何が起きたか:ChatGPT Adsがヨーロッパ・インド・中東・北アフリカへ展開、広告機能も一括アップデート
OpenAIは、広告主向けの複数のアップデートを伝える中で、ChatGPT Adsの対象地域拡大を発表しました。Search Engine Roundtable(Barry Schwartz氏、2026年9月4日)は、OpenAIから受け取ったメールの内容として次のように伝えています。
Starting this week, we are rolling out ChatGPT Ads to select countries in Europe, India, the Middle East, and North Africa, expanding reach for advertisers with business in those markets.
日本語にすると「今週から、ヨーロッパ・インド・中東・北アフリカの一部の国々へChatGPT Adsの展開を始め、これらの市場の広告主のリーチを広げる」という内容です。Search Engine Land(Anu Adegbola氏、同日)も同様に報じていますが、対象国名は両記事とも明示していません。今回は地域拡大だけでなく、オーディエンス管理・コンバージョン計測・ペーシング・レポーティング・キャンペーン作成にまたがるアップデートも同時に発表されており、以下で内容を整理します。
カスタムオーディエンスの拡張:再構築なしの入れ替え、500万人超のオーディエンス、GAID対応
オーディエンス管理の変更について、Search Engine Roundtableは次のように伝えています。
You can add, remove, or replace members without recreating an audience, use audiences below 25K matched users for exclusions, and build audiences beyond 5M members.
日本語にすると「作り直しなしのメンバー追加・削除・置き換え、25K未満のオーディエンスの除外設定への利用、500万人超のオーディエンス作成」という内容です。あわせて、同一リクエストでの識別子混在、より細かいオーディエンスサイズ表示、識別子としてのGoogle Advertising ID(GAID)対応も加わりました。
コンバージョン計測の強化:Measurement PixelとConversions APIに新フィールド
計測面の変更について、Search Engine Roundtableは次のように伝えています。
We added more fields to help improve conversion matching across the Measurement Pixel and Conversions API.
日本語にすると「Measurement PixelとConversions APIの両方でコンバージョンマッチングを改善するフィールドを追加した」という内容です。具体的には、Pixelがハッシュ化された電話番号・名・姓・地域・郵便番号に対応し、Conversions APIもハッシュ化されたメールアドレス・電話番号・外部ID・名と姓・国・市区町村・地域・郵便番号の複数値フィールドとAndroid GAIDに対応するようになりました。Search Engine Landは、これによって広告主がコンバージョンを自社キャンペーンに結びつけやすくなり、ChatGPTをパフォーマンスチャネルとして扱ってもらう上での要件になると評価しています。
レポーティングの拡充:カルーセル広告のカード単位計測と商品フィード
レポーティング面では、商品フィード広告主向けの可視性が広がりました。Search Engine Landは次のように説明しています。
Ads Manager now reports impressions and clicks at the carousel-card level, while product-level fields are available through the Insights API.
日本語にすると「Ads Managerはカルーセル広告のカード単位でインプレッションとクリックを報告するようになり、商品単位のフィールドはInsights APIから取得できる」という内容です。OpenAIは、このカードのインプレッションは課金対象の広告インプレッションとは別物だとしています。Search Engine Roundtableは、カードインプレッションは個々の商品カードが視認可能になった時点でカウントされるとしたうえで、完全なデータは2026年8月20日以降、30日単位のローリングで利用できるとしています。あわせて、総予算キャンペーンにペーシング機能が導入され支出をより均等に配分できるようになった一方、実際の支出は日によって変動しうるとも伝えています。
ショッピング結果については、Barry Schwartz氏自身の推測と、アナリストのJuozas Kaziukėnas氏がLinkedIn上で示した見立てとして、商品フィードを送信しているブランドのものだけではないかとの見方が紹介されていますが、OpenAIの公式発表ではありません。
ChatGPT Ads Managerプラグイン:自然言語でキャンペーンを作成・分析
操作面の目玉は、ChatGPT Ads Managerのプラグインです。Search Engine Roundtableは次のように説明しています。
Create, manage, and analyze campaigns from ChatGPT or Codex. The plugin previews recommended changes and asks for confirmation before applying them.
日本語にすると「ChatGPTまたはCodexからキャンペーンを作成・管理・分析できる。プラグインは推奨される変更をプレビューし、適用前に確認を求める」という内容です。平易な言葉でウェブサイトやブリーフを配信可能な広告に変換し、バリエーション作成・キャンペーン更新・トラブルシューティング・成果レビュー・推奨事項の受け取りも行えるとされ、Pluginsから追加してアカウントを接続すれば利用を始められます。
今後の予定:視聴完了型のコンバージョンも加味する最適化モデル
OpenAIは今後の計画についても言及しています。Search Engine Roundtableは次のように伝えています。
We will be introducing a new conversion optimization model that optimizes through the inclusion of view-through conversions. With this campaign type, billing is impression-based while delivery optimizes toward your selected conversion goal.
日本語にすると「視聴完了型のコンバージョンを加味して最適化する新モデルを導入予定で、このキャンペーンタイプはインプレッション単位で課金される一方、配信は選択したコンバージョン目標に向けて最適化される」という内容です。クリックと視聴の両方からのコンバージョンに基づく最適化が可能になり、詳細はより広く展開されるにつれて共有される予定だとされています。Search Engine Landは、これがChatGPT Adsを現代のパフォーマンス広告を支える自動最適化モデルへ近づけると位置づけています。
広告運用への影響:何を確認すべきか
Search Engine Landは、拡張されたオーディエンスツールとコンバージョンマッチングの強化によって適切なユーザーへのターゲティングと成果把握が容易になり、新しいレポーティングと最適化機能が広告主にパフォーマンスへのコントロールを与えるとしたうえで、今回のアップデート群の全体像を次のようにまとめています。
OpenAI's latest updates aren't centred on a single new ad format. They're about building the less-visible infrastructure — targeting, measurement, optimization, reporting and workflow tools — that advertisers need before they can move meaningful budgets onto a new platform.
日本語にすると「単一の新しい広告フォーマットではなく、広告主が新しいプラットフォームへ本格的な予算を移す前に必要な、目に見えにくいインフラ――ターゲティング・計測・最適化・レポーティング・ワークフローツール――を構築するものだ」という内容です。
編集部の見解
編集部としてまず確認したいのは、自社のChatGPT Adsアカウントで、カスタムオーディエンスの上限拡張(500万人超)やGAID識別子、Measurement PixelとConversions APIの新フィールドが反映済みかどうかです。コンバージョンマッチングに関わる項目は計測精度に直結するため、実装を代理店側が担っている場合は連携状況の確認を優先すべきでしょう。カルーセル広告のカードインプレッションが課金対象インプレッションと別扱いである点も、レポートを見る際に混同しないよう注意が必要です。
ChatGPT Ads Managerのプラグインは、推奨変更を確認のうえ適用する仕組みである以上、自動化というよりは提案・承認型の運用支援と捉えるのが実態に近いでしょう。視聴完了型のコンバージョンを加味する新モデルも詳細共有はこれからのため、インプレッション単位課金への切り替わりだけを踏まえ、正式な展開のアナウンスを待って評価するのが妥当です。ショッピング結果が商品フィード提出ブランドに限られるという点は記者とアナリストの見立てであり、OpenAIの公式発表ではない点にも留意してください。
まとめ
・OpenAIはChatGPT Adsを、ヨーロッパ・インド・中東・北アフリカの一部の国々へ展開すると発表した(対象国名は明示されていない)
・カスタムオーディエンスは再構築なしのメンバー入れ替えに対応し、500万人超のオーディエンスも作成可能に。除外オーディエンスの制限も緩和され25K未満も利用可能、識別子にGAIDも追加された
・Measurement PixelとConversions APIにコンバージョンマッチング用の新フィールドが追加され、Ads Managerはカルーセル広告のカード単位でインプレッション・クリックを報告するようになった
・自然言語でキャンペーンを作成・管理・分析できるChatGPT Ads Managerプラグインが利用可能になった。推奨変更はプレビューされ、適用前に確認が必要
・OpenAIは今後、クリックと視聴の両方のコンバージョンを加味した新しい最適化モデル(インプレッション単位課金)を導入する計画
よくある質問
Q1: ChatGPT Adsの対象地域はどこまで広がりましたか?
Search Engine RoundtableとSearch Engine Landによれば、OpenAIは今週から、ヨーロッパ・インド・中東・北アフリカの一部の国々へChatGPT Adsの展開を始めました。対象となる個別の国名は両記事とも明示していません。
Q2: カスタムオーディエンスやコンバージョン計測はどのように変わりましたか?
Search Engine Roundtableによれば、オーディエンスは作り直さずにメンバーを追加・削除・置き換えでき、25K未満のオーディエンスも除外設定に使えるようになり、500万人を超えるオーディエンスも作成できます。識別子としてGoogle Advertising ID(GAID)にも対応しました。あわせてMeasurement PixelとConversions APIにも、ハッシュ化された電話番号・氏名・地域・郵便番号などの新フィールドが追加されています。
Q3: 今後予定されている新しいコンバージョン最適化モデルとはどのようなものですか?
Search Engine Roundtableによれば、OpenAIはクリックと視聴の両方からのコンバージョンに基づいて最適化できる新モデルを導入する計画です。このキャンペーンタイプはインプレッション単位で課金される一方、配信は選択したコンバージョン目標に向けて最適化されます。詳細は展開が広がるにつれて共有される予定です。
出典:OpenAI expands ChatGPT ads globally and builds out its ad stack(Search Engine Land、Anu Adegbola氏、2026年9月4日)https://searchengineland.com/openai-expands-chatgpt-ads-globally-and-builds-out-its-ad-stack-487125
出典:ChatGPT Ads Manager Plugin, Audience Updates, Product Feeds & More(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年9月4日)https://www.seroundtable.com/openai-chatgpt-ads-updates-42017.html