何が起きたか:AI Modeで完全一致・フレーズ一致による検索広告の配信をGoogleが確認
Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は2026年9月4日、Googleが最近、通常の純粋な検索キャンペーン(pure Search campaigns)を、AI Mode内で制限的マッチタイプ(restrictive match types)によって配信する「小規模な実験」を始めたことを確認したと報じました。
Googleの広告リエゾンであるGinny Marvin氏は、Schwartz氏に次のように述べています。
This is a small experiment that recently kicked off.
日本語にすると「これは最近始まったばかりの小規模な実験だ」という内容です。
これを最初に見つけたのは、LinkedInに投稿した運用者のAnthony Higman氏でした。同氏は次のように投稿しています。
Google is now serving regular pure search campaigns with restrictive match types in AI mode.
日本語にすると「Googleは現在、制限的マッチタイプを使った通常の純粋な検索キャンペーンをAI Mode内で配信している」という内容です。Higman氏はさらに、次のように付け加えています。
confirmed through multiple campaigns and tests on our side.
日本語にすると「こちら側の複数のキャンペーンとテストで確認した」という内容です。
詳細:Googleの説明――対象は「明示的かつ直接的なユーザー意図」がある場合
Marvin氏はLinkedInのコメント欄で、配信条件についてより詳しく説明しています。
Exact and phrase match keywords are eligible to serve text ads in AI Mode. Note however that this is limited to cases where there is explicit and direct user intent. AI Max and PMax for Search are designed to capture complex conversational intent and access our latest ad formats (like Highlighted Answers).
日本語にすると「完全一致とフレーズ一致のキーワードは、AI Mode内でテキスト広告を配信する対象になる。ただしこれは、明示的かつ直接的なユーザー意図がある場合に限られる。AI MaxとPMax for Searchは、複雑な会話的意図を捉え、Highlighted Answersのような最新の広告フォーマットにアクセスするために設計されている」という内容です。
Schwartz氏はあらためてMarvin氏に連絡を取り、これがGoogle Adsチームが実施している新しい限定的な実験であることを確認したと記事内で述べています。
背景:「小規模な実験」なのか――Higman氏は以前との違いを指摘
Higman氏は、これを単なる「小規模な実験」以上の話だと見ています。同氏はX(@AnthonyHigman、2026年9月4日)で次のように投稿しています。
But nah this one is! Others are also seeing it and it seems like they changed the rules on it now. Before this the ONLY way to show in those places was through ai max, p-max or broad and smart bidding. Thats why its a big deal! and why her NOT saying "small test" also speaks…
日本語にすると「いや、これは違う。他の人たちも同じ現象を見ており、Googleがルールを変えたように見える。これまで、その場所に表示される唯一の方法はAI Max、PMax、あるいは部分一致とスマート自動入札を通じてだけだった。だからこれは大きな話であり、彼女(Marvin氏)が『小規模なテスト』と言っていないことも物語っている」という内容です。
Marvin氏本人は一貫して「小規模な実験」と説明しており、Higman氏の投稿はこの説明そのものへの異議です。両者の受け止めの違いについて、Google側から追加の説明があったとは報じられていません。
実務への影響と確認しておきたいこと
今回の話が実務に効くのは、対象が通常の純粋な検索キャンペーンだという点です。完全一致・フレーズ一致のキーワードを使った検索キャンペーンでも、AI Mode内でテキスト広告が配信されうるようになったことを意味します。対象は「明示的かつ直接的なユーザー意図」がある場合に限られ、より複雑な会話的意図はAI MaxとPMax for Searchが担うという役割分担も示されています。Search Engine Roundtableの記事は、PPC業界がこの動きに沸いているようだ、とも伝えています。
対象アカウントの範囲や期間、地域についてはGoogle側から明らかにされていません。まずは自社の完全一致・フレーズ一致キャンペーンで、AI Mode経由の表示や成果に変化が出ていないかを確認し、変化があればいつ・どのキャンペーンで起きているかを記録しておくとよいでしょう。あわせて、AI Max・PMax for Searchなどこれまでの経路と、今回の対象になりうる通常の検索キャンペーンとを区別して観察することをお勧めします。
計測にどう向き合うか(編集部の見解)
ここからは、報道内容を踏まえた編集部の判断です。Google自身は公式にこれを「小規模な実験」と説明しており、対象範囲や期間についての言及もありません。一方でHigman氏がこれを大きな話だと見る根拠は、これまでの配信条件との違いにあり、複数のキャンペーンで確認したという一次情報を伴っています。ただしこれは一人の運用者の観測であり、Google側が配信条件を恒久的に変更したと確約したわけではありません。
したがって現時点で取るべき態度は、規模の大小に振り回されず、自社アカウントの実挙動を継続的に観察しつつ、Googleからの公式な追加情報を待つことだと考えます。断定的にAI Mode経由の成果が伸びる、あるいは落ちるといった判断を今すぐ下すのは早計です。
まとめ
・Googleは、通常の純粋な検索キャンペーンを完全一致・フレーズ一致という制限的マッチタイプでAI Mode内に配信する「小規模な実験」を最近始めたと、Ads LiaisonのGinny Marvin氏がSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz氏に説明
・最初に発見したのはLinkedInに投稿した運用者のAnthony Higman氏で、複数のキャンペーンとテストで確認したと述べている
・Marvin氏によれば、対象は「明示的かつ直接的なユーザー意図」がある場合に限られ、より複雑な会話的意図はAI MaxとPMax for Searchが担うと説明されている
・Higman氏はX(2026年9月4日)で、これまでAI Mode内の当該箇所に表示される唯一の方法はAI Max・PMax・部分一致とスマート自動入札だけだったとして、単なる小規模な実験以上の話だと主張している
・Schwartz氏があらためて確認したところ、これはGoogle Adsチームが実施している新しい限定的な実験であることが確認された
よくある質問
Q1: 今回GoogleがAI Mode内で配信を確認したのはどんな広告ですか?
完全一致とフレーズ一致のキーワードを使った、通常の純粋な検索キャンペーンのテキスト広告です。Google広告リエゾンのGinny Marvin氏は、これは最近始まったばかりの小規模な実験だとSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz氏に説明しています。対象は明示的かつ直接的なユーザー意図がある場合に限られるとされています。
Q2: これまではAI Mode内に広告を表示させる方法はなかったのですか?
発見者であるAnthony Higman氏の投稿によれば、これまでAI Mode内の該当箇所に広告を表示させる唯一の方法は、AI Max、PMax、または部分一致とスマート自動入札の組み合わせでした。今回確認されたのは、それ以外に完全一致・フレーズ一致による通常の検索キャンペーンでも配信されうるという動きです。ただしこの点はHigman氏の観測に基づくものであり、Google側が公式に説明した内容ではありません。
Q3: この動きはすべてのアカウントに適用されるのですか?
明示されていません。Google広告リエゾンのGinny Marvin氏は、これを「小規模な実験」であり、Google Adsチームが実施している新しい限定的な実験だとSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz氏に確認していますが、対象アカウントの範囲や期間について具体的な説明は報じられていません。
出典:Google Ads Tests Serving Search Ads With Restrictive Match Types In AI Mode(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年9月4日)https://www.seroundtable.com/google-ads-serving-restrictive-match-types-ai-mode-42024.html