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GoogleがAIコンテンツラベルを広告プラットフォームに展開――アセットスタジオから5製品へ7月中に順次【2026年7月】

GoogleがAIコンテンツラベルを広告プラットフォームに展開――アセットスタジオから5製品へ7月中に順次【2026年7月】

Googleが、広告クリエイティブがAIによって生成または編集されたことを開示するための「AIコンテンツラベル(AI content label)」を、アセットスタジオ(asset studio)に展開し始めたと、Search Engine Land(Anu Adegbola氏、2026年7月28日付)が報じています。広告主は対象となる画像・動画アセットにテキストまたはビジュアルのAIラベルを直接追加できるほか、新設された「AIラベル設定(AI label setting)」を有効にすることで開示を自動化できます。設定はGoogle Ads、Display & Video 360、Campaign Manager 360、Merchant Center、Google 広告エディタ(Ads Editor)の5製品に段階的に展開されます。背景にあるのは、EU・インド・ニューヨークで進むAI透明性規制です。本記事では、ラベルが付く条件、対象範囲、展開スケジュール、そして広告主が今日から見直すべき運用を整理します。

何が起きたか:GoogleがアセットスタジオにAIコンテンツラベルを導入

Search Engine Landの記事(見出し:「Google rolls out AI content labels in asset studio(Googleがアセットスタジオ内でAIコンテンツラベルを展開)」)は、リード文で「GoogleのAIコンテンツラベルは、透明性の要件が世界的に広がるなかで、広告主がAI生成または編集されたクリエイティブを開示することを助けるものだ(“Google’s AI content label helps advertisers disclose AI-generated or edited creatives as transparency requirements expand worldwide.”)」と説明しています。

本文では「Googleはアセットスタジオ内でAIコンテンツラベルの展開を進めており、画像および動画のアセットがAIを使って生成または改変されたことを開示する新しい手段を広告主に提供する(“Google is rolling out AI content labels within asset studio, giving advertisers a new way to disclose when image and video assets have been generated or modified using AI.”)」としています。そのうえで、このアップデートが「EU、インド、ニューヨークを含む市場における、新たに生まれつつあるAI透明性規制への準拠を広告主が果たせるように設計されている」と位置づけています。

なお、Google Adsをめぐっては同じ7月に、アップロードした画像を素材としてAIが新しい画像を生成する機能も話題になりました(参考:Google Adsがアップロード画像からのAI画像生成に対応)。今回の話はそれとは別で、「AIで作る機能」ではなく「AIで作ったことを表示する開示機能」が主題です。クリエイティブを生成する側ではなく、出来上がったクリエイティブに”AI製である”という表示を付ける仕組みだと捉えると混乱しません。

詳細①:ラベルの付け方は2通り、Google製AIで作った素材は自動付与も

記事の「What’s new(何が新しいか)」セクションによると、広告主は「対象となる画像・動画クリエイティブにテキストまたはビジュアルのAIラベルを直接追加する」か、「Googleの広告プラットフォーム内で新しいAIラベル設定を有効にする」かのいずれかを選べます。つまり、クリエイティブ自体を作り直してラベルを焼き込む方法と、管理画面の設定をオンにして開示をプラットフォーム側に任せる方法の二本立てです。

さらにGoogleは、「自社のAIツールで作成された特定のアセットについては、ラベルを自動的に適用する場合がある(“Google said it may also automatically apply labels to certain assets created with its own AI tools.”)」としています。GoogleのAI機能で生成した素材については、広告主が何もしなくてもラベルが付き得るということです。

広告運用者にとって見逃せないのが、これらのラベルがポリシー違反にならない点です。記事は「これらのラベルは、広告クリエイティブ上のテキストオーバーレイやウォーターマークを禁止する既存のポリシーに違反しない(“These labels won’t violate existing policies that prohibit text overlays or watermarks on ad creatives.”)」と明記しています。通常であれば審査で弾かれかねない画像上の文字要素が、AI開示ラベルに限っては例外として認められる、という整理です。

実装の目撃例も報告されています。記事によれば、PPCスペシャリストのHana Kobzova氏が、すでにGoogle Ads、Merchant Center、Ads Editorにまたがる展開を確認しています。影響を受けているアカウントでは、ラベル付けが有効になっているかどうかを示す新しい「AI Label」列(AI Label column)が表示され、ラベル付きアセットを使用した広告は、表示される場所を問わずAI開示アイコン(AI disclosure icon)を表示するとしています。

詳細②:対象は5製品、Google公式ポリシーは「7月中に段階的に提供開始」と記載

Search Engine Landの記事は、AIラベル設定が「段階的に展開されている(rolling out gradually)」対象として、Google Ads、Display & Video 360、Campaign Manager 360、Merchant Center、Google 広告エディタ(Google Ads Editor)の5つを挙げています。検索広告だけでなく、ディスプレイ・動画の運用型(Display & Video 360)、広告配信管理(Campaign Manager 360)、ショッピング(Merchant Center)、そして一括編集ツール(広告エディタ)までを横断する範囲です。

記事がリンクしているGoogleの広告ポリシーヘルプ「Updates to AI labeling requirements (July 2026)(AIラベル要件の更新(2026年7月))」は、より具体的な時期を示しています。同ページは「2026年7月より、Googleは、AIを使用して生成または改変された画像および動画の広告クリエイティブの内部に、テキストまたはビジュアルのラベルを直接追加することを許可する(“Starting in July of 2026, Google permits adding text or visual labels directly within image and video ad creatives that were generated or modified using AI”)」と述べ、AIラベル設定については「7月を通じて段階的にGoogle Ads、Display & Video 360、Campaign Manager 360、Merchant Center、およびAds Editorで提供が開始される(“which will launch gradually throughout July in Google Ads, Display & Video 360, Campaign Manager 360, Merchant Center, and Ads Editor”)」と記載しています。特定の日付を切った一斉切り替えではなく、7月中のロールアウトという整理です。

あわせて注意したいのが免責の記述です。Search Engine Landは「AIラベル設定を使うだけでは各地域の規制への準拠が保証されるわけではなく、必要に応じて法的な助言を求めるようGoogleが助言している」と伝えており、Googleのポリシーページも「Googleの広告プロダクトにおけるAIラベル設定の使用は、特定の規制への準拠を保証するものではない(“Use of the AI label setting in Google’s advertising products doesn’t guarantee compliance with specific regulations.”)」と明記しています。ツールはあくまで開示手段であって、法令適合の責任は広告主側に残るという線引きです。

技術的な仕組みについて補足すると、今回のSearch Engine Landの記事にも、Googleの当該ポリシーページにも、電子透かし技術のSynthIDやC2PA、コンテンツクレデンシャル(Content Credentials)といった規格名、およびメタデータによる判定に関する記述はありません。ラベルの判定根拠として明示されているのは「広告主自身による申告(クリエイティブへの直接追加またはAIラベル設定)」と「GoogleのAIツールで生成されたアセットに対する自動適用の可能性」の2点にとどまります。現時点で分かるのはここまでで、それ以上の技術仕様を推測で補うべきではありません。

背景:EU・インド・ニューヨークの規制と「この広告はどのように作られたか」

そもそもなぜGoogleがラベル機能を用意したのかという点について、Googleのポリシーページは「EU、インド、ニューヨークにおけるAI規制は、特定のAI生成または編集されたアセットを含む広告に、開示および/またはラベルを含めることを要求している(“AI regulations in the European Union, India, and New York require that ads with certain AI-generated or edited assets include disclosures and/or labels.”)」と説明しています。つまり、Googleが独自に始めた自主規制ではなく、複数の法域で先行して固まりつつある表示義務に、広告プラットフォーム側の機能として応じた形です。

この動きは単発ではありません。Search Engine Landは「Ai Ad disclosure(AI広告の開示)」というセクションで、今回のアップデートが、Googleが広告におけるAI透明性を拡大していくと発表した動きと同時期のものであるとし、ユーザーが「この広告はどのように作られたか(How this ad was made)」をクリックすることで、その広告がAIによって作成または編集されたかどうかを確認できるようになる、と伝えています。広告主側の入力(ラベル設定)と、ユーザー側の閲覧手段(開示パネル)が対になっている構造です。

記事は「Why we care(なぜ重要か)」で、「各国政府がAI生成コンテンツの透明性を高める規則を導入するにつれ、広告主はクリエイティブにAIを使用した際にそれを開示する、スケーラブルな手段をますます必要とするようになる」とし、Googleの組み込み型ラベリングツールが「開示をキャンペーンのワークフローに直接統合することでプロセスを簡素化し、手作業でのクリエイティブ修正の必要を減らしつつ、進化するコンプライアンス要件への準備を助ける」と評価しています。結論部の「Bottom line(結論)」では、Googleが「AIコンテンツの開示を広告エコシステムのネイティブな一部にしつつある」とまとめています。

実務への影響:SEO・PPC・GEO運用のどこに効くか

広告運用の現場で最初に効いてくるのは、クリエイティブ制作フローの棚卸しです。今回の仕組みは「AIを使ったかどうか」を広告主が申告する前提で設計されています。したがって、社内のデザイナーが生成AIで作った画像、外部の制作会社から納品された素材、ストック素材のAIアップスケール処理など、どこまでを「AIで生成または編集された」と扱うのかという判断基準を、あらかじめ社内で決めておく必要があります。Googleが自動でラベルを付ける可能性があるのは、あくまで自社のAIツールで作られたアセットに限られるため、それ以外の経路で作られた素材は運用側の申告に依存します。

次に、管理画面での確認作業です。記事が伝えるように、影響を受けるアカウントには新しい「AI Label」列が現れ、ラベル付けが有効かどうかが一覧で分かるようになります。7月中に段階的に展開されるとされているため、担当アカウントに列が出現しているかを確認し、意図せず有効・無効になっていないかを点検するのが当面の実務です。Ads Editorにも展開されるため、一括編集の運用をしている代理店やインハウスチームは、エディタ側の挙動もあわせて把握しておくべきでしょう。

クリエイティブ審査の観点では、AI開示ラベルがテキストオーバーレイ・ウォーターマーク禁止ポリシーの例外として扱われる点が実務上の朗報です。これまで画像内の文字要素は不承認リスクの温床でしたが、AI開示ラベルについてはその心配なく載せられます。一方で、ラベル付きアセットを使った広告には表示先を問わずAI開示アイコンが付くため、見た目の印象やクリック率にどの程度影響するかは、配信後の数値で確かめていくことになります。

EU・インド・ニューヨークを対象に配信しているアカウントを持つ企業は、法務部門との連携も必要です。Google自身が「AIラベル設定の使用は特定の規制への準拠を保証しない」と明言している以上、設定をオンにしたことをもって対応完了とはできません。どの規制が自社のどのキャンペーンに掛かるのかを整理し、必要なら法的助言を得るところまでが一連の対応になります。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。今回の発表で日本の広告主にとって最も実務的な論点は、「日本にはまだ同種の表示義務がないから関係ない」と切り捨てられない点にあると考えています。対象として名指しされているのはEU・インド・ニューヨークですが、AIラベル設定そのものはGoogle Adsをはじめとする各プロダクトに横断的に展開されます。海外配信を持つ企業はもちろん、国内配信のみの企業でも、管理画面に新しい列が増え、設定項目が増えるという変化には向き合うことになります。

もうひとつ気になるのが、日本に多いインハウスと代理店の分業体制との相性です。クリエイティブ制作は代理店や制作会社、アカウント設定はインハウス、という分担になっている場合、「そのバナーはAIで作られたのか」という情報が、制作側から運用側へ構造的に渡っていないケースが珍しくありません。今回の仕組みは広告主の申告を前提にしているため、この情報の断絶がそのままコンプライアンス上の穴になり得ます。納品時のチェックリストに「生成AIの使用有無」と「使用箇所(全面生成か部分編集か)」を追加しておくだけでも、後追いの調査コストは大きく下がるはずです。

技術面については、判定の裏側にどの仕組みが使われるのかが現時点で公表されていないため、断定を避けるべき段階だと見ています。Googleが自社AIツール由来のアセットを識別できるという記述はありますが、その識別方法までは示されていません。続報が出るまでは、「自動で付くものもあるが、基本は自己申告」という前提で運用設計するのが安全です。GEO(生成エンジン最適化)の文脈でも、AI生成物への開示表示が広告から一般コンテンツへ波及していく流れは十分に考えられるため、自社のオウンドメディアでAI活用をどう開示するかという方針も、あわせて議論を始めておく価値があります。

まとめ

・Googleが、広告クリエイティブのAI生成・編集を開示する「AIコンテンツラベル」をアセットスタジオに展開し始めたとSearch Engine Land(Anu Adegbola氏、2026年7月28日付)が報じた

・広告主は対象の画像・動画クリエイティブにテキスト/ビジュアルのラベルを直接追加するか、新設の「AIラベル設定」を有効にするかを選べ、GoogleのAIツールで作成された一部アセットには自動でラベルが付く場合がある

・対象はGoogle Ads、Display & Video 360、Campaign Manager 360、Merchant Center、Ads Editorの5製品で、Google公式ポリシーは「2026年7月を通じて段階的に提供開始」としている

・これらのラベルはテキストオーバーレイやウォーターマークを禁じる既存ポリシーの違反にはならず、対象アカウントには新しい「AI Label」列が表示され、ラベル付きアセットを使った広告にはAI開示アイコンが付く

・背景はEU・インド・ニューヨークのAI透明性規制で、Googleは「AIラベル設定の使用は特定の規制への準拠を保証しない」と明記しており、必要に応じた法的助言を求めるよう促している

よくある質問

Q1: 広告クリエイティブにAIラベルが付くのはどのような場合ですか?

Search Engine Landの記事とGoogleの広告ポリシーヘルプによると、付き方は2通りです。ひとつは広告主が対象となる画像・動画クリエイティブにテキストまたはビジュアルのAIラベルを直接追加する方法、もうひとつはGoogleの広告プラットフォーム内で新設のAIラベル設定を有効にする方法です。加えてGoogleは、自社のAIツールで作成された特定のアセットについては自動的にラベルを適用する場合があるとしています。なお、SynthIDやC2PAといった電子透かし・来歴規格による判定については、記事にもGoogleのポリシーページにも記載がありません。

Q2: AIラベル設定はいつ、どの製品で使えるようになりますか?

Googleの広告ポリシーヘルプ「Updates to AI labeling requirements (July 2026)」は、AIラベル設定が2026年7月を通じて段階的に、Google Ads、Display and Video 360、Campaign Manager 360、Merchant Center、Ads Editorで提供開始されると記載しています。Search Engine Landも同じ5製品を挙げ、段階的な展開だとしています。PPCスペシャリストのHana Kobzova氏は、すでにGoogle Ads、Merchant Center、Ads Editorでの展開を確認しており、対象アカウントにはラベル付けが有効かどうかを示す新しいAI Label列が表示されるとのことです。

Q3: AIラベル設定を有効にすれば各国の規制に準拠したことになりますか?

いいえ。Googleは、広告プロダクトにおけるAIラベル設定の使用が特定の規制への準拠を保証するものではないと明記しており、Search Engine Landも、Googleが必要に応じて法的な助言を求めるよう広告主に促していると伝えています。EU・インド・ニューヨークのAI規制は、特定のAI生成または編集されたアセットを含む広告に開示やラベルを求めるものであり、自社のどのキャンペーンがどの規制の対象になるのかを整理したうえで、法務部門や専門家の確認を得る必要があります。

出典:Google rolls out AI content labels in asset studio(Search Engine Land、Anu Adegbola氏、2026年7月28日)https://searchengineland.com/google-rolls-out-ai-content-labels-across-its-advertising-platforms-483816

参考:Updates to AI labeling requirements (July 2026)(Google 広告ポリシー ヘルプ)https://support.google.com/adspolicy/answer/17257106?hl=en

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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