-questions/592952/
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