Googleが検索広告のテキスト免責事項にヘルプページを公開
Search Engine Landの報告によれば、Googleは検索広告におけるテキスト免責事項について新しいヘルプセンターのページを公開しました。この機能は、事業に関して求められる規約・条件・開示事項を、検索広告の中に直接表示させるものだと説明されています。原文は、この機能が全世界で利用でき、AI Maxを使うキャンペーンに対応していると伝えています。
Search Engine Landはこのドキュメントを「広告主がGoogle広告のなかでテキスト免責事項のアセットをどう作成・管理するかを説明するもの」だとし、締めくくりでは、AI Maxをはじめとする新しい検索キャンペーンの機能を使いながら法的な開示をどう追加できるかを明確にする「待たれていた(long-awaited)」ガイダンスだと評しています。なお、このドキュメントを最初に取り上げたのはPPCスペシャリストのHannah Gillespie氏だと報じられています。
ヘルプページが示している仕様
Search Engine Landがヘルプページの記載として挙げている項目は、次のとおりです。数値や範囲は原文の記載をそのまま整理しています。
| 項目 | ヘルプページの記載として報じられている内容 |
|---|---|
| 利用できる広告主 | 全世界のすべてのGoogle広告の広告主が利用可能 |
| 追加する場所とタイミング | キャンペーン作成後に「アセット(Assets)」メニューから追加する |
| 1つあたりの文字数 | 最大90文字(up to 90 characters) |
| 対応キャンペーン | AI Maxキャンペーンに対応 |
| アセットが不承認になった場合 | 配信が止まるのではなく、当該広告は免責事項なしで配信され続ける |
| ピン留めとの関係 | 免責事項アセットは、固定(ピン留め)した説明文1(Description Line 1)を上書きする |
| 表示上の注意 | 大きめのフォントサイズが使われる場合や一部の言語では、免責事項のテキストが省略(truncate)される可能性がある |
この一覧のうち運用の手順に直接効くのは「キャンペーン作成後に追加する」という点です。作成を終えてからアセットのメニューに入って付ける流れになると説明されており、新規キャンペーンの立ち上げ手順書には工程が1つ増えます。なお90文字という上限について原文は「1つの免責事項あたり(Each disclaimer)」と書いており、複数を登録できるかどうかは今回の2本の記事では触れられていません。
そもそもテキスト免責事項とは――説明文の枠に必ず表示される
Search Engine Roundtableは、テキスト免責事項を、事業に関して求められる規約・条件・開示事項を既存のデスクトップおよびモバイルのテキスト広告に表示できるようにするものだと説明しています。そして、レスポンシブ検索広告(RSA)においては、説明文(description line)の欄に表示されることが保証される、とされています。
同記事はこの「保証される」という点に踏み込んでいます。事業上、特定のテキストや規約、開示事項を広告内に確実に表示させなければならない――つまり規制対応(regulatory compliance)が必要な場合、この機能はその内容が表示されることを保証する、という説明です。RSAでは免責事項を説明文の1本として登録しても、その説明文が選ばれなければ表示されません。それを避けるためにピン留めで位置を固定するのが従来の運用でしたが、テキスト免責事項は表示そのものを保証する枠として用意されている、という位置づけになります。
ピン留めした説明文1を上書きする、という報告
今回もう1つの論点が、ピン留めとの関係です。Search Engine Landは注意点として、免責事項アセットはピン留めされた説明文1(Description Line 1)を上書きするため、綿密に構成された検索広告の表示のされ方に影響しうると指摘しています。
Search Engine Roundtableは2026年8月4日付で、これに関連する動きを報じました。同記事によれば、Google広告は、テキスト免責事項を掲載位置1にピン留めした説明文より優先して表示させる新しい機能をテストしており、Google広告の管理画面上でテキスト免責事項を追加する場所に「new」というラベルが付いているとされています。この動きはEmirhan Bayutmuş氏がLinkedInに投稿したことで見つかったもので、PPC News Feedへの謝辞が添えられています。
Emirhan Bayutmuş氏の投稿として引用されているのは次の文言です。「Now, your disclaimer text can override description line 1. Why is this important? Because you can control your message better and show critical info first.(これで免責事項のテキストが説明文1を上書きできるようになりました。なぜこれが重要かというと、メッセージをよりコントロールでき、重要な情報を先に見せられるからです)」
なお、2本の記事で表現には差があります。Search Engine Landはヘルプページの記載として「上書きする」という挙動そのものを注意点として書いているのに対し、Search Engine Roundtableは「上書きするよう設定できる(lets you set)」機能をテストしていると書いています。この上書きが広告主側でオン・オフを選べるものなのか、常に適用されるものなのかは、今回の2本の記事からは明示されていません。
背景:規制業種の法定表示と、AI機能の拡大にともなう周辺ツール整備
Search Engine Landは、この機能が注目される理由として広告主側の事情を挙げています。多くの広告主は、法的な開示が必須となる規制業種で事業を行っており、専用の免責事項アセットがあれば、見出しや説明文のスペースを削らずに必須のメッセージを含める、よりすっきりした方法が得られる、という整理です。
もう1つの文脈として原文が挙げているのが、GoogleのAI関連機能との関係です。GoogleがAIを活用したキャンペーン機能を増やすのにともない、広告主がコンプライアンスを保つために必要な補助的ツールも拡張している、と説明されています。そのうえで、AI Maxへの対応が加わったことは、Googleが免責事項アセットを、従来型の検索キャンペーンと新しいAI主導の体験の双方で一貫して機能させようとしている表れだと読めるとしています。
実務への影響
今回の情報で運用が変わりうるポイントを、報じられている範囲で整理します。
- 免責事項を説明文の本文に書き込んでいた広告主は、その文字数を訴求に回せる可能性があります。原文は「見出しや説明文のスペースを犠牲にせずに必須のメッセージを含められる」と説明しています。
- ピン留め運用との衝突が起こりえます。説明文1をピン留めして訴求の順序を固定してきたアカウントでは、免責事項アセットがその枠を上書きするため、意図した並びで表示されなくなる可能性があります。
- 不承認時の挙動が特徴的です。免責事項アセットが不承認になっても配信は止まらず、免責事項なしで続くとされています。安全側の設計に見えますが、法定表示が必須の業種では必須文言が消えたまま配信が続く状態になりうるという読み方もできます。
- 表示の保証と、全文が最後まで表示されることは別です。大きめのフォントサイズや一部の言語では省略される可能性があるとされているためです。加えて90文字という上限があり、長い法定文言をそのまま入れられるとは限りません。
今日からできる確認手順
報じられている仕様の範囲で、手を動かせる順に並べます。
- Google広告の管理画面で「アセット」メニューを開き、テキスト免責事項の項目が自社アカウントに出ているかを確認します。原文の説明では、キャンペーン作成後にこのメニューから追加する形になります。Search Engine Roundtableの報告では、追加する場所に「new」ラベルが付いているとされています。
- 現在配信中のRSAで、説明文1をピン留めしているキャンペーンや広告グループを洗い出します。上書きの影響を受けるのはこの部分で、固定していた文言が免責事項に置き換わっても訴求が成り立つかを確認します。
- 載せたい文言が90文字に収まるかを確認します。どこを削るかは広告部門だけで決められないことが多いため、法務や監修部門と先に握っておくのが現実的です。
- 不承認時の扱いを社内で共有します。アセットの審査ステータスを定期的に見る運用がないと、必須文言が抜けたまま配信が続く状態に気づけません。確認する担当と頻度を決めておく価値があります。
- 表示の実機確認を行います。省略の条件として挙げられているのはフォントサイズと言語ですので、モバイルとデスクトップの双方でどこまで表示されるかを見ておきます。AI Maxを使っているキャンペーンも対応先として挙げられているため、あわせて確認します。
今回の報道で明示されていないこと
誤解を避けるため、2本の記事が触れていない点も明記しておきます。機能の提供開始日やヘルプページの公開日そのものは明示されていません。対象業種の限定についても記載はなく、伝えられているのは「全世界のすべてのGoogle広告の広告主が利用できる」という範囲までです。日本のアカウントでの提供状況や日本語での挙動にも、2本の記事は個別には触れていません。一部の言語で省略が起こりうるという記述はありますが、どの言語が該当するかは示されていません。
AI Max以外のキャンペーンタイプでどこまで使えるかも同様です。挙げられているのは、既存のデスクトップおよびモバイルのテキスト広告に表示できること、RSAでは説明文の欄に表示が保証されること、AI Maxキャンペーンに対応していることまでです。ピン留めの上書きを広告主側で無効にできるかどうかも、前述のとおり明示されていません。
所感
ここからは記事本文にはない、運営者の見解です。今回の更新でもっとも実務的な意味があるのは、免責事項が「表示されるかもしれない説明文の1本」から「表示が保証される別枠」に移ったことが、公式ドキュメントとして書かれた点だと考えます。規制業種の広告主が説明文を1本まるごと法定文言に割いてきた運用は、訴求の面では明確な損失でした。その枠を訴求に戻せるなら、広告文の設計は組み直す価値があります。
一方で注意して読むべきなのは不承認時の挙動です。配信が止まらない設計は売上を守る意味では合理的ですが、法定表示が求められる場面では逆向きのリスクになりえます。免責事項が消えた状態で配信が続くことに気づかないまま日数が経つ、という失敗の形が想像できるからです。ここは記事が踏み込んでいない部分ですので、自社の体制に合わせた設計をおすすめします。
ピン留めの上書きについては、既存アカウントほど影響が出ます。説明文1のピン留めは、ブランド名や必須の但し書きを先頭に出すために使われてきた運用です。ピン留めしていた内容の行き先を決めないまま導入すると意図した並びが崩れるため、導入前に該当する広告グループを一覧にしておくのが最初の作業です。なおSearch Engine Roundtableは「テストしている」という書き方をしており、ヘルプページとして公式に書かれた部分と管理画面で確認された表示とでは確度の性質が異なります。両者を切り分けたうえで、まずは自社アカウントに出ているかを見るところから始めるのが妥当だと見ています。
まとめ
・Search Engine Landが2026年8月3日付で、Googleが検索広告のテキスト免責事項について新しいヘルプページを公開したと報じた。最初に取り上げたのはPPCスペシャリストのHannah Gillespie氏だとされている
・ヘルプページの記載として伝えられているのは、全世界のすべてのGoogle広告の広告主が利用できること、キャンペーン作成後に「アセット」メニューから追加すること、1つあたり最大90文字であること、AI Maxキャンペーンに対応していることの4点
・免責事項アセットが不承認になっても配信は止まらず、免責事項なしで広告の配信が続くとされている
・免責事項アセットは固定(ピン留め)した説明文1(Description Line 1)を上書きするため、綿密に構成した検索広告の表示に影響しうると指摘されている。Search Engine Roundtableは8月4日付で、この上書きが「new」ラベル付きの機能としてテストされていると報じた(発見はEmirhan Bayutmuş氏のLinkedIn投稿)
・大きめのフォントサイズや一部の言語では免責事項のテキストが省略される可能性があるとされる。提供開始日、対象業種の限定、日本での提供状況は2本の記事とも明示していない
よくある質問
Q1: テキスト免責事項は日本の広告アカウントでも使えますか?
Search Engine Landは、ヘルプページの記載として、テキスト免責事項は全世界のすべてのGoogle広告の広告主が利用できると伝えています。ただし日本のアカウントでの提供状況や日本語での挙動について、今回の2本の記事は個別には触れていません。関連して、大きめのフォントサイズが使われる場合や一部の言語では免責事項のテキストが省略される可能性があるとヘルプページに書かれているとされていますが、どの言語が該当するかは示されていません。まずは自社の管理画面で「アセット」メニューに項目が出ているかを確認するのが確実です。
Q2: 免責事項アセットが不承認になったら広告の配信は止まりますか?
Search Engine Landは、免責事項アセットが不承認になった場合、配信が止まるのではなく、関連する広告は免責事項なしで配信され続けるとGoogleが述べていると報じています。配信自体は継続するという意味では安全側の設計ですが、法定の開示が必須となる業種では、必須文言が表示されないまま配信が続く状態になりうるという読み方もできます。アセットの審査ステータスを誰がどの頻度で確認するかを決めておくことをおすすめします。
Q3: ピン留めしている説明文1はどうなりますか?
Search Engine Landは、免責事項アセットが固定(ピン留め)した説明文1(Description Line 1)を上書きするため、綿密に構成された検索広告の表示のされ方に影響しうると指摘しています。Search Engine Roundtableは2026年8月4日付で、テキスト免責事項を掲載位置1にピン留めした説明文より優先させる機能がテストされており、管理画面上で「new」と表示されていると報じました。ただし、この上書きを広告主側でオン・オフできるのかどうかは、2本の記事からは明示されていません。
出典:Google publishes guidance for text disclaimers in Search ads(Search Engine Land、2026年8月3日)https://searchengineland.com/google-publishes-guidance-for-text-disclaimers-in-search-ads-484172/Google Ads Text Disclaimer Override Pinned Descriptions Position One(Search Engine Roundtable、2026年8月4日)https://www.seroundtable.com/google-ads-text-disclaimer-override-41803.html