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Perplexityは回答ではなく「ストリーム」に答えがある――16ヘッド分類器・trust注記・YouTube優位をSEJが解析【2026年7月】

Perplexityは回答ではなく「ストリーム」に答えがある――16ヘッド分類器・trust注記・YouTube優位をSEJが解析【2026年7月】

「Perplexityにどうすれば出られるのか」という問いに対して、Suganthan Mohanadasan氏(スガンサン・モハナダサン氏)が、表示された回答ではなくPerplexityがブラウザに流している通信そのもの(ストリーム)を読み解いた調査記事を、Search Engine Journalが2026年7月27日付で掲載しました(原題:How Perplexity Actually Picks Sources (I Read The Stream, Not The Answers))。同氏は自身のログイン済みPerplexity Proアカウントで、回答が描画されている最中のストリームを横取りして解析し、クエリを振り分ける16ヘッドの分類器(classifier)、ドメインごとに書かれた信頼(trust)の注記、そして「取得されたソース」と「実際に引用されたソース」が別物であることを、フィールド名レベルで示しています。本稿では原文の記述に沿って手法と発見を整理し、日本のマーケティング実務でどこから手を付けるべきかを解説します。

何が起きたか:Perplexityの「回答」ではなく「ストリーム」を読んだ調査

Suganthan Mohanadasan氏は、以前に公開したChatGPTの解析記事(ChatGPT teardown)に続く形で、今回はPerplexityを対象に同じ手法を適用したとしています。同氏は記事の冒頭で、「Perplexityにどうすれば出られるのか」という質問に返ってくる答えが「信頼できるソースになれ、引用を獲得しろ、Redditをやれ」といった漠然としたものばかりであると指摘し、「同じ手口、違うエンジン(“Same play, different engine”)」だと述べています。

そこで同氏が行ったのが、自身のログイン済みPerplexity Proアカウントで、返信がまだ描画されている最中に、Perplexityがブラウザへ流している内容を読むという検証です。同氏は冒頭で、ChatGPTとの決定的な違いを1つ挙げています。ChatGPTでは完了した会話をAPI経由で後から取得して落ち着いて読めるのに対し、Perplexityではそれができない、という点です。「回答は終わった瞬間に消えるライブストリームであり、再取得しようとするとエラーが返るだけ(“The answer is a live stream that’s gone the moment it finishes, and trying to re-fetch it just throws an error.”)」としています。

検証手法:再生できないSSEストリームをfetchフックで横取りする

記事によれば、Perplexityの回答はServer-Sent-Events(SSE、サーバー送信イベント)のストリームとして届きます。具体的には「/rest/sse/perplexity_ask」への「POST」リクエストで、「content-type: text/event-stream」が返る通信です。完了したSSEのボディは再生(リプレイ)できないため、終わってから読むことはできず、もう一度要求してもテキストではなく中断されたリクエストが返ってくる、と説明されています。

そのため同氏は、送信(エンター)を押す前に「window.fetch」をフック(上書き)し、レスポンスを複製(clone)して、届く端から複製側を読むという方法を採りました。ストリームの中身は「進行中の全状態スナップショットの連続(“a run of progressive full-state snapshots”)」で、各イベントが成長中の回答オブジェクトのほぼ完全なコピーになっており、1つの回答が終わる頃には200件超のイベントで約1MBまでバッファされるとしています。解析すべきは終端の完了マーカーではなく、末尾付近にある最大の「data:」ブロックだと明記されています。

同氏は再現時の「行き止まり」も共有しています。自動化した隔離Chromeは数クエリでCloudflareに強制ブロックされ「人間であることを確認しています」のループが延々と回るため、実際のセッションを持つ普段使いのChromeを使うこと。キープアライブ用のping系ストリームも同じevent-streamで決して閉じないため、来ることのない完了フラグを待ち続けないこと。狙うべきは「classifier_results」フィールドを実際に持つスナップショットである、としています。加えて7月時点のビルドでは回答用のソケット自体が回答完了後も閉じずに静かに開いたままになるため、ストリームの終了を待つスクリプトは永遠に待つことになり、これが6月から7月の間に同氏の初期キャプチャスクリプトを壊した原因だったと書かれています。なお、通信をWireshark(ワイヤーシャーク)で追う方法は、ボディがTLSで暗号化されているため断念したとしています。

判明した挙動①:16ヘッドの分類器がスコアごとブラウザに届く

同氏が「キャプチャ全体で最良のもの(“the best thing in the whole capture”)」と評しているのが、ChatGPTには存在しない分類器の露出です。Perplexityは検索を実行する前にクエリを分類器にかけ、その採点表(スコアカード)を丸ごと「classifier_results.mhe_predictions_full」というフィールドでブラウザに送っている、としています。判断結果だけでなく、計算過程そのものが届くという意味です。

ヘッドは16個あり、天気、場所、ショッピング、動画、画像生成、金融カードなど、起動し得るウィジェットや意図に対応します。各ヘッドは確率、発火に必要な固定しきい値(threshold)、そしてtrue/falseを持ち、その上に「domain_subdomain」というPerplexityのトピック分類ラベルが乗ります。例として挙げられた「explain the TLS handshake like I’m five(TLSハンドシェイクを5歳児に説明して)」というクエリでは、ラベルがTECHNOLOGY/CYBERSECURITYで確率0.727。ウィジェット系のヘッドはすべて基準を下回り発火せず、最も惜しかったのが「image_preview」の0.318(しきい値0.42)で、画像ストリップがあと一歩で表示されるところだったと解説されています。

しきい値は動かないというのが同氏の観察です。6月の7クエリすべてで同一であり、26日後の別ビルドでも同一だったため、「クエリごとの気分ではなく本物の決定境界(“the real decision boundary, not a per-query mood”)」だとしています。原文が列挙したしきい値は、image_generation が0.98、skip_personal_search が0.95、places_search_intent が0.85、shopping_intent が0.80、time_widget が0.80、finance_agent が0.70、finance_widget が0.53、video_preview が0.50、image_preview が0.42、weather_widget が0.40、calculator_widget が0.30です。

一方でトピックラベルはクエリに応じて動きました。「best AI SEO tools 2026」はTECHNOLOGY/ARTIFICIAL_INTELLIGENCEで0.86、「Ahrefs vs Semrush」はBUSINESS/DIGITAL_MARKETINGで0.94(検証中で最も自信の高い判定)、ニュース系の「latest Google algorithm update」はTECHNOLOGY/INTERNET_TECHNOLOGIESで0.49と最も低く、「ニュースは単一のきれいなトピックに収まりにくいため」だと説明されています。

判明した挙動②:ドメインに「credible」「trusted」の注記が付き始めた

6月のキャプチャでは、ストリームのどこにも信頼シグナルはありませんでした。さらに古い無料プランのキャプチャでは各ソースに空の「trust」フィールドが付いており、ビルド「7fe6ad4」ではそのフィールド自体が消えていたとしています。同氏は当初「ソース単位の品質シグナルはブラウザに届かない。ソースのランキングはサーバー側で不可視である」という否定的な結論を書いていたと明かしています。

ところが2026年7月21日にビルド「df49f17」で再取得したところ、フィールドが値入りで復活していました。原文が示した実例は、パンク修理(flat tyre)のキャプチャでdiscounttire.comに付いていたもので、level が1、name が「credible」、description が「is credible for first-party information about Discount Tire’s U.S. tire and wheel retail stores, services, warranties, and related offerings.(Discount TireのUS国内のタイヤ・ホイール小売店舗、サービス、保証、および関連する提供内容に関する一次情報について信頼できる)」という内容です。

同氏が確認したのはlevel 1の「credible」とlevel 2の「trusted」の2階層で、後者はgoodyear.euに付き「trusted for official Goodyear tyre product information(Goodyearの公式タイヤ製品情報について信頼できる)」としてEMEAおよびフリート事業まで及んでいたとしています。重要なのは、descriptionがスコアではなく「そのドメインが何について信じてよいか」を述べた文章である点です。caranddriver.comは「long-established, professionally edited(長年の実績があり専門的に編集された)」自動車報道について、aaa.comは「official information about AAA’s own membership services(AAA自身の会員サービスに関する公式情報)」について、それぞれcredibleとされています。同氏は「捉えたエントリはすべて同じ一次情報(first-party)の形をしている。ドメインは自社の製品・サービス・領域について信頼されるのであって、一般的に信頼されるわけではない」と述べています。

カバー範囲にも特徴があります。ハウツーの検証では15ソース中6つにtrustエントリが付いており、それらはRAC、AAA、Goodyear、Car and Driverといった大手の公式ドメインでした。6件のYouTube結果には何も付かず、ローカル検証の15ソース(すべて小規模な編集系サイト)にも一切付いていません。同氏はこれを「ウェブの上位から下方向へ展開中のキュレーション済みレジストリ(登録簿)のように見える。URLごとにその都度計算されたスコアではない」と評しています。ただし注意点として、trustエントリが無くても回答から締め出されるわけではないこと(YouTubeはtrustオブジェクトを持たないまま、そのクエリの引用40件中14件を獲得している)、そしてこのフィールドが約2か月・3ビルドの間に「存在するが空」「消滅」「値入りで復活」と変転しているため、階層名や文言は展開途中のスナップショットとして扱うべきであることを挙げています。

判明した挙動③:検索は必ず走り、ファンアウトは浅い

ChatGPTの解析で最も有用だった発見は、ハウツーや定義系のクエリが「text」バケットに振り分けられると学習済みの知識だけで回答され、そもそも検索が走らない(=どのページも入り込む余地がない)ことでした。Perplexityはこれをしない、と同氏は明言しています。検証した7クエリすべてで「skip_search」はfalseであり、ChatGPTがネットワークタブを空のまま記憶から答えた「how do I change a flat tyre step by step(パンクしたタイヤの交換手順)」でさえ、Perplexityはウェブにアクセスしていました。

代わりにPerplexityが行うのは、静かにモードを切り替えることです。このパンク修理のクエリは通常検索としては走らず、「model: pplx_study」「search_mode: STUDY」というStudyモード(段階的に教えるモード)にエスカレーションし、その上に動画の回答タブを立てていました。同氏は「ChatGPTは既に知っていると判断してドアを閉じた。Perplexityは教えると判断して動画を開いた」と対比しています。7月のビルドで同じクエリを再実行しても、同じエスカレーションと動画タブが再現し、動画ヘッドは0.988だったとしています。

実行される検索そのものも、「final.text」内のステップログとしてストリームに書き込まれています。原文が示した形は「INITIAL_QUERY → SEARCH_WEB { engine: web, query: “…”, limit: 8 } → SEARCH_RESULTS → FINAL」で、7クエリ中6件はこれで全工程が終わり、入力にほぼ忠実なクエリで「SEARCH_WEB」を1回走らせて回答していました。「best AI SEO tools 2026」はそのままの文字列でウェブに投げられて10件が返り、「Ahrefs vs Semrush」も無加工でした。ChatGPTが1つの比較クエリをおよそ40のサブクエリに膨らませ、こちらが言及していないツール名まで追いかけたのとは対照的で、Perplexityは「タイプした文字列そのもの」を検索していた、というのが同氏の整理です。

ただし7月の再検証では変化も見られました。ビルド「df49f17」で商用クエリを再実行すると、1つのステップに3本のクエリ(そのままの文字列+近接する2つの変種)が入り、うち1本は「AI SEO tools Dubai pricing」と、同氏の所在都市がそのまま展開に折り込まれていたとしています。同氏はこれを「ファンアウトは6月よりわずかに広がり、しかもパーソナライズされている。それでもChatGPTの40クエリのブランド注入とはまったく別の競技であり、先頭のクエリは依然としてあなたの文字どおりの表現のままだが、『ほとんど書き換えない』は『控えめに書き換える』へと漂流しつつある」と表現しています。

判明した挙動④:retrieved(取得)とcited(引用)は別物、勝者はインテントで入れ替わる

同氏は、ソースに起こることは2種類あり、それらは同じではないと強調します。retrieved(取得)は「web_results」に返ってきた=候補集合に入ったことを指し、cited(引用)は回答本文中でクリック可能な脚注として「[N]」のマーカーを獲得したことを指します。「取得されたが引用されないページは大量にあり、その差分こそがGEO/AI SEOの居場所だ」としています。

商用クエリ「best X 2026」では10件が取得され6件が引用されました。勝ったのは当年表記の新しいリスティクル(まとめ記事)と中堅のSEOブログで、原文が挙げた内訳はonelittleweb.comが36回、eesel.aiが34回、vezadigital.comが24回、seranking.comが16回、manysphere.comが8回、linkedin.comが2回の引用です。一方、大手ブランドのページであるsemrush.comとdesignrush.comは取得されたものの一度も引用されませんでした。同氏は「ここではブランドの大きさがゲートではなく、鮮度と『best [カテゴリ] [年]』のリストに入っていることがゲートだ」としています。

比較クエリ「X vs Y」の結果を、同氏は「ほとんど笑える」と書いています。「Ahrefs vs Semrush」で最も引用されたドメインは、ahrefs.com自身の2つのURLで計18回。ベンダー自身の比較ページが比較クエリを制していました。よく知られたBacklinkoのAhrefs対Semrush記事も、Redditのスレッドも、取得はされたが引用は一度もなしです。

ニュースクエリ「latest X」では10件取得のうち引用は3件のみで、その3件はすべてGoogle自身のプロパティでした。status.search.google.com(Search Status Dashboard)が12回、developers.google.com(Search Central のドキュメント)が6回、blog.googleが4回です。3日前の記事だったsearchengineland.comは取得されたのみで引用されず、searchenginejournal.comも同様でした。同氏は「ニュースでは公式の一次情報が勝ち、鮮度だけでは勝てない。他社が自社ニュースを自ら発表したものに勝つことはできないのだから、自社のチェンジログとステータスページを持ち、一次情報に勝とうとするのをやめるべきだ」としています。

そして同氏が「大きなやつ(“The Big One”)」と呼ぶのが、YouTubeとRedditの立場が入れ替わる現象です。ChatGPTはRedditを引用しYouTubeをほとんど引用しません。YouTubeのページを取得してもメタデータしか得られず文字起こしが手に入らないため、引用を結び付けるテキストが存在しないからです。Perplexityはその正反対で、「best noise-cancelling earbuds under $150(150ドル以下のノイズキャンセリングイヤホン)」では10件取得のうち引用は2件、その2件がYouTubeとニッチなイヤーピースブランドのレビューページで、いずれも38回ずつの引用でした。3つの別々のRedditスレッドは候補集合に返ってきたにもかかわらず一度も引用されず、zdnet.comも同様です。パンク修理のハウツーでは、YouTubeが3本の動画で計22回引用されています。同氏はその仕組みを「Perplexityは動画を引用する。ChatGPTにはできなかった」と単純明快に説明しています。

判明した挙動⑤:ローカルはマップインデックス、Deep Researchは全文精読

同氏が「ロケーション商売のクライアントなら提案書の1枚目に置く」と述べているのがローカルの結果です。「best specialty coffee shops near DIFC Dubai」では「places_search_intent」がしきい値0.85に対して0.996で発火し、検証中で最初に発火したウィジェットヘッドとなりました。これが2ラウンドのファンアウトを起動します。ラウンド1は通常のウェブ検索(engine=web)で10件のウェブ結果、ラウンド2はエンジンが「map」に切り替わり、直前に見つけた具体的な店名を、通常の「web」ではなく「meta_data.client: “search_api_local”」という別の取得チャネルで検索していました。

取得された15ソースのうち引用は5件で、その5件すべてがローカルAPI由来の店舗そのもの(place-entity)であり、それぞれ8回ずつ引用されています。ラウンド1で返ってきた「best coffee in Dubai」系の編集記事10本(traveltodubai、tripadvisor、wheretoeatdubaiなど)は、一度も引用されませんでした。なお6月のキャプチャでは、引用された店舗リンクの外部URLに「?ct-referrer=perplexity」というパラメータが付いており、ChatGPTの「?utm_source=chatgpt.com」に相当するものだとして、アナリティクスでフィルタを作る価値があるとしています(ただし7月の再実行では店舗リンクが1つも描画されず再確認はできなかったと断っています)。

その7月の再実行が、逆に教訓を鋭くしました。同じクエリで場所ヘッドは同じ0.996、しかもマップエンジンの順番が繰り上がり、ウェブ検索の後ではなく先に3つの書き換えバリエーションで実行されています。ところがそのセッションはPerplexityに位置情報を共有しておらず、6月以降に追加された「Places」タブは「No places match this query(このクエリに一致する場所はありません)」を返し、店舗エンティティが1つも結び付きませんでした。引用先が無くなった結果、引用はラウンド2のウェブ結果、すなわち6月には無視されたのと同じ種類のリスティクル(wanderlog、novacircle、brewatlas、difc.com)に丸ごと落ちています。同氏はこの2回で挙動が挟み撃ちにできたとし、「場所インデックスが機能するときは店舗が引用を総取りし、リスティクルは眺めるだけ。機能しないときはリスティクルが回答を丸ごと相続する」とまとめています。

もう1つ、通常のPro検索とは別物なのがDeep Research(ディープリサーチ)モードです。作成欄をSearchからDeep Researchに切り替えると「pplx_alpha」というモデルと対話することになり、挙動がまったく異なります。同氏がキャプチャした実行は181秒(通常検索は15〜30秒)かかり、レポートを書きながら流すためストリームは約30MBに膨らみました。ステップログの語彙も豊かになり、「INITIAL_QUERY → LOAD_SKILL { research } → SEARCH_WEB (3 queries) → SEARCH_RESULTS → GET_URL_CONTENT (reads 2 pages in full) → THOUGHT ×3 → RESEARCH_ANSWER → FINAL」という流れが観測されています。

ここで同氏が注目するのは3点です。第1に「LOAD_SKILL {skill_names:[“research”]}」という名前付きスキルの読み込みがそのままストリームに現れており、Perplexityのエージェント構成が通信上に見えていること。第2に、再構成された検索はおよそ3本しか走らず、ChatGPTのThinkingモデルが放つ40本には遠く及ばない=ファンアウトは控えめであること。第3に、通常検索が決してやらないこと、すなわち「GET_URL_CONTENT」で選び抜いた2〜3本のURLを呼び出し、スニペットではなくページ本文の全体を読むことです。この最後の工程が回答を決めており、15件取得のうち引用は4件、全文取得されたページが支配的でした。1本の比較記事superframeworks.comだけで30個の引用マーカーのうち20個を獲得しており、回答の3分の2が「ちゃんと読むと決めたページ」から来ていたとしています。

背景:調査の前提と、著者が「見えなかった」と明言していること

同氏はこの調査の適用範囲を、記事の前半で明確に区切っています。1人・1つのログイン済みPerplexity Proアカウント・ビルド「7fe6ad4」で、取得日は2026年6月25日。計8キャプチャ、7種類のクエリタイプ(情報収集、商用、比較、ニュース、ローカル、ショッピング、ハウツー)にDeep Research 1回を加えたもので、地域はドバイの単一ユーザーです。公開前の2026年7月21日にビルド「df49f17」で3件のスポットチェックを再実行しており、これはおよそ4週間と複数ビルドを挟んだ時点にあたります。

その上で同氏は、結論を2つの山に分けて混ぜないという方針を掲げています。「構造的事実(高確度)」は、フィールドが存在し、その名前がこれである、という通信から直読した情報で、分類器のスコアカード、ステップログ、「meta_data.client」チャネル、trustのスコープ注記、Studyモードへのエスカレーション、プライバシーの既定値などが該当します。1回のきれいなキャプチャで各々が証明でき、逆にプロンプトを使った研究がどれだけ大規模でもこれらは見えない(回答には届かないため)としています。もう一方の「頻度の観察(方向性のみ)」は数字を伴うすべてで、「7クエリ中6件が単一検索」「YouTubeが38回引用された」といったものは、1アカウント・1都市・自分が選んだクエリという条件下の少数データであり、「測定値ではなく形として読め」としています。

見えなかったものについても率直です。ワイヤー上にランキングスコアは依然として存在せず、7月のtrust階層はPerplexityがランキングらしきものを露出させた史上最も近い例ではあるものの、回答内でソース1をソース2の上に並べる数値は無く、ハウツー検証で最も引用されたソースにはtrustエントリすら付いていませんでした。取得集合を並べ替えている何かはサーバー側に留まっており、同氏は「リバースエンジニアリングした『Perplexityのランキング要因』を売り込んでくる人間は、いまだに推測しているだけだ」と述べています。ベンダー名も出ません。ChatGPTは各結果に取得を担ったスクレイパー名(bright、oxylabs、serp、labrador)を刻んでいましたが7月21日にOpenAIがそのフィールドを削除し、Perplexityはそもそも相当するものを露出したことがなく、「web」または「search_api_local」という自社内部APIのチャネル名しか教えないとしています。

あわせてプライバシーに関する訂正も入っています。以前の無料プランでの記述ではURLを知る誰もが読める状態だと書いたが、ログイン済みProアカウントではそれは誤りで、スレッドの既定は「PRIVATE_READ」であり、世界中から読める挙動はログアウト状態の産物だった、としています。ショッピングについても未解決だと明言しており、イヤホンのクエリで「shopping_intent」は基準を余裕で超える0.996で発火したのに、製品ウィジェットも価格ウィジェットも一度も描画されなかった、地域制限(同氏はUAE在住)か、より強い購買意図が必要なのか、1クエリでは判断できないとしています。さらに未検証の大きな領域として、6月時点でDeep Researchが「RUN_QUERY_IN_COMPUTER」というプロンプトでComet「Computer」エージェントへ誘導していたものが、7月には作成欄でSearchと並ぶ一級のモードに昇格していることを挙げ、これは取得パイプラインではなくタスク実行エージェントなので別途の研究対象だとしています。

実務への影響:SEO・PPC・GEO運用のどこに効くか

原文が各セクションの末尾に置いている「GEO/AI SEOの打ち手」を、日本の実務に落とすと優先順位は次のように整理できます。まず、自社の重要クエリがどの分類ラベルとどのヘッドを引くのかを読むことです。「〇〇 近く」「〇〇 おすすめ 店」のような検索は場所のしきい値を超えてマップの勝負になり、青いリンクの勝負ではなくなります。ハウツーは動画タブを引きます。つまり施策を始める前に「自分がどのゲームをしているか」を確認でき、それを推測ではなくスコアカードで読める、というのが同氏の主張です。

次に、Perplexityは必ず検索するため「どのクエリも取りに行ける」という構造的な優位があります。ChatGPTではハウツーが開かずの箱になり得るのに対し、Perplexityでは同じハウツーがページ枠と動画枠の2つを持つライブ検索になります。したがって、手順解説や定義解説のコンテンツを持つ事業者にとってPerplexityは相対的に投資対効果が読みやすい面があります。

3点目は、クエリの文字どおりの表現に最適化することです。Perplexityは入力された文字列を先頭に据え、拡張は控えめで、周辺の話題から勝手に自社を見つけてくれることはありません。ChatGPTのようにクエリを膨らませてくれる分だけ周辺ページにも拾われる余地がある、という前提はここでは通用しないため、実際に人が打ち込む語での完全一致に近い関連性が、ChatGPTよりも効きます。

4点目はコンテンツ形式の配分です。商用クエリでは「best 〇〇 2026」型の当年表記リスティクルへの掲載と、その日付の更新維持が効きます。比較クエリでは、自社の正直な比較ページを自ら公開することが有効です(名指しされたベンダー自身のページが引用された事実がある)。ニュース系では自社のチェンジログやステータスページを一次情報として整えるほうが、他社ニュースの解説記事を量産するより合理的です。そして、Redditに全張りしてきた運用はPerplexityには移植できず、ハウツーと製品クエリでは動画を作ることが引用の実務になります。日本のマーケティング現場ではYouTube施策とSEO施策が別部署・別代理店に分かれていることが多いため、GEO予算の配分を見直す論点になります。

5点目はローカルです。「近く」の検索でPerplexityに出るには、まずマップとローカルのインデックスに入っていること、すなわちGoogleビジネスプロフィール(GBP)と、自社サイトが場所として索引されていることが先で、リスティクル掲載は場所インデックスが機能しなかった場合の予備枠として位置付けるべきだ、というのが原文の結論です。最後にDeep Research対策として、2〜3本の自然な言い換えクエリで取得集合に入りつつ、そのトピックで最も網羅的で構造の良いページになること。この1モードだけはスニペットでは救われず、本文の厚みが効きます。なお、Perplexity経由の流入は「?ct-referrer=perplexity」でアナリティクス側にフィルタを用意しておくと計測できます。

所感

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。今回の調査で最も価値があるのは、個別の数字ではなく「Perplexityは分類器の採点表をブラウザに渡している」という構造的事実だと考えています。原文自身が数字を「測定ではなく方向」と繰り返し断っているとおり、1アカウント・8キャプチャという規模でランキング要因を語ることはできません。それでも、しきい値が26日と複数ビルドをまたいで1桁も動かなかったという観察は、少なくとも「どの面(サーフェス)で戦うか」の判定が安定していることを示唆しており、施策設計の起点としては十分に使えます。

日本の事業会社では、インハウス担当がSEO、代理店がリスティング、別のパートナーがYouTubeという分業になっていることが珍しくありません。今回の内容は、その分業のままではPerplexity上の可視性を取りこぼす可能性が高いことを示しています。ハウツーや製品比較のように「動画枠とページ枠が同時に立つ」クエリでは、記事とYouTubeを同じキーワード設計で同時に用意した側が両方の枠を取れる余地があるためです。まずは自社の主要クエリを7種類のタイプに仕分けし、どれが動画・マップ・画像のどの面を引きそうかを机上で分類するだけでも、施策の優先順位は変わってくるはずです。

一方で、原文のtrustフィールドを過度に信仰することは推奨しません。2か月・3ビルドで「空→消滅→値入り」と変転しているフィールドであり、同氏自身が「安定したAPIではなく、展開途中のシステムのスナップショットとして扱え」と釘を刺しています。実務として持ち帰るべきは、階層名そのものではなく、記述されているのが「そのドメインが一次情報として何を持っているか」という点です。自社の製品仕様、料金、実績データ、サポート範囲、更新履歴を、他所の引用ではなく自社ドメインで明快に言い切っておくことは、trustフィールドの行方にかかわらず無駄になりません。

まとめ

・Suganthan Mohanadasan氏がPerplexityの回答表示ではなく、ブラウザに流れるSSEストリームをfetchフックで捕捉して解析した調査を、Search Engine Journalが2026年7月27日付で掲載した

・Perplexityは検索前に16ヘッドの分類器を走らせ、その全スコアカードを「classifier_results.mhe_predictions_full」でブラウザに送っており、しきい値は26日・複数ビルドをまたいで変化しなかった

・7クエリすべてで「skip_search」はfalseで必ず検索が走り、ハウツーはStudyモード(pplx_study)へエスカレーションして動画タブを立てた。ファンアウトは既定で1ラウンド・ほぼ入力どおりの文字列

・取得(retrieved)と引用(cited)は別物で、商用は当年表記のリスティクル、比較はベンダー自身の比較ページ、ニュースはGoogle自身のプロパティが引用を取り、ChatGPTと逆にYouTubeが引用されRedditは取得されても引用されなかった

・ローカルは場所エンティティが結び付けば店舗が引用を総取りし(結び付かない7月の再実行ではリスティクルが総取り)、Deep Researchは2〜3本のURLを全文取得してその1本が引用の大半を占めた

よくある質問

Q1: 今回の調査はどのような方法で行われたのですか?

Suganthan Mohanadasan氏が、自身のログイン済みPerplexity Proアカウントで、回答が描画されている最中にPerplexityがブラウザへ流しているServer-Sent-Events(SSE)のストリームを解析しました。完了したSSEのボディは再取得できずエラーになるため、送信前に「window.fetch」をフックしてレスポンスを複製し、届く端から読むという手順です。取得は2026年6月25日にビルド「7fe6ad4」で計8キャプチャ(7種のクエリタイプ+Deep Research 1回)、公開前の7月21日にビルド「df49f17」で3件を再検証しています。1アカウント・ドバイの単一ユーザーという条件のため、同氏は数値を「測定ではなく方向」として扱うよう明記しています。

Q2: Perplexityはどのようなページを引用しやすいのですか?

記事によれば、引用されやすいページはインテントによって入れ替わります。商用クエリでは当年表記の新しいリスティクルと中堅ブログが引用され、大手ブランドページは取得されても引用されませんでした。比較クエリではベンダー自身の比較ページ(ahrefs.comが計18回)が最多、ニュースクエリでは引用3件すべてがGoogle自身のプロパティでした。ハウツーや製品クエリではYouTubeが引用され、Redditは取得されても引用されていません。ローカルでは場所エンティティが結び付く限り店舗が引用を総取りし、Deep Researchでは全文取得された1本の網羅的なページが引用の大半を占めました。

Q3: 日本の担当者はまず何から着手すべきですか?

原文の打ち手に沿えば、まず自社の重要クエリがどのラベルとどのヘッド(場所・動画・画像など)を引くかを把握し、競う面を確定することです。次に、Perplexityは入力された文字列をほぼそのまま検索するため、実際に打ち込まれる表現での関連性を高めます。その上で、商用は当年表記のリスティクル掲載、比較は自社の比較ページ公開、ニュースは自社のチェンジログやステータスページの整備、ハウツーと製品は動画の用意、ローカルはGoogleビジネスプロフィールと場所としての索引を優先します。Deep Research対策としては、そのトピックで最も網羅的で構造の良いページになることが有効です。流入計測には「?ct-referrer=perplexity」のフィルタが使えます。

出典:How Perplexity Actually Picks Sources (I Read The Stream, Not The Answers)(Search Engine Journal、Suganthan Mohanadasan氏、2026年7月27日)https://www.searchenginejournal.com/how-perplexity-actually-picks-sources-i-read-the-stream-not-the-answers/583769/

scale-basics編集部
監修

scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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