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AI Modeの引用1,570万件を分析:Googleが引くのはページではなく「117語のパッセージ」だった【2026年7月】

AI Modeの引用1,570万件を分析:Googleが引くのはページではなく「117語のパッセージ」だった【2026年7月】

GoogleのAI Mode(AIモード)が実際に表示した引用1,570万件を1年がかりで集計した分析レポートを、コンテンツマーケティングプラットフォームのPillarbaseがSearch Engine Land(2026年7月29日付)に寄稿しています。正確な件数は15,699,298件、対象は148業種。そのうち47.7%は単なるリンクではなく、ページ内の特定の段落へ直接スクロールさせるテキストフラグメント付きの引用でした。つまりAI Modeが引用しているのはURLそのものではなく、中央値でわずか117語の「パッセージ(passage/一段落)」だという指摘です。さらに、Googleが気に入ったパッセージを何度も使い回している実態、引用の集中度、検索順位との相関まで数値で示されています。なお本記事はPillarbaseによるスポンサード記事(sponsored content)として掲載されており、その点は後述します。

何が起きたか:AI Modeの引用1,570万件を通年で集計した分析が公開

Search Engine Landに掲載された記事(原題:「What 15.7 million AI Mode citations reveal about getting quoted by Google(1,570万件のAI Mode引用が明かす、Googleに引用されるための条件)」)は、AI Modeの引用データを1年かけて収集・分析した結果をまとめたものです。リード文では「1,570万件のAI Mode引用を148業種にわたって1年間調査した結果、Googleがどのパッセージをハイライトし、そして使い回すのかが明らかになった」としています。

出発点は、AI Modeの引用リンクをクリックしたときの挙動です。記事は「クリックしてもページの先頭には着地しない。URLにはテキストフラグメント指示子(text-fragment directive)が付いており(末尾が #:~:text=… で終わる)、ブラウザは紫色にハイライトされたパッセージまでスクロールジャンプする」と説明し、「Googleはページを引用したのではない。ページの約117語を引用したのだ」と結論づけています。集計した15,699,298件の引用のうち、47.7%がこのスクロール到達型のハイライトで、残りが通常のリンクだったとしています。

著者はこの発見について、「その数字が『引用される』ということについての私の考え方を変えた。AI Modeの作業単位はURLではない。パッセージだ」と述べ、ページ単位ではなくパッセージ単位で引用を分析すると実行可能なパターンが見えてくる、としています。

詳細①:引用の集中度――80.9%は1回だけ、しかし最多は661回

1,570万件の引用は、270万ページ上の460万件のユニークなハイライトパッセージに解決されたとしています。このうち80.9%のパッセージは1回しか引用されていません。一方で、約2,300件のパッセージは61回以上にわたって再利用されていました。データセット内で最も使い回されたパッセージは、661回引用されていたとしています。

記事はこの分布を「Googleがあるパッセージを信頼したとき、1回引用して終わりにはしない。同じハイライトに何度も何度も戻ってくる。それがこの現象の特徴だ」と表現しています。

重要なのは、この661回が同一クエリの繰り返しではないという点です。最多のパッセージは483種類の異なるクエリにまたがって再利用されていたとしています。事例として、あるノベルティ・販促品の小売事業者では、最も優れた1段落が単一のハイライトから221種類の異なる質問に回答していたこと、また「HOA(米国の住宅所有者組合)のウェブサイトを無料で作る方法」に関する1段落が91種類のクエリで引用されていたことが挙げられています。

著者はここから、「1つの強い段落が、質問の言い回しのクラスタ全体に対するGoogleの定番回答になり得る。これは長年叩き込まれてきた本能を覆すものだ。1つの質問の10通りの言い換えのために、薄いページを10枚作る必要はない。必要なのは、そのすべてに答えられるだけの強さを持った1つのパッセージだ」と述べています。

詳細②:ハイライトの蓄積は「1位表示」と強く相関する

記事は、ページが時間とともに個別のハイライトを蓄積していき、その数が自然検索(オーガニック)の掲載順位と強く相関するとしています。具体的な数値は次のとおりです。ハイライトされたパッセージが1〜4件のページは、オーガニック順位の中央値が11位でした。これに対して21件以上のページは中央値が1位で、うち67%が実際に1位を獲得していたとしています。さらに、100回以上再利用されたパッセージについては、その76%が1位表示のページ由来だったとしています。

ただし著者は因果関係について慎重な姿勢を示しており、「これは相関であって、証明されたメカニズムではない。私もあなたと同じで、Googleの頭の中を見ることはできない」と明記しています。その上で、「AI Modeが依拠するパッセージは、圧倒的に、従来型のオーガニック検索ですでに勝っているページ上に存在している。AI可視性はSEOと別物ではない。SEOの上に積み上がるものだ」と結論づけています。

詳細③:使い回されるパッセージに共通する4つの特徴

引用の件数を数えるだけでは現象の存在しか分からないとして、著者は実際にハイライトされたパッセージ1,000件超を復元したとしています。テキストフラグメントは先頭と末尾の数語しか保持しないため、ライブページを取得して該当箇所を厳密に抽出する作業が必要だったと説明されています。その上で各パッセージの形式と構造を分類した結果、4つの特徴が浮かび上がったとしています。

1つめは、引用されるのは切れ端ではなく段落まるごとだという点です。ハイライトされたパッセージの語数は中央値117語で、複数文からなる完結した回答でした。記事は「AIが一言だけを掴んでいくと想像していたなら、やめたほうがいい。持っていかれるのは段落全体だ」としています。

2つめは、結論を先に述べていることです。抽出されたパッセージの80%が、最初の1文に答えを置いていました。この傾向は著者のクライアントのページでも、ウェブ全体で最も再利用されているパッセージのベンチマークでも同様(81%)に確認され、調査全体で最も一貫したパターンだったとしています。記事は「答えを段落の途中に埋めてしまえば、まず抽出されない」と警告しています。

3つめは、単独で成立していることです。ハイライトされたパッセージの約85%が完全に自己完結していたとしています。「前述のとおり」といった表現もなければ、周囲のページ内容への依存もありません。「文脈の中でしか意味をなさないパッセージは、そこから抜き出すことができない」というのが理由です。

4つめは、質問で始まるパッセージは約2倍再利用されやすいという点です。繰り返し引用されたパッセージのうち48%が明示的な質問で始まっていた(多くは見出しの形)のに対し、1回きりのパッセージでは22%にとどまりました。Q&A形式とハウツー形式が最も再利用率の高い層を占め、物語調の解説記事は再利用が少なく、単独の統計データはクエリをまたいで再利用されることがほとんどなかったとしています。ただし著者は「最も再利用率の高い層はサンプル数が少ないため、正確な比率は方向性を示すものとして扱ってほしい」と注意書きを添えています。

記事は実例として、1位表示のページから158回引用された実際のパッセージを掲載しています。「HOAのウェブサイトを無料で作るには?」という見出しに続けて、WordPress・Wix・Google Sitesといったプラットフォームを使えば実現できること、これらは無料のテンプレートとホスティングを提供していること、まずテンプレートを選ぶところから始めることが書かれた段落です。著者はこれを「見出しがユーザーの実際の質問の文言と一致し、答えは最初の1文に来て、段落は周囲の文脈なしに単独で成立し、そして75〜150語というボリュームがある。何も特別なことはない。ピューリッツァー賞を狙っているわけでもない。ただ、抜き出されるように構造化されているだけだ」と評しています。

背景:スポンサード記事であること、著者が示す推奨アクション

読み進めるうえで前提として押さえておきたいのは、この記事がPillarbaseによるスポンサード記事として掲載されている点です。署名は個人名ではなく「Pillarbase」であり、記事末尾には「本記事で表明された意見はスポンサーのものです。Search Engine Landは上記で提示された結論を確認も否定もしていません」という趣旨の免責が付されています。Pillarbase自身は、AI検索時代に向けて構築されたコンテンツマーケティングプラットフォームであり、オーディエンスが実際に投げかける質問をマッピングし、ピラー&クラスタ型のコンテンツ戦略を構築し、従来の検索順位・強調スニペット・AI引用にまたがってブランドの表示状況を追跡するものだと自己紹介しています。記事の末尾には無料のAI引用レディネスレポートと、完全版の調査レポート(方法論・分布・限界を含む)への導線が置かれています。データは第三者による検証を経たものではないため、数値は自社データに基づく一次情報として、目安の形で受け取るのが妥当でしょう。

その上で記事は、「四半期単位ではなく今週やること」として6つのアクションを挙げています。重要なh2見出しを文字どおりの質問文にすること(「HOAウェブサイトの選択肢」ではなく「HOAのウェブサイトを無料で作るにはどうすればいい?」のように、読者が実際に入力する言い回しを使う)。各質問の直下の最初の1文で答えること、そして続きを読ませるための一行の予告ではなく、75〜150語の完全な段落を書くこと。各回答を自己完結させること(重要な各セクションを文脈から切り離して読み、「上記の手順」への参照や前段の前提に依存していれば、単独で成立するまで書き直す)。引用させたいページではQ&A・ハウツー構造を優先すること(物語調のエッセイにも役割はあるが、それらは1回引用されて忘れられる)。順位争いを続けること(再利用されるパッセージは1位ページに偏在しており、パッセージの構造が抽出をもたらし、権威性が再抽出をもたらす)。そして、ページ単位ではなくパッセージ単位で監査すること(最重要の10ページを取り上げ、各h2セクションを「質問形式の見出し」「答えが先」「自己完結」「完全な段落」の4条件で採点する)。記事は「多くのチームは、自社コンテンツが正しいトピックを扱っていながら間違った形をしていることに気づく。必要なのは書き直しではなく再構成だ」としています。

実務への影響:SEO・PPC・GEO運用のどこに効くか

この分析が実務にもたらす含意は、大きく3つに整理できます。第一に、コンテンツ制作の単位が変わります。従来のSEOでは「1キーワード1ページ」を基本に、言い回し違いのクエリごとにページを増やす設計が取られがちでした。しかし1つのパッセージが483クエリ、221質問、91クエリといった規模で使い回されているのであれば、投下すべきリソースはページ数ではなく、1段落の完成度に向けたほうが効率的だという判断になります。

第二に、既存コンテンツの棚卸しの観点が変わります。記事が挙げる4条件(質問形式の見出し・最初の1文で回答・自己完結・75〜150語の完全な段落)は、いずれも新規制作を伴わずに既存記事の見出しと段落構成を組み替えるだけで満たせるものです。記事自身が「必要なのは書き直しではなく再構成」と述べているとおり、コストの低い施策から着手できます。しかも著者は「同じ再構成が強調スニペット(featured snippets)の獲得にもつながることが多い」としており、AI検索対策と従来のSERP施策が同じ作業に収束する点は運用上のメリットです。

第三に、AI検索対策を従来のSEOから切り離して考える発想が否定されています。ハイライト21件以上のページは順位中央値1位、100回以上再利用されたパッセージの76%が1位ページ由来という数字は、順位を上げる従来型の施策が引き続き土台であることを示しています。GEO(生成エンジン最適化)を独立した予算枠として立てる前に、既存のSEO施策の延長線上でパッセージ設計を組み込むほうが、費用対効果の面では現実的でしょう。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。日本の事業会社では、インハウス担当者が方針を決めて外部の制作会社やライターに執筆を発注する分業体制が一般的です。この体制において「パッセージ単位で勝つ」という考え方は、実は発注仕様書のレベルで実装しやすいものだと考えています。「h2は必ず読者が検索する文言の疑問形にする」「各h2直下の第1文で結論を述べる」「各セクションは前後を読まなくても意味が通るように書く」「回答段落は日本語で200〜400字程度の完結した段落にする」といった条件は、いずれも定量的に検収できる形式要件です。曖昧な「品質」の議論に落ちがちな発注要件を、チェック可能な項目に落とし込めるという意味で、実務上の価値は小さくありません。

一方で、注意すべき点もあります。この記事はPillarbaseというツールベンダーのスポンサード記事であり、記事の結論が同社のサービス訴求と地続きである以上、数値の解釈には一定の割り引きが必要です。著者自身が「相関であって因果ではない」「最上位の再利用層はサンプルが少なく方向性として扱ってほしい」と明記している点は誠実ですが、読者側もそれを額面どおりに受け取るべきでしょう。また、このデータは英語圏のAI Modeを対象としたものであり、日本語のAI Modeやその他のAI検索面で同じ比率が再現される保証はありません。とはいえ「答えを先に書く」「段落を自己完結させる」という原則自体は、言語や検索エンジンを問わず読者にとって読みやすい文章の条件でもあります。自社の主要ページ10本を選び、h2を疑問形にできるか、第1文で答えているかを確認する作業から始めるのが、リスクの低い着手点だと考えます。

まとめ

・PillarbaseがSearch Engine Landに寄稿した記事で、GoogleのAI Modeにおける引用15,699,298件(148業種、1年間)の分析結果が公開された。ただしこれはPillarbaseによるスポンサード記事である

・引用の47.7%はテキストフラグメント付きのスクロール到達型で、Googleが引用しているのはページではなく中央値117語のパッセージだった

・1,570万件の引用は270万ページ上の460万のユニークパッセージに解決され、80.9%は1回きり。一方で約2,300件は61回以上再利用され、最多のパッセージは483種類のクエリで661回引用されていた

・ハイライト1〜4件のページは順位中央値11位、21件以上は中央値1位(うち67%が実際に1位)。100回以上再利用されたパッセージの76%は1位ページ由来で、AI可視性は従来SEOの上に積み上がると結論づけている

・引用されるパッセージの共通点は、中央値117語の完全な段落・80%が第1文で回答・約85%が自己完結・繰り返し引用の48%が質問で始まる(1回きりは22%)の4点だった

よくある質問

Q1: AI Modeが引用しているのはページ全体ではないのですか?

記事によれば、分析対象となった15,699,298件のAI Mode引用のうち47.7%は、URLの末尾にテキストフラグメント指示子(#:~:text=で始まる形式)が付いたスクロール到達型の引用でした。クリックするとページ先頭ではなく、紫色にハイライトされた特定の段落まで自動的にスクロールします。ハイライトされたパッセージの語数は中央値で117語であり、著者は「Googleはページを引用したのではなく、ページの約117語を引用した」として、AI Modeの作業単位はURLではなくパッセージだと述べています。

Q2: 引用されやすいパッセージにはどんな共通点がありますか?

記事は1,000件超のハイライトパッセージを復元して分類し、4つの特徴を挙げています。1つめは切れ端ではなく段落まるごとであること(語数の中央値は117語)。2つめは最初の1文で答えを述べていること(抽出されたパッセージの80%、ウェブ全体の再利用上位ベンチマークでは81%)。3つめは前後の文脈に依存せず自己完結していること(約85%)。4つめは質問で始まっていることで、繰り返し引用されたパッセージの48%が明示的な質問で始まっていたのに対し、1回きりのパッセージでは22%でした。Q&A形式とハウツー形式が最も再利用率の高い層を占めています。

Q3: AI検索対策は従来のSEOとは別に取り組むべきですか?

記事のデータは、両者が分離できないことを示しています。ハイライトされたパッセージが1〜4件のページはオーガニック順位の中央値が11位だったのに対し、21件以上のページは中央値1位で、うち67%が実際に1位を獲得していました。さらに100回以上再利用されたパッセージの76%は1位表示のページ由来です。著者は因果関係ではなく相関であると断ったうえで、「AI可視性はSEOと別物ではない。SEOの上に積み上がるものだ」「パッセージの構造が抽出をもたらし、権威性が再抽出をもたらす」と述べ、順位を上げる従来型の施策を続けることを推奨しています。

出典:What 15.7 million AI Mode citations reveal about getting quoted by Google(Search Engine Land、Pillarbase(スポンサード記事)、2026年7月29日)https://searchengineland.com/what-15-7-million-ai-mode-citations-reveal-about-getting-quoted-by-google-483393

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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