何が起きたか:旅行系の質問で引用元表示率が突出して高いと判明
Search Engine Journalの記事によると、Similarwebの「2026 Generative AI Landscape report」(米国のデスクトップ利用データが対象)を分析した結果、ChatGPTが回答の中に引用元リンクを含める割合は、2026年5月時点で旅行関連の質問が22.6%と最も高かったと報じられています。この数値は、同時期の全体平均である6.8%を大きく上回るものです。
記事のタイトルは「ChatGPT Links Out Most On Travel Questions(ChatGPTは旅行関連の質問で最も多くリンクを出す)」となっており、分野ごとの引用元表示率の差そのものが今回の報道の核心です。
詳細:分野別の引用元表示率(旅行22.6%〜教育4.8%)
記事が示した2026年5月時点の分野別の引用元表示率(ChatGPTの回答に引用元が含まれた割合)は次のとおりです。
| 分野 | 引用元を含む回答の割合(2026年5月) |
|---|---|
| 旅行 | 22.6% |
| 小売 | 13.5% |
| スポーツ | 10.7% |
| 金融 | 8.0% |
| 全体平均 | 6.8% |
| 教育 | 4.8% |
記事では、テクノロジー・健康・メディア/エンターテインメントの各分野についても言及されていますが、これらは「全体平均を下回る(“Below average”)」という表現にとどまっており、具体的なパーセンテージは記事中に明記されていません。数値が明示されている分野の中では、旅行(22.6%)が最も高く、教育(4.8%)が最も低い結果となっています。
この1年の推移:2025年6月の1.3%から2026年5月の6.8%へ
記事は、ChatGPT全体の引用元表示率の推移についても触れています。全体平均は2025年6月時点の約1.3%から、2026年5月時点の6.8%へと、「1年に満たない期間で5倍以上に増加した(“more than a fivefold increase in less than a year”)」とされています。
ただしこの増加は一貫した右肩上がりではなく、記事によれば2025年10月には6%を超える水準に達したものの、2026年2月には一時的に約4.5%まで低下し、その後2026年春にかけて再び上昇したという変動があったと報じられています。
引用元の”中身”も分野で異なる:美容は小売系、旅行はレビュー・UGCが半数超
記事はまた、ChatGPTが実際にどのような種類のサイトを引用元として選んでいるかについても、2026年5月・上位1万件の引用を対象とした分析結果を紹介しています。分野を横断した全体の内訳では、レビュー・UGC(ユーザー生成コンテンツ)が28.9%、ニュース・パブリッシャーが26.0%、小売・Eコマースが14.1%を占めたとされています。
一方で、この内訳は分野によって大きく異なるとも報じられています。美容分野では引用元の54.7%が小売・Eコマース系サイトであったのに対し、旅行分野では引用元の54.1%がレビュー・UGC系サイトでした。金融分野では、金融特化サイトが36.6%、ニュース・パブリッシャーが28.0%を占めています。
| 分野 | 引用元の内訳(2026年5月、上位1万件の引用ベース) |
|---|---|
| 全体平均 | レビュー・UGC 28.9%/ニュース・パブリッシャー 26.0%/小売・Eコマース 14.1% |
| 美容 | 小売・Eコマース 54.7% |
| 旅行 | レビュー・UGC 54.1% |
| 金融 | 金融特化サイト 36.6%/ニュース・パブリッシャー 28.0% |
なぜ重要か:SEO/GEO実務への影響
この調査結果は、ChatGPTが引用元として選びやすいコンテンツの傾向が分野ごとに異なることを示しています。旅行分野で引用元表示率が高く、かつその内訳の半数以上がレビュー・UGC系サイトであるという組み合わせは、口コミや体験談といった一次体験に基づくコンテンツがChatGPTの回答で引用されやすい可能性を示唆するものと読めます。一方で美容分野のように小売・Eコマース系サイトが引用元の過半数を占める分野では、商品ページや購入導線を持つサイト自体が引用対象になりやすいと考えられます。
教育やテクノロジーなど引用元表示率が平均以下とされる分野では、ChatGPTの回答内でリンクという形で外部サイトへ送客される機会自体が相対的に少ない可能性があります。これはGEO対策の優先順位を検討するうえで参考になる情報ですが、あくまでSimilarwebが集計した分野全体の傾向であり、個別サイトの引用されやすさや自社の実際の流入数を保証するものではない点には注意が必要です。
今日からできる確認手順
自社サイトが旅行・小売・金融など、記事で言及された分野に該当する場合、まず自社のコンテンツの中にレビューや利用者の体験談、口コミといったレビュー・UGC系のコンテンツがどの程度含まれているかを棚卸しすることが第一歩です。旅行分野では引用元の54.1%がレビュー・UGC系サイトだったという内訳を踏まえると、自社サイト内のレビューコンテンツの充実度や、実体験に基づく記述の有無を確認する価値があります。
また、自社サイトがChatGPTやAI検索経由でどの程度参照・引用されているかは、リファラーやサーバーログでOpenAIのクローラー(GPTBotなど)からのアクセス、あるいはChatGPTの回答経由と推測されるアクセスの有無を確認することで、一定の手がかりが得られます。自社の分野がSimilarwebの分類でどこに該当しそうかを踏まえたうえで、平均的な傾向と自社の実測値を比較してみることをおすすめします。
所感
Scale Basics編集部としては、今回のデータで注目すべきは「ChatGPTが引用元リンクを出す割合そのもの」よりも、分野によって引用元の”種類”が大きく異なるという内訳の部分だと考えています。旅行のようにレビュー・UGCが引用元の半数以上を占める分野では、自社サイトに実際の利用者の声や体験ベースのコンテンツをどれだけ充実させられるかが、AI経由の送客を意識したコンテンツ設計の観点で重要になってくると見ています。
一方で、この調査はあくまでSimilarwebが集計した分野横断の平均的な傾向であり、個々のサイトがChatGPTに引用されるかどうかを直接保証するものではありません。全体の引用元表示率自体もこの1年で1.3%から6.8%へと変動してきた経緯があることから、単発の数値に一喜一憂するのではなく、今後の推移を継続的に確認していく姿勢が実務上は現実的だと考えています。
まとめ
・Similarwebの「2026 Generative AI Landscape report」によると、2026年5月時点でChatGPTが引用元リンクを含む回答を返す割合は、旅行分野が22.6%と最も高く、全体平均の6.8%を大きく上回った
・分野別では旅行22.6%、小売13.5%、スポーツ10.7%、金融8.0%、教育4.8%という数値が示されており、教育が最も低い結果だった
・全体の引用元表示率は2025年6月の約1.3%から2026年5月の6.8%へと1年未満で5倍以上に増加したが、2026年2月には約4.5%まで低下する変動もあった
・引用元の種類は分野によって異なり、美容では小売・Eコマース系が54.7%、旅行ではレビュー・UGC系が54.1%を占めた
・この調査結果は分野横断の平均的な傾向を示すものであり、個別サイトの引用されやすさを保証するものではない点に注意が必要
よくある質問
Q1: ChatGPTが最も引用元リンクを表示しやすい分野はどこですか?
Similarwebの調査によれば、2026年5月時点でChatGPTが引用元を含む回答を返す割合が最も高かったのは旅行関連の質問で22.6%でした。次いで小売13.5%、スポーツ10.7%、金融8.0%と続き、全体平均は6.8%でした。
Q2: 引用元表示率はこの1年でどう変化していますか?
Similarwebのデータでは、全体の引用元表示率は2025年6月の約1.3%から2026年5月の6.8%へと、1年に満たない期間で5倍以上に増加したとされています。ただし一貫した右肩上がりではなく、2026年2月には一時的に約4.5%まで低下したのち、春にかけて再び上昇するという変動も報告されています。
Q3: 教育やテクノロジーのように引用元表示率が低い分野では、GEO対策をあきらめるべきですか?
記事で示されているのは分野ごとの平均的な傾向であり、個別サイトの引用されやすさを保証するものではありません。教育(4.8%)やテクノロジー・健康・メディア/エンターテインメントといった平均以下の分野でも、引用元として選ばれる可能性がゼロというわけではなく、レビュー・UGCやニュース記事など引用されやすいコンテンツ形式を意識した対策の余地はあると考えられます。
出典:ChatGPT Links Out Most On Travel Questions(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏)https://www.searchenginejournal.com/chatgpt-links-out-most-on-travel-questions/583824/