Googleコアアップデートとは? — 仕組みと目的を理解する
Googleコアアップデート(Google Core Update)とは、Googleが検索アルゴリズムの中核部分を大規模に更新するプロセスを指します。通常、年に数回実施され、検索結果の品質を向上させることを目的としています。
コアアップデートは、特定のサイトやページをターゲットにしたものではありません。Googleは公式に「コアアップデートはコンテンツの関連性と品質をより適切に評価するための変更」と説明しています。つまり、検索クエリに対してより有益で信頼性の高いコンテンツを上位に表示するための調整です。
コアアップデートと通常のアルゴリズム変更の違い
Googleは日常的に検索アルゴリズムの微調整を行っており、年間で数千回もの変更が実施されています。しかし、コアアップデートはそれらとは規模も影響範囲も大きく異なります。通常の変更が特定のシグナルやランキング要因の微調整であるのに対し、コアアップデートはアルゴリズム全体の評価基準を見直す大規模な変更です。
コアアップデートが実施されると、GoogleはGoogle Search Status Dashboardで公式にアナウンスを行います。展開には通常1〜2週間程度かかり、完全にロールアウトが完了するまでは順位の変動が継続します。
コアアップデートとスパムアップデートの違い
近年は、コアアップデートと同時期に「スパムアップデート」も実施されるため、両者の違いを押さえておくことが原因の切り分けに役立ちます。コアアップデートがサイト全体の総合的な品質・関連性を広く再評価するのに対し、スパムアップデートはGoogleのスパムポリシーに違反する(または違反に近い)コンテンツの評価見直しに主眼があります。目的が異なるため、順位が下がったときに取るべき対応も変わります。実例として、2026年6月に実施されたスパムアップデートの詳細は「June 2026 spam updateの実施内容」で解説しています。
なぜコアアップデートが必要なのか
インターネット上のコンテンツは日々増加し、その形態も多様化しています。とくに近年はAIによるコンテンツ生成が急速に普及し、検索エンジンが品質を見極める難易度は格段に上がっています。こうした環境変化に対応し、ユーザーにとって本当に価値のある情報を届け続けるために、Googleはコアアップデートを通じて評価基準を進化させ続けているのです。
また、コアアップデートには、以前は過小評価されていた高品質コンテンツを正当に評価し直す側面もあります。Google自身が「コアアップデート後に順位が下がったページには必ずしも問題があるわけではない」と繰り返し述べているのは、このためです。評価基準の変更により、相対的な順位の再配分が行われるという理解が重要です。
2025〜2026年の主なアップデートと最新動向
ここでは、2025年から2026年にかけての主要なアップデートを、影響の方向性を読み取るための最小限の一覧として整理します。各アップデートの背景や詳細な時系列は前述の「Googleアルゴリズムアップデートの歴史と最新情報」に譲り、本記事では「評価基準がどこへ向かっているか」に焦点を当てます。
| アップデート名 | 開始日 | 完了日 | 主な特徴・影響 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月コアアップデート | 2025年3月13日 | 2025年3月27日 | 悪用された評判(Reputation Abuse)ポリシーの適用開始。寄生サイト・第三者コンテンツへの大幅な影響。E-E-A-Tの評価強化。 |
| 2025年6月コアアップデート | 2025年6月5日 | 2025年6月20日 | AI生成コンテンツの品質評価基準を更新。独自性・専門性の低いAIコンテンツの順位下落が顕著に。 |
| 2025年8月コアアップデート | 2025年8月19日 | 2025年9月3日 | ヘルプフルコンテンツ評価の統合強化。YMYL領域での信頼性シグナルの重み増加。 |
| 2025年12月コアアップデート | 2025年12月12日 | 2025年12月30日 | 年末の大規模アップデート。体験談・一次情報の評価向上、薄いアフィリエイトコンテンツへの影響大。 |
| 2026年2月 Discover専用コアアップデート | 2026年2月6日 | 2026年2月18日 | Google史上初のDiscover専用コアアップデート。Discoverフィードの品質基準を独自に更新。 |
| 2026年3月コアアップデート | 2026年3月5日 | 2026年3月(展開完了) | E-E-A-Tとユーザーエンゲージメントの複合評価を強化。AI生成コンテンツの品質判定アルゴリズムを刷新。 |
| 2026年5月コアアップデート | 2026年5月21日 | 2026年6月2日 | 直近で確認されている通常のコアアップデート。全体的な品質評価の定期的な見直し(約12日間で展開完了)。 |
| 2026年6月スパムアップデート | 2026年6月24日 | 2026年6月26日 | コアアップデートではなくスパムポリシー違反の評価見直し。グローバル・全言語対象、約2日で完了。 |
この一覧から読み取れる大きなトレンドは3つあります。第一に、コアアップデートに加えてスパムアップデートやサーフェス別アップデートが重なり、順位変動の要因が複線化していること。第二に、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価がますます精緻化していること。第三に、AI生成コンテンツへの対応がアップデートの重要なテーマであり続けていることです。
とくに注目すべきは、2026年2月に実施された史上初のDiscover専用コアアップデートです。これまでコアアップデートはWeb検索全体に適用されるものでしたが、Googleは特定のサーフェス(表示面)ごとに異なる品質基準を設けるようになりました。今後、Google画像検索やGoogleニュースなど他のサーフェスにも同様の考え方が広がる可能性があり、SEO戦略を多角的に考える必要性が高まっています。
未確認の順位変動にどう向き合うか
公式にアナウンスされるアップデートとは別に、SEO業界では「未確認の順位変動」も頻繁に話題になります。実際、2026年7月中旬にも、複数の順位計測ツールとSNS上のチャッター(体感報告)をもとに大きな変動が観測されましたが、Googleからの公式発表はありませんでした。詳細は「2026年7月の検索順位変動レポート」にまとめています。
ここで重要なのは、「順位計測ツールの変動スコアが上がったこと」「自社サイトの順位が実際に動いたこと」「Googleがアルゴリズムを恒久的に変更したこと」は、それぞれ別の話だという点です。第三者ツールのボラティリティスコアだけを見て一喜一憂せず、まずは自社データ(後述のGSC分析)で実際の影響を確認する姿勢が欠かせません。
コアアップデートで影響を受けるサイトの傾向
対策を考える前に、コアアップデートがどんなサイトを評価し、どんなサイトを評価し直すのかという傾向を押さえておきましょう。ここでは、体験談・一次情報の評価が大きく問われた2025年12月コアアップデートを具体例に、上昇・下落それぞれの共通点を整理します。
順位が上昇するサイトの共通点
コアアップデート後に順位が上昇したサイトを分析すると、いくつかの明確な共通点が浮かび上がります。
まず、一次情報の充実です。調査データ、独自の分析、実体験に基づくコンテンツを多く持つサイトは、アップデート後に評価が向上する傾向があります。「どこかで読んだ情報をまとめ直しただけ」ではない、オリジナルの情報価値を持つコンテンツがGoogleに高く評価されます。
次に、著者情報の明確化です。記事の執筆者が誰で、どのような専門性を持っているかを明示し、著者ページや外部プロフィールへのリンクを設置しているサイトでは、順位の改善が見られます。とくにYMYL(健康・医療、金融、法律など)の領域では、専門資格や実務経験の明示が重要なシグナルとなります。
さらに、ユーザーエンゲージメント指標の良好さも共通点です。直帰率の低さ、ページ滞在時間、関連ページへの回遊率など、ユーザーが実際にコンテンツを有用だと感じている状態を示すサイトが恩恵を受けています。
順位が下落するサイトの共通点
一方、順位が下落したサイトにも共通するパターンがあります。
もっとも顕著なのは、独自性のないAI生成コンテンツの大量公開です。AIツールで生成したコンテンツを、十分な編集や検証を行わずに量産していたサイトは、大幅な順位低下を経験しています。GoogleはAI生成コンテンツ自体を禁止してはいませんが、人間の専門知識や経験による付加価値がないコンテンツは評価されにくくなっています。実際、Googleは「クロール済み-現在インデックス未登録」といったステータスが、独自性の乏しいコンテンツに対する品質問題のサインになり得ると説明しています(詳細は「クロール済み-未インデックスと品質・AIコンテンツの関係」)。
また、悪用された評判(Reputation Abuse)に該当するコンテンツを持つサイトも大きな影響を受けます。著名なドメイン上で第三者が運営するサブディレクトリ型の寄生コンテンツや、サイト本来のテーマとは無関係なアフィリエイトコンテンツが軒並み順位を落としました。
リンクプロファイルの不自然さも要因として指摘されています。大量の低品質な被リンクや、明らかに人工的なリンク構築パターンを持つサイトでは、アップデートと連動して順位の下落が見られます。Googleのスパムポリシーに抵触する手法は、もはやリスク以外の何物でもありません。
コアアップデートで順位が下がったときの対処法5ステップ
コアアップデートによって検索順位が下落した場合、パニックに陥って拙速な対応をとることは逆効果です。以下の5つのステップに沿って、冷静に対処しましょう。
Step 1. 慌てず2〜4週間待つ
コアアップデートの展開中は、検索順位が一時的に大きく変動することがあります。展開が完了する前に慌てて対策を講じると、問題の正確な把握ができず、不要な変更を加えてしまうリスクがあります。
Googleも公式ドキュメントで、コアアップデートの展開が完了するまで待つことを推奨しています。展開完了後も1〜2週間は順位が安定するまで時間がかかることがあるため、合計で2〜4週間は経過観察を行いましょう。前述のとおり、公式発表のない「未確認の変動」の場合は、そもそも恒久的な変更でない可能性もあるため、なおさら静観が賢明です。
この待機期間中にすべきことは、データの記録です。順位変動があった日時、影響を受けたページのURL、変動前後の順位やトラフィックの数値を正確に記録しておきましょう。後の分析で非常に重要な情報になります。
Step 2. 影響範囲を特定する(GSCデータ分析)
アップデートの展開が完了し、順位が安定した段階で、Google Search Console(GSC)を使って影響範囲を詳細に分析します。GSCの基本的な使い方は「サーチコンソールの使い方完全ガイド」で解説しています。
まず、「検索パフォーマンス」レポートでアップデート前後の期間を比較し、クリック数・表示回数・平均掲載順位の変動をページ単位で確認します。すべてのページが一律に影響を受けているのか、特定のページやディレクトリに影響が集中しているのかを見極めることが重要です。
次に、影響を受けたページの検索クエリを分析します。特定のキーワードカテゴリで順位が下がっているのか、広範囲に影響があるのかによって、対策の方針が変わります。たとえば、YMYL関連のキーワードだけが下がっている場合は、E-E-A-Tの観点での改善が最優先になります。
また、モバイルとデスクトップでの影響の違いも確認しましょう。モバイルのみで順位が低下している場合は、コアウェブバイタルやモバイルユーザビリティの問題が関係している可能性があります。
Step 3. E-E-A-Tの観点で自己監査する
影響範囲を特定したら、E-E-A-T(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)の観点からサイトとコンテンツを自己監査します。
Googleが公式に公開している「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」のガイドラインに記載されている自己評価の質問を、影響を受けたページに対して一つひとつ確認していきましょう。
具体的にチェックすべきポイントは、次のとおりです。コンテンツは実際の経験や専門知識に基づいているか。情報の出典や根拠が明示されているか。著者情報は適切に公開されているか。サイト全体として、そのテーマの権威ある情報源として認識されているか。連絡先情報やプライバシーポリシーなど、信頼性を示す要素が揃っているか。
E-E-A-Tの監査は主観的な判断が含まれるため、可能であれば社外の第三者(SEOコンサルタントや対象分野の専門家)にも意見を求めることをおすすめします。Googleも、独自性の評価は「自分のサイトに直接関わっていない他者の目線で見ると改善余地が見える」と述べており、客観的な視点が有効です。
Step 4. 低品質コンテンツを改善・統合・削除する
自己監査の結果を踏まえ、低品質と判断されるコンテンツに対して「改善」「統合」「削除」のいずれかの対応を行います。
改善の対象となるのは、テーマの価値は高いが情報が古い、内容が不十分、独自性が低いといったコンテンツです。最新情報への更新、一次情報の追加、専門家の監修を加えるなどの方法で品質を引き上げます。改善の進め方は「コンテンツSEO」や「SEOライティングの基本テクニック」も参考にしてください。
統合の対象となるのは、類似したテーマで複数の記事が存在し、それぞれが薄い内容にとどまっているケースです。これらを一つの包括的なコンテンツにまとめることで、情報の深さと充実度を向上させられます。統合時には、不要になったURLから新URLへのリダイレクト設定を忘れずに行いましょう。
削除の対象となるのは、改善や統合の価値もない、本当に品質の低いコンテンツです。サイトのテーマと関連性が薄い、他サイトの情報の単なるコピー、トラフィックもエンゲージメントもほぼゼロといったページが該当します。削除時にはnoindexを設定するか、410ステータスコードを返すことで、Googleに削除を明確に伝えます。
統合・削除でURLを変更・除去する際の設定例は次のとおりです(Apacheの.htaccessの場合)。
# 統合で不要になった旧URLを、まとめ先の新URLへ恒久的に転送(301)
Redirect 301 /old-thin-article/ https://example.com/merged-article/
# 改善も統合もしない低品質ページは、410で「恒久的に削除」を明確に伝える
Redirect 410 /low-quality-page/
301リダイレクトは評価を引き継ぎつつURLを移すための基本手段です。当サイトでも2026年7月にNext.js(SSG)からWordPressへ全面移行した際、旧URLから新URLへ301で評価を引き継ぎ、インデックス面のトラブルは生じませんでした。移行時の実装や計測の詳細は「SEOに強いコーディング」で公開しています。
Step 5. 改善後は次のアップデートまで待つ
コンテンツの改善を行った後は、基本的に次のコアアップデートが実施されるまで待つことになります。コアアップデートで評価が下がったサイトが回復するのは、多くの場合、次のコアアップデートのタイミングです。
ただし、これは「何もしなくてよい」という意味ではありません。待機期間中も、定期的な高品質コンテンツの公開、既存コンテンツの最新情報への更新、ユーザーフィードバックの収集と反映、技術的なSEO課題の改善(コアウェブバイタルの最適化など)を継続しましょう。
重要なのは、「アップデートのたびに順位を気にする」のではなく、「常にユーザーファーストのサイト運営を行う」というマインドセットを持つことです。Googleのアルゴリズムは進化を続けますが、その方向性は一貫して「ユーザーにとって最も有益なコンテンツを上位に表示する」というものです。この方向性に沿った運営を続けていれば、アップデートのたびに恩恵を受ける側に回ることができます。
コアアップデートに強いサイトの7つの特徴
過去のコアアップデートを振り返ると、影響を受けにくい、あるいはアップデートのたびに評価が向上するサイトには共通の特徴があります。以下のテーブルに7つの特徴をまとめました。
| 特徴 | 具体的な内容 | 実践のポイント |
|---|---|---|
| 1. 一次情報の豊富さ | 独自の調査データ、実験結果、取材記事、体験レポートなど、他では手に入らない情報を提供している | 自社データの公開、ユーザーアンケートの実施、専門家インタビューの掲載などを定期的に行う |
| 2. 明確な著者情報 | 誰が書いたのか、その人にどんな専門性があるのかが明示されている | 著者プロフィールページの作成、資格・経歴の記載、外部メディアでの活動実績の紹介 |
| 3. テーマの専門特化 | 雑多なテーマを広く浅くカバーするのではなく、特定の分野で深い知見を提供している | コアトピックを明確にし、トピッククラスターモデルでコンテンツを体系的に構築する |
| 4. 定期的な更新 | 情報が最新の状態に保たれており、古い情報が放置されていない | コンテンツカレンダーの運用、更新日の明示、古い記事の定期レビュー体制の構築 |
| 5. 優れたUX・表示速度 | ページの読み込みが速く、デザインが見やすく、情報へのアクセスが容易 | コアウェブバイタル(LCP・INP・CLS)の最適化、レスポンシブデザインの徹底、広告の適切な配置 |
| 6. 強固な内部リンク構造 | 関連コンテンツ同士が適切にリンクされ、サイト全体の情報構造が整理されている | パンくずリストの設置、関連記事のリンク、サイロ構造の構築 |
| 7. 自然な被リンクプロファイル | 質の高いコンテンツが自然に他サイトから参照されている | 引用されやすいオリジナルデータの公開、業界レポートの作成、専門家としてのメディア露出 |
これら7つの特徴は、いずれも短期間で完成させることは困難です。しかし一つひとつを着実に積み上げることで、コアアップデートに左右されない強固なサイト基盤を構築できます。重要なのは、これらが「SEOのためのテクニック」ではなく、「ユーザーに価値を提供するための本質的な取り組み」である点です。
5番目の「表示速度」について補足すると、応答性の指標は2024年3月にFIDからINP(Interaction to Next Paint)へ正式に置き換わり、200ミリ秒以内が良好とされています。速度は体感品質に直結する要素です。当サイトの実測(2026年7月計測)では、クリティカルCSSのインライン化などにより旧構成でLCPを3.2秒→1.8秒へ改善し、TTFBは平均0.19秒でした。こうした技術面の実装は「SEOに強いコーディング」で具体的なコード例とともに解説しています。また6番目の内部リンク設計は「SEO内部リンク戦略」が参考になります。
とくに2026年現在、AI生成コンテンツの増加によって「情報の独自性」と「人間の専門性」の価値がかつてないほど高まっています。AIには書けない、実体験や専門知識に裏打ちされたコンテンツこそが、今後のSEOで最大の競争優位性となります。
E-E-A-T強化の具体策 — アップデート耐性を高める
E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)は、Googleの品質評価ガイドラインの中核を成す概念です。コアアップデートのたびにE-E-A-Tの評価基準は精緻化されており、2026年においてはその重要性がこれまで以上に増しています。ここでは各要素を強化するための具体策を解説します。
Experience(経験)の強化策
2022年12月にE-A-Tに「Experience」が追加されて以降、実際の経験に基づくコンテンツの評価は年々高まっています。2025年12月のコアアップデートでも、体験談や一次情報を持つコンテンツの評価が向上したことが確認されました。
経験を示すための具体的な方法として、以下が効果的です。商品レビュー記事では実際に購入・使用した証拠(写真・動画)を掲載する。サービス紹介では導入事例や顧客の声を具体的に紹介する。技術記事では実際のプロジェクトでの適用結果を共有する。旅行やグルメ記事では現地で撮影したオリジナル写真を活用する。
AIが普及した現在、「実際に体験した人にしか書けない情報」はコンテンツの差別化要因としてますます重要です。Googleも、経験に基づくコンテンツとAIが生成した汎用的な情報を区別する能力を向上させています。
Expertise(専門性)の強化策
専門性の示し方は、コンテンツの分野によって異なります。YMYL領域では、専門資格や学術的な裏付けが重視されます。医療系コンテンツであれば医師の監修、法律系であれば弁護士の監修を明示することが不可欠です。
非YMYL領域であっても、その分野での深い知識と経験を示すことが重要です。専門用語を正確に使用する(ただし初心者にも分かりやすく解説する)。業界の最新動向に常にキャッチアップし、タイムリーな情報発信を行う。関連する学会、カンファレンス、コミュニティでの活動を紹介する。書籍、論文、メディア掲載などの実績を公開する。
あわせて、構造化データ(Schema.org)で著者の専門性をGoogleが理解しやすい形で記述することも有効です。記事の著者をPersonとして明示する最小構成の例を示します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Person",
"name": "山田 太郎",
"jobTitle": "SEOコンサルタント",
"description": "SEO歴10年。上場企業のオウンドメディア運用を担当。",
"knowsAbout": ["SEO", "コンテンツマーケティング", "テクニカルSEO"],
"sameAs": [
"https://twitter.com/example",
"https://www.linkedin.com/in/example"
]
}
</script>
このマークアップを記事や著者ページに実装することで、著者の専門領域(knowsAbout)や外部プロフィール(sameAs)をアルゴリズムが認識しやすくなります。実装の詳細や他の型については「構造化データマークアップ完全ガイド」を参照してください。
Authoritativeness(権威性)の強化策
権威性とは、その分野における「この情報源は信頼できる」という認知度・評判を指します。権威性は一朝一夕に構築できるものではありませんが、以下の施策を継続することで着実に高められます。
まず、業界内での露出を増やすことです。他メディアへの寄稿、ポッドキャスト出演、カンファレンスでの登壇、SNSでの情報発信など、自サイト以外の場所でも専門家として認知される活動を行いましょう。
次に、他の権威あるサイトからの被リンクを自然に獲得することです。オリジナルの調査データや業界レポートを公開し、他サイトが引用したくなるコンテンツを作成します。人工的なリンク構築は避け、コンテンツの質で自然にリンクを獲得する方針が重要です。良質な被リンクの考え方は「被リンクとは?SEO効果と自然に増やす方法」で詳しく解説しています。
さらに、ブランドメンション(他サイトでの言及)も権威性のシグナルとなります。プレスリリースの配信やSNSでの活発な情報発信を通じて、ブランドの認知度を高めましょう。
Trustworthiness(信頼性)の強化策
信頼性はE-E-A-Tの中で最も重要な要素とされています。Googleの品質評価ガイドラインでも、信頼性が他の3要素の土台であると明記されています。
信頼性を高めるための具体策は多岐にわたります。サイトの透明性を確保するために、運営者情報(会社概要・代表者名・住所)を明確に掲載する。プライバシーポリシーや利用規約を整備する。問い合わせ先を分かりやすい場所に設置する。SSL(HTTPS)を導入する。
コンテンツの信頼性を高めるために、情報の出典を明記し、可能な限り一次ソースへのリンクを設置する。誤った情報を発見した場合は速やかに訂正し、訂正履歴を明示する。ステルスマーケティングを排除し、広告やアフィリエイトの関係性を適切に開示する。
ユーザーからの信頼を獲得するために、レビューや口コミの管理を適切に行い、ネガティブな意見にも誠実に対応する。セキュリティ対策を万全にし、ユーザーの個人情報を適切に保護する。
AI生成コンテンツとコアアップデートの関係
2025年から2026年にかけて、AI生成コンテンツとGoogleのアルゴリズムの関係は大きく変化しました。この変化を正しく理解することは、今後のSEO戦略を立てる上で不可欠です。
Googleの公式スタンス
Googleは「AI生成コンテンツを一律に禁止してはいない」という公式スタンスを維持しています。重要なのはコンテンツの作成方法ではなく、コンテンツの品質であるという立場です。しかし実態として、2025年6月のコアアップデート以降、品質の低いAI生成コンテンツへの対応は明らかに厳格化しています。
とくに問題視されているのは、以下のようなパターンです。AIを使って大量の記事を短期間に生成し、人間によるレビューや編集を行わずに公開するケース。既存のコンテンツをAIでリライトしただけの、独自の付加価値がないコンテンツ。事実確認を行わず、AIの「ハルシネーション」(事実誤認の生成)がそのまま公開されているケース。
GoogleのJohn Mueller氏は、AI生成そのものが問題なのではなく、「誰でも書けるような、新しさも独自性もない内容」であることが品質・インデックスの問題につながると説明しています。実際、サイトの品質に強い懸念があるとGoogleはクロールもインデックスも減らす挙動をとり、その結果が「クロール済み-未インデックス」として現れることがあります(参考:「クロール済み-未インデックスと品質・AIコンテンツの関係」)。
AIコンテンツの正しい活用法
AI生成コンテンツが必ずしも順位低下につながるわけではありません。AIを「ツール」として活用しつつ、人間の専門知識・経験・判断力を加えることで、高品質なコンテンツを効率的に作成することは可能です。
効果的な活用法としては、AIによる初稿作成の後に、専門家が正確性を検証し、独自の知見を追加する方法があります。また、AIをリサーチツールとして使い、網羅すべきトピックの洗い出しに活用した上で、執筆自体は人間が行う方法も有効です。
避けるべきなのは、AIに完全に依存し、人間の関与を最小限に留めるアプローチです。「AIで生成し、表面的に手を加えただけ」のコンテンツは、独自性や一次情報を欠くため評価を下げやすくなります。AI検索時代のコンテンツ最適化やLLMO(大規模言語モデル最適化)について詳しくは「LLMOとは?意味・SEO/AIOとの違い・対策」もご参照ください。
悪用された評判ポリシーの影響と対策
2025年3月に導入された「悪用された評判(Reputation Abuse)」ポリシーは、その後のコアアップデートを通じて適用範囲が拡大し、2026年現在も多くのサイトに影響を与えています。
悪用された評判ポリシーとは
悪用された評判ポリシーとは、ドメインの信頼性や評判を利用して、第三者が低品質なコンテンツを上位表示させようとする行為を抑制するためのポリシーです。典型的な例として、大手メディアのサブディレクトリで運営されるアフィリエイトサイトや、大学のドメイン上に設置された無関係な商業コンテンツなどが挙げられます。
このポリシーの導入以降、以下のようなコンテンツが大幅に順位を下げています。著名なニュースサイトのサブディレクトリで運営されるクーポン・割引サイト。大手企業のドメイン内に設置された、企業の本業とは無関係な比較・ランキングサイト。教育機関のドメインを利用した商業的なコンテンツ。
サイト運営者が取るべき対策
自サイトがこのポリシーに抵触していないか確認するために、以下のチェックを行いましょう。サイト内のすべてのコンテンツが、サイトの主要テーマと関連性があるか。第三者が作成・管理しているコンテンツがサイト内に存在しないか。提携や寄稿によるコンテンツがある場合、その品質管理を自社で行っているか。
もし該当するコンテンツが見つかった場合は、そのコンテンツの削除またはnoindex設定を行い、今後は同様のコンテンツの掲載を控える方針を徹底することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. コアアップデートはどのくらいの頻度で実施されますか?
年に3〜5回程度が一般的です。ただし2025年から2026年にかけては、コアアップデートに加えてスパムアップデートやDiscover専用アップデートなど、順位に影響するイベントが増えています。実際に2026年は、5月にコアアップデート、6月にスパムアップデートが実施されました。通常のコアアップデートに加えて、サーフェス別やスパム対策のアップデートも計算に入れておく必要があります。
Q. コアアップデートの展開にはどのくらいの時間がかかりますか?
通常1〜3週間程度です。2025年12月のコアアップデートは約18日間、2026年2月のDiscover専用アップデートは約12日間で完了しています。一方、スパムアップデートは短期間で完了する傾向があり、2026年6月のスパムアップデートは約2日で展開が終わりました。展開期間中は順位が日々変動する可能性があるため、完了が公式にアナウンスされるまで待ってから影響を分析することをおすすめします。
Q. スパムアップデートとコアアップデートは何が違いますか?
スパムアップデートは、Googleのスパムポリシーに違反するコンテンツの評価を見直すことに主眼があります。一方コアアップデートは、サイト全体の総合的な品質や関連性を広く再評価するものです。目的が異なるため、順位が動いた際の原因の切り分けと対応方針も変わります。詳しくは「June 2026 spam updateの解説」をご覧ください。
Q. コアアップデートで順位が下がった場合、すぐに対策すべきですか?
いいえ。まずはアップデートの展開完了を待ち、さらに1〜2週間の安定期間を経てから対策を始めることを推奨します。展開中に拙速な対応をとると、問題の正確な把握ができず、かえって状況を悪化させる可能性があります。展開完了後に落ち着いてデータを分析し、本記事の5ステップに沿って対処しましょう。
Q. コアアップデートからの回復にはどのくらいの時間がかかりますか?
多くの場合、次のコアアップデートが実施されるタイミングで回復する可能性があります。ただし、適切な改善を行わない限り、自動的に回復することはありません。サイトの品質を向上させたうえで、次のアップデートで再評価されるのを待つ形になります。早ければ2〜3ヶ月、遅い場合は半年以上かかることもあります。
Q. AI生成コンテンツはコアアップデートで不利になりますか?
AI生成コンテンツそのものがペナルティの対象になるわけではありません。しかし、人間の専門知識による検証や独自の付加価値がないAI生成コンテンツは、コアアップデートで評価が下がるリスクが高くなっています。AIはあくまでツールとして活用し、最終的なコンテンツ品質は人間が責任を持つ体制を構築することが重要です。
Q. 特定のSEO対策をすれば、コアアップデートの影響を完全に回避できますか?
残念ながら、コアアップデートの影響を100%回避する方法はありません。コアアップデートはアルゴリズム全体の評価基準の見直しであり、特定のテクニックで対処できるものではないからです。ただし、ユーザーファーストの姿勢で高品質なコンテンツを提供し続け、E-E-A-Tを着実に高めることで、影響を最小限に抑えることは可能です。
Q. 小規模サイトは大規模サイトに比べて不利ですか?
必ずしもそうではありません。Googleはサイトの規模ではなく、コンテンツの品質と関連性を評価します。実際に、特定のニッチに特化した小規模サイトが、汎用的な大規模サイトよりも高い順位を獲得している例は数多くあります。小規模サイトの場合、特定の分野での専門性と信頼性を徹底的に高めることが、コアアップデートに強いサイトを作るための最善の戦略です。
コアアップデート対策チェックリスト
最後に、コアアップデートに備えるための実践的なチェックリストをテーブルにまとめます。定期的にこのチェックリストを活用し、サイトの品質維持・向上に役立ててください。
| カテゴリ | チェック項目 | 優先度 | 確認頻度 |
|---|---|---|---|
| コンテンツ品質 | 記事の情報は最新の状態に更新されているか | 高 | 月次 |
| コンテンツ品質 | 独自の一次情報(調査データ、体験談)が含まれているか | 高 | 記事作成時 |
| コンテンツ品質 | 情報の出典や根拠が明示されているか | 高 | 記事作成時 |
| コンテンツ品質 | AI生成コンテンツに人間の専門知識が付加されているか | 高 | 記事作成時 |
| E-E-A-T | 著者情報が適切に公開されているか | 高 | 四半期 |
| E-E-A-T | 著者の専門性・資格・経歴が記載されているか | 高 | 四半期 |
| E-E-A-T | 運営者情報(会社概要・住所・連絡先)が掲載されているか | 高 | 四半期 |
| E-E-A-T | プライバシーポリシー・利用規約が整備されているか | 中 | 年次 |
| 技術面 | コアウェブバイタル(LCP・INP・CLS)が良好か | 中 | 月次 |
| 技術面 | モバイルでの表示・操作性に問題がないか | 中 | 月次 |
| 技術面 | 構造化データが正しく実装されているか | 中 | 四半期 |
| 技術面 | HTTPS(SSL)が適切に設定されているか | 高 | 年次 |
| リンク | 不自然な被リンクが存在しないか | 中 | 四半期 |
| リンク | 内部リンクが適切に構築されているか | 中 | 月次 |
| リンク | リンク切れ(404エラー)が放置されていないか | 低 | 月次 |
| コンプライアンス | 悪用された評判ポリシーに抵触するコンテンツがないか | 高 | 四半期 |
| コンプライアンス | 広告・アフィリエイトの関係性が適切に開示されているか | 中 | 四半期 |
| モニタリング | GSCで検索パフォーマンスを定期的に確認しているか | 高 | 週次 |
| モニタリング | Google Search Status Dashboardを定期的に確認しているか | 中 | 週次 |
| モニタリング | 競合サイトの順位変動をウォッチしているか | 低 | 月次 |
まとめ
Googleコアアップデートは、検索エンジンがユーザーにとってより有益なコンテンツを上位に表示するための継続的な取り組みです。2025年後半から2026年にかけては、E-E-A-Tの評価強化、AI生成コンテンツへの厳格な対応、Discover専用アップデートやスパムアップデートといった変動要因の複線化が進みました。
本記事の要点を振り返ります。
- コアアップデートは年に数回の大規模なアルゴリズム更新で、特定のサイトをターゲットにしたものではない。スパムアップデートとは目的が異なり、原因の切り分けが重要
- 直近で確認されている通常のコアアップデートは2026年5月(5月21日〜6月2日)。6月にはスパムアップデート、7月中旬には未確認の変動も観測された
- 順位が下がったら、順位計測ツールの変動指標に振り回されず、まず自社のGSCデータで実際の影響範囲を確認する
- 対処は5ステップ(待機・影響範囲特定・E-E-A-T監査・コンテンツ改善/統合/削除・次のアップデートを待つ)で冷静に進める
- アップデートに強いサイトは、一次情報の豊富さ、専門特化、定期更新、優れたUX、自然な被リンクといった共通の特徴を持つ
コアアップデートへの対策は、一回限りの施策ではなく、継続的なサイト品質の向上です。「ユーザーにとって最も有益なコンテンツを提供する」という原則に立ち返り、E-E-A-Tを着実に高め、AI技術を正しく活用しながら、長期的に信頼されるサイトを構築していきましょう。個別のニュースは「SEO最新情報まとめ」、2026年の潮流は「SEOトレンド7選」でも継続的に追えます。
本記事は、Google検索セントラルの公式ドキュメント(コアアップデート・有用なコンテンツの作成・スパムポリシー)およびGoogle Search Status Dashboardの公表情報、当サイトが確認した2026年のニュース(2026年6月スパムアップデート、7月中旬の順位変動、クロール済み-未インデックスに関するGoogleの説明)を根拠に構成しています。アップデートの日付・特徴は各公式発表および当サイト掲載のニュース記事に基づきます。当サイトの表示速度・移行に関する数値は2026年7月時点の自社実測です。順位変動の要因は複合的であり、記載の対策は効果を保証するものではありません。