何が起きたか:OpenAIがChatGPT Ads Managerの複数アップデートを広告主にメールで告知
Search Engine Roundtableの記事によると、「今週初め、OpenAIは広告主に対し、新しいChatGPT Ads Manager製品アップデートに関するメールを送った(“Earlier this week, OpenAI sent an email to advertisers about new ChatGPT Ads Manager product updates.”)」とされています。アップデート内容は「商品フィードキャンペーン向けの新しい複数商品カルーセル形式のテストに加え、広告管理画面自体への複数のアップデートが含まれる(“These updates include testing a new multi-product carousel format for product feed campaigns, plus a number of updates to the ad manager itself.”)」と説明されており、記事内ではoCPC入札・動的URL・複数商品カルーセルを中心に計7項目が列挙されています。
目玉アップデート:複数商品カルーセル広告フォーマットのテスト開始
記事は、「OpenAIは、広告主の複数の商品を1つのユニット内に表示するカルーセル形式の商品フィード広告のテストを開始したと述べた(“OpenAI said it has started testing a carousel format for product feed ads that shows multiple products from an advertiser in a single unit.”)」と報じ、スクリーンショットも掲載しています。あわせて、Brodie Clark氏が2026年8月7日付でXに投稿した内容として、「新しい商品フィード広告のカルーセルユニットが稼働開始した(“The new product feed ads carousel unit is now live!”)」という第三者の投稿も紹介されています。ただしこれはSNS投稿に基づく確認であり、OpenAIの公式発表文そのものではない点に留意が必要です。
oCPC(コンバージョン最適化のクリック課金)入札がベータ提供、クローン・一括作成にも対応
記事は、「商品フィードキャンペーン向けのコンバージョン最適化ベータ:コンバージョン最適化のクリック課金キャンペーン(oCPC)が、商品フィードキャンペーン向けにベータ提供された。今回のリリースでは、固定入札または手動入札を用い、正のコンバージョン入札上限を設定したクリック課金キャンペーンに対応する(“Conversion-optimized cost-per-click campaigns (oCPC) are now available in beta for product feed campaigns. This initial release supports click-billed campaigns using fixed or manual bidding with a positive conversion bid cap.”)」と説明しています。あわせて、既存のCPCキャンペーンを新しいoCPCキャンペーンとして複製する、またはoCPCキャンペーンを一括作成できるようになったとも報じられています。
記事がリンクするOpenAIの開発者向けドキュメント(developers.openai.com)を直接確認したところ、oCPCは「標準キャンペーン・商品フィードキャンペーンの両方に対するオープンベータ(“open beta for both standard and product-feed campaigns”)」として提供されており、課金は「引き続き有効なクリックを基準に行われる(“billing still uses valid clicks”)」こと、入札上限は「実際の課金額ではなく、最適化のための入力値(“optimization input, not as a conversion charge”)」として扱われることが確認できました。コンバージョン数に応じて課金が変わる従量課金ではなく、クリック課金のまま入札だけをコンバージョン実績で最適化する仕組みです。
動的URLパラメータ(マクロ)を追加、ランディングページのトラッキングを自動化
記事は、「サポートされるマクロ({campaign_id}、{ad_group_id}、{ad_id}、{ad_account_id})をランディングページのクエリパラメータで使用でき、配信時に値が自動的に入力される(“Use supported macros such as {campaign_id}, {ad_group_id}, {ad_id}, and {ad_account_id} in landing page query parameters, with values populated automatically at delivery time.”)」と報じています。記事がリンクするOpenAIのヘルプページ(help.openai.com)を確認したところ、この機能は「広告管理画面のベータ版で利用可能(“Dynamic URL parameters are available in Ads Manager Beta.”)」であり、設定の優先順位は広告URL > 広告 > 広告グループ > キャンペーンの階層で、より詳細な設定が既存の値を上書きしないことが明記されていました。
計測・診断まわりのアップデートとブラジル・メキシコへの展開
ほかにも計測・連携機能のアップデートが複数発表されています。「Triple Whaleと連携し、他チャネルと合わせてChatGPT広告のパフォーマンスを計測できるようになった。Sonar OptimizeもChatGPT広告向けに利用可能になった(“Connect ChatGPT Ads in Triple Whale to measure performance alongside other channels. Sonar Optimize is also now available for ChatGPT Ads.”)」こと、「Hightouchが、計測・最適化のためのコンバージョンイベントをChatGPT広告に送信することに対応した(“Hightouch now supports sending conversion events to ChatGPT Ads for measurement and optimization.”)」こと、広告管理画面でPixel検証の詳細情報(イベントが送信前に破棄された理由・該当フィールド・エラー種類・推奨される修正方法)を確認できる診断パネルが追加されたことが報じられています。
さらに、「自動高度マッチング(AAM)が新規のWebピクセルでデフォルト有効になり、2026年8月17日には既存のWebピクセルにも有効化される。有効化したくない場合は、ツール→コンバージョン→データソースからピクセルを編集することで、8月17日より前にオプトアウトできる(“AAM is now the default for new Web pixels, and on August 17, 2026, OpenAI will also enable it for existing Web pixels…you can opt out before August 17 by going to Tools, Conversions, Data Source, then Edit pixel.”)」とのAAMのデフォルト化も発表されました。OpenAIのヘルプページを直接確認したところ、AAMはWebフォームの顧客情報をブラウザ内でSHA-256によりハッシュ化した上でコンバージョンイベントに含める仕組みで、生の顧客情報はOpenAIに送信されないと記載されており、記事の内容と一致していました。
地域展開については、「今後1週間のうちに、OpenAIはブラジル・メキシコでChatGPT広告を開始する(“In the coming week, OpenAI will launch ChatGPT Ads in Brazil and Mexico, giving advertisers with business in these markets a new opportunity to expand their reach.”)」と報じられています。具体的な開始日は記事中に明示されていません。
SEO/GEO・広告運用への影響
今回のアップデートのうち、商品フィードキャンペーン向けの複数商品カルーセルとoCPCベータは、ECサイトを運営する広告主にとって特に影響が大きい項目です。1つの広告ユニット内で複数商品を横断的に見せられるカルーセル形式は、検索連動型広告のショッピング枠に近い訴求力を持つ可能性があり、商品フィードの整備状況(タイトル・画像・価格・在庫情報の精度)がそのまま広告表示の質に直結する点は、通常のショッピング広告と同様の注意が必要です。
oCPCと動的URLパラメータは、いずれもコンバージョン計測の精度と紐づく機能です。特にAAMのデフォルト化は、既存のWebピクセルを使っているアカウントに2026年8月17日という具体的な期限付きで適用される点で、対応の要否を今のうちに判断しておく必要があります。ハッシュ化されたフォーム情報を用いた計測強化はコンバージョン計測の底上げにつながる一方、フォームに入力される顧客情報の扱いについて社内のプライバシー方針と整合しているかを確認しておくべき論点です。
所感
運営者としては、今回のアップデート群は個々の機能が独立しているように見えて、実質的には「商品フィードキャンペーンの機能強化」という一つの流れでつながっている点に注目すべきだと考えています。複数商品カルーセルという新しい広告面、oCPCという入札の最適化手段、動的URLパラメータという計測基盤の3点が同時に整備されたことで、ChatGPT広告における商品フィードキャンペーンの運用の土台が一段引き上げられた形です。ChatGPT広告をすでに利用している、あるいは商品フィード広告の導入を検討している事業者は、まず自社のアカウントで商品フィードキャンペーンの作成・oCPC設定の項目が表示されているかを確認するとよいでしょう。
特に優先度が高いのは、AAMのデフォルト化への対応です。2026年8月17日という具体的な期限が示されているため、既存のWebピクセルを利用している事業者は、AAMを有効なままにしてよいか、それとも一旦オプトアウトして社内レビューを挟むかを、ツール→コンバージョン→データソースの設定画面から期限前に判断しておく必要があります。また、動的URLパラメータの{campaign_id}などのマクロは、広告URL・広告・広告グループ・キャンペーンの優先順位を理解した上で設定しないと意図しない値で上書きされる可能性があるため、導入時は既存のトラッキング設定との重複がないか確認しておくことをおすすめします。
まとめ
・OpenAIが広告主向けのメールで、ChatGPT Ads Managerに関する複数のアップデートを告知したとSearch Engine Roundtableが報じた
・商品フィードキャンペーン向けに、複数商品を1つの広告ユニット内に表示する「複数商品カルーセル」形式のテストが開始された
・コンバージョン最適化のクリック課金(oCPC)入札が商品フィードキャンペーン向けにベータ提供され、既存CPCキャンペーンのクローンや一括作成にも対応した。OpenAIの開発者向けドキュメントでは標準キャンペーンでもオープンベータとして提供されていることが確認できる
・{campaign_id}などのマクロを使った動的URLパラメータが追加され、Triple Whale/Hightouch連携、Pixel検証の診断パネル、自動高度マッチング(AAM)のデフォルト化(既存ピクセルは2026年8月17日から)も発表された
・ChatGPT広告は今後1週間以内にブラジル・メキシコへの展開も予定されている(具体的な開始日は記事中に明示されていない)
よくある質問
Q1: 今回のアップデートで追加された「複数商品カルーセル」とはどのような広告フォーマットですか?
Search Engine Roundtableの報道によれば、OpenAIは商品フィードキャンペーンの広告で、広告主の複数の商品を1つのユニット内に表示するカルーセル形式のテストを開始したとされています。記事ではBrodie Clark氏が2026年8月7日付のX投稿で、このカルーセルユニットが実際に稼働しているのを確認したと報告している内容も紹介されていますが、これはSNS投稿に基づく情報であり、OpenAIの公式発表文そのものではない点に注意が必要です。
Q2: oCPC(コンバージョン最適化のクリック課金)入札の対象範囲と課金方式はどうなっていますか?
記事によれば、商品フィードキャンペーン向けのoCPCがベータ提供されており、固定入札または手動入札に加えて正のコンバージョン入札上限を設定したクリック課金キャンペーンに対応しています。OpenAIの開発者向けドキュメントを確認したところ、標準キャンペーン・商品フィードキャンペーンの両方でオープンベータとして提供されており、課金は引き続き有効なクリック単位で行われ、コンバージョン単価の入力値は実際の課金額ではなく最適化のための入力情報として扱われると説明されています。
Q3: 動的URLパラメータでは、どのようなマクロが使えますか?
OpenAIのヘルプページによると、ランディングページのクエリパラメータに{campaign_id}、{ad_group_id}、{ad_id}、{ad_account_id}という対応マクロを設定でき、配信時にOpenAI側で値が自動的に入力されます。設定はキャンペーン・広告グループ・広告・広告URLの各階層で行え、広告URL > 広告 > 広告グループ > キャンペーンの順でより詳細な階層の設定が優先される仕組みになっています。
出典:ChatGPT Ads Updates: oCPC, Dynamic URLs, Muti-Product Carousel & More(Search Engine Roundtable、Barry Schwartz氏、2026年8月7日)https://www.seroundtable.com/openai-chatgpt-ads-updates-41828.html
参考:Conversion-optimized campaigns(OpenAI Developers)https://developers.openai.com/ads/conversion-optimized-campaigns
参考:Measure your results(OpenAI Help Center)https://help.openai.com/en/articles/20001214-measure-results
参考:Conversion measurement(OpenAI Help Center)https://help.openai.com/en/articles/20001409-conversion-measurement