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ChatGPTが2011年のGoogle「(not provided)」を再現、オーガニック計測の死角が広がるとSEJが指摘【2026年7月】

ChatGPTが2011年のGoogle「(not provided)」を再現、オーガニック計測の死角が広がるとSEJが指摘【2026年7月】

SEO・マーケティング系メディアSearch Engine Journalの創業者兼CEOであるDuane Forrester氏(UnboundAnswers.com)が、2026年7月23日付の記事で、2011年にGoogleが検索キーワードデータを暗号化し「(not provided)」として計測不能にした構造を、ChatGPTが同様の形で再現していると指摘したと報じています。オーガニックのサイト運営者にはGPTBotの許可/禁止という二択のみが与えられる一方、広告主にはサーバー間のコンバージョン計測パイプラインが提供されているとされています。

何が指摘されたのか

Search Engine JournalのDuane Forrester氏(UnboundAnswers.comの創業者兼CEO)は、2026年7月23日付の記事「Google Went ‘Not Provided’ In 2011 And Blinded Us, ChatGPT Just Shipped Its Version」で、2011年にGoogleが実施した「(not provided)」の実装と同じ構造を、ChatGPTが再現していると指摘しました。2011年、Googleは検索キーワードを暗号化して「(not provided)」とし、オーガニック検索のキーワードレベルの計測をサイト運営者から奪う一方、有料広告主にはより詳細なコンバージョンデータを提供し続けました。

Forrester氏によれば、ChatGPTもこれと同じ構図を採っています。オーガニックのサイト運営者に与えられているのは、GPTBotの許可/禁止(allow/disallow)というrobots.txt経由の二択のみです。一方、広告主には「サーバー間の完全なコンバージョンパイプライン(“a full server-to-server conversions pipeline”)」が提供され、詳細なイベント追跡とアトリビューションが可能になっているとされています。

ChatGPTが変えたもの

記事では、ChatGPT側の変更点として、ウェブマスター向けの管理機能がrobots.txt経由のバイナリな許可/禁止に留まっている一方、広告主向けには標準イベント(例: order_created)、金額・通貨のトラッキング、重複排除(deduplication)、プライバシー保護型の識別子といった機能を備えたサーバー間コンバージョンAPIが提供されている点が挙げられています。関連する製品・エンティティとしては、OpenAI/ChatGPT/GPTBot、OAI-SearchBot、Google Analytics、Microsoft Clarity、Perplexity、Anthropic、Googleが言及されています。

数値が示す実態

Forrester氏は、2026年7月に実施した調査を踏まえ、多くのサイトにおいてAIの回答経由のトラフィックは「総トラフィックの1%未満(“Under one percent of total traffic”)」にとどまると述べています。

一方で、Microsoft Clarityの調査(パブリッシャー1,200サイトを対象)では、AI経由の訪問者のコンバージョン率は「オーガニック検索の11倍(“11 times the rate of organic search”)」に達しているとされています。また、Marketing Scienceの査読済み研究(973サイト、200億ドル(“$20 billion”)の収益規模を対象)では、オーガニックのLLM経由トラフィックのコンバージョン率は「有料ソーシャルを除くすべての従来チャネルより低い(“below every traditional channel except paid social”)」と報告されています。

同氏は、こうした標準化の流れが「12〜24か月(“12–24 months”)」程度で進むと予測しています。

マーケター・SEO担当者への影響

Forrester氏は「みなさんが求め続けているオーガニックのアトリビューションは、構造的にやってこない(“The organic attribution you keep asking for structurally isn’t coming”)」と述べ、「一度与えたアクセスを取り上げることは何年分もの信頼を失うコストになる。だから取り上げるのではなく、そもそも与えないというのが答えだ(“taking access away costs you years of goodwill, so do not take it away; simply never grant it”)」と指摘しています。さらに「ChatGPTに期待するな、というのは狭い意味での話に過ぎない。本当の意味は、どこにも期待するな、ということだ(“do not expect it from ChatGPT is the narrow version. The real version is do not expect it anywhere”)」とも述べており、この構造はChatGPTに限らずAI検索全体に及ぶとしています。

同氏はまた「このチャネルは小さく、購買意欲は高いが、非常にばらつきが大きく、そして毎回同じ方法で計測されるわけでもない(“The channel is small, high-intent, and wildly uneven, and it is not even measured the same way twice”)」と述べ、計測手法自体が流動的であることにも言及しています。

今、計測できること・できないこと

記事では、現時点で実務者が取り得る計測手法が整理されています。今すぐ計測可能なものとしては、UTMタグ付けとリファラー・ランディングページのパターン分類によるリファラルアトリビューション、地理的ホールドアウトやオン/オフの期間比較によるインクリメンタリティテスト、自己申告のアトリビューションとブランド検索需要の相関によるダークファネルの推定が挙げられています。

一方、無償では手に入らないものとして、アイテムレベルのオーガニックアトリビューション(有料広告の裏側に限定されている)や、決定論的なクリックパス・アトリビューション(確率論的モデリングに置き換わっている)が挙げられています。ベンダーを見極める上での警戒すべき言葉として、プラットフォーム由来のオーガニックアトリビューションデータを提供できるという主張や、「アトリビューション」と「インクリメンタリティ」という言葉を混同させる説明が挙げられており、信頼できるアプローチとしては、自社の一次データ(自社アナリティクス・CRM・ストアフロントのイベントデータ)と、厳密な因果測定の組み合わせが推奨されています。

所感

Scale Basics編集部としては、2011年の「(not provided)」を経験してきた実務者にとって、今回のForrester氏の指摘は既視感の強い、しかし重要な警鐘だと受け止めています。特に、Microsoft Clarityの1,200サイト調査での「11倍」というコンバージョン率の差や、Marketing Scienceの973サイト・200億ドル規模の研究結果は、AI経由トラフィックの質と量のギャップを具体的に示すデータとして参考になります。オーガニックのアトリビューションを構造的に期待しないという前提のもとで、自社の一次データと因果測定に投資していく方向性は、日本の実務者にとっても現実的な選択肢になるはずです。

まとめ

・SEJのDuane Forrester氏が、2011年にGoogleが実施した「(not provided)」と同じ構造を、ChatGPTがGPTBotの許可/禁止という二択と広告主向けサーバー間コンバージョンAPIの組み合わせで再現していると指摘

・Microsoft Clarityの調査(1,200サイト)ではAI経由訪問者のコンバージョン率がオーガニック検索の11倍、Marketing Scienceの研究(973サイト、200億ドル規模)ではオーガニックのLLM経由トラフィックが有料ソーシャルを除く全チャネルより低いコンバージョン率と報告

・Forrester氏は「オーガニックのアトリビューションは構造的にやってこない」とし、この状況はChatGPTに限らずAI検索全体に及ぶと指摘。標準化には12〜24か月程度かかると予測

・今すぐ計測できるのはUTMベースのリファラルアトリビューションやインクリメンタリティテストなどで、アイテムレベルのオーガニックアトリビューションは無償では得られず、自社の一次データと因果測定への投資が推奨される

よくある質問

Q1: ChatGPTのGPTBot許可/禁止設定と、Googleの「(not provided)」はどう似ているのですか?

Forrester氏によれば、両者とも、オーガニック側(サイト運営者)には粗い情報しか提供せず、有料側(広告主)にはより詳細なデータへのアクセスを与えるという同じ構造を持っています。2011年のGoogleはキーワードレベルの計測を暗号化して奪い、ChatGPTはGPTBotの許可/禁止という二択のみをオーガニック側に提供している一方、広告主にはサーバー間のコンバージョンパイプラインを提供しています。

Q2: AI経由のトラフィックのコンバージョン率は実際どうなのですか?

調査によって結果が分かれています。Microsoft Clarityの1,200サイト調査ではAI経由訪問者のコンバージョン率がオーガニック検索の11倍とされていますが、Marketing Scienceの973サイト・200億ドル規模の研究では、オーガニックのLLM経由トラフィックのコンバージョン率は有料ソーシャルを除く全ての従来チャネルより低いと報告されています。

Q3: オーガニックのアトリビューションが得られない中、何をすべきですか?

Forrester氏は、UTMタグ付けやリファラー分類によるリファラルアトリビューション、地理的ホールドアウトなどによるインクリメンタリティテスト、自己申告データとブランド検索需要の相関によるダークファネル推定など、今すぐ実行可能な計測手法への投資を推奨しています。あわせて、自社の一次データ(アナリティクス・CRM・ストアフロントのイベント)と厳密な因果測定の組み合わせが、信頼できるアプローチだとしています。

出典:Google Went ‘Not Provided’ In 2011 And Blinded Us, ChatGPT Just Shipped Its Version(Search Engine Journal、2026年7月23日)https://www.searchenginejournal.com/google-went-not-provided-in-2011-and-blinded-us-chatgpt-just-shipped-its-version/582839/

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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