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GoogleのAI機能オプトアウトが「トップニュース」枠を奪う可能性――NewzDashが指摘【2026年7月】

GoogleのAI機能オプトアウトが「トップニュース」枠を奪う可能性――NewzDashが指摘【2026年7月】

Googleが「トップニュース(Top Stories)」のカルーセルを、ページ下部の独立したモジュールとしてではなく、AI Overviews(AIによる概要)の内側に表示するケースが増えていると、Search Engine Journal(Matt G. Southern氏、2026年7月28日付)が報じています。ニュースパブリッシャー向けに可視性トラッキングを販売するNewzDashの計測データが元で、同社創業者兼CEOのJohn Shehata氏は、Search ConsoleでAI機能のオプトアウトを設定したパブリッシャーは、この内側のカルーセルからも外れる可能性があると指摘しています。AI利用を拒否するか、ニュース検索での露出を守るか――報道の対象がコンテンツの利用可否から「見出しそのものの掲載可否」へと広がりつつある論点を整理します。

何が起きたか:トップニュース枠がAI Overviewsの内側に移りつつある

Search Engine Journalの記事(見出し:「AI Opt-Out May Cost Sites A Google Top Stories Spot(AIのオプトアウトが、Googleのトップニュース掲載枠を失わせるかもしれない)」)によると、Googleはトップニュースのカルーセルを、ページの下の方に独立したモジュールとして表示するのではなく、AI Overviewsの内側に配置してきているとされています。根拠となっているのは、ニュースパブリッシャーに可視性トラッキングを販売する企業であるNewzDashが公開した計測データです。

同社が追跡したニュース検索のうち、Googleがそもそもトップニュースを表示していたケースを母数にすると、米国では15.5%、英国では17.46%で、カルーセルがAI Overviewsの内側にあったとされています。両国ともエンターテインメント分野が最も高い比率でした。ただしSearch Engine Journalは、このレポートについて「サンプルがどれくらいの規模だったのか、どれだけの検索を対象にしているのか、データがいつのものなのかを示していない(“The report does not say how big the sample was, how many searches it covers, or when the data is from.”)」と、データの限界も明記しています。

重要なのは、この2つの表示形式が併存していない点です。記事は「掲載枠は2つではなく1つである。NewzDashが追跡した結果の中で、両者が同時に現れたことはなかった(“It is one placement rather than two. The two never appeared together in the results NewzDash tracked.”)」としています。レポートを執筆したNewzDash創業者兼CEOのJohn Shehata氏は、AI Overviews内のカルーセルをページ上の「より良い位置(a better spot on the page)」と評していますが、2つの表示形式でクリック数を比較したデータはまだ存在しないと記事は補足しています。

詳細①:AI機能のオプトアウト設定と「掲載枠が消えるかもしれない」という読み

記事によれば、GoogleのSearch ConsoleにあるAI機能のオプトアウト設定(opt-out setting)はAI Overviewsを対象範囲に含んでおり、Googleはこの設定を6月17日から考慮に入れ始めたと説明しています。テストは英国のサイト運営者の一部を対象に開始され、ヘルプページは現在、この制御機能がサイト運営者の一部に順次展開されている(rolling out to a subset of website owners)と記載しているとされています。

Shehata氏は、オプトアウトしたパブリッシャーはAI Overviews内のトップニュースカルーセルからも脱落することになる、と読んでいます。理由は、そのカルーセルが「設定の対象となっている機能の内側に表示される、パブリッシャーへのリンクの集合」だからです。ただし同氏はこれを、証明された結果ではなく確度の高い解釈である(“a high-confidence read rather than a proven result”)と位置づけており、NewzDashとしてこの仮説を検証する予定だと述べています。

Googleはこの点について、どちらとも明言していません。記事は、Googleのヘルプページがオプトアウトしたサイトのリンクとコンテンツは対象機能に表示されなくなる(“will not appear in the covered features”)と記し、他サイトのコンテンツは引き続きそこで利用可能だと述べている一方で、「Googleはこのルールを機能全体に対して書いており、その内側にある部品に対しては書いていない。だからカルーセルがどうなるのかについては一切言及していない(“Google writes the rule for the whole feature, not for the parts inside it, so it never says what happens to the carousel.”)」と指摘しています。つまり、現時点では公式の答えが存在しない空白地帯だということです。

詳細②:Google-Extendedは検索のオプトアウトではない

Shehata氏は、パブリッシャーが2つの制御手段を混同していると書いています。1つはGoogle-Extended、もう1つが前述のSearch Console上のAI機能オプトアウトです。この2つは効く対象がまったく異なります。

記事によれば、Googleのクローラー解説ページは、Google-Extendedがクロールしたコンテンツを将来のGeminiモデルの学習に使うかどうか、またGemini Apps上やVertex AIの「Grounding with Google Search(Google検索によるグラウンディング)」を通じた回答の根拠付けに役立てるかどうかを制御するものだと説明しています。そして同じページが、Google-ExtendedはそのサイトがGoogle検索に含まれるかどうかには影響しないと明記しているとされています。

したがって記事は、Google-Extendedをブロックしただけでは、そのパブリッシャーをAI Overviews、AI Mode(AIモード)、そしてトップニュースのどちらの掲載形式からも締め出すことにはならない(“Blocking it, by itself, does not keep a publisher out of AI Overviews, AI Mode, or either Top Stories placement.”)としています。AI学習への利用を拒否したつもりでも、検索結果側のAI体験には引き続き自社コンテンツが使われている――この構図を理解しないまま「対策済み」と考えているパブリッシャーが少なくない、というのがShehata氏の問題提起です。

背景:判断のコストが上がり、しかも見えにくくなっている

記事は「Why This Matters(なぜこれが重要なのか)」という見出しで、この件の意味合いを整理しています。これまでオプトアウトを巡る議論は、あくまでコンテンツの問題でした。すなわち、読者が本来クリックして訪れたはずの疑問に答えるために、Googleが報道機関の成果物を使ってよいのかどうか、という論点です。

ところが今回のNewzDashのデータは、「見出しそのものを同じスイッチの上に載せた(“NewzDash’s data puts the headlines themselves on the same switch.”)」と記事は表現しています。カルーセルがAI Overviewsの内側に現れるとき、パブリッシャーがオプトアウトする対象の機能は、そのパブリッシャーの見出しが置かれている場所そのものでもあるからです。

さらに厄介なのは、そのコストが見積もれないことです。記事は「それは選択のコストを変えてしまうが、そのコストを見えやすくはしてくれない(“That changes what the choice costs without making the cost easy to see.”)」とし、Googleが設定を機能全体に対して定義しており、その内側にあるカルーセルがどうなるかを述べていない以上、「今週この判断を下そうとしている報道機関は、AIによる要約への確固たる反対と、量の分からないニュース可視性の損失とを天秤にかけることになる(“A newsroom deciding this week is weighing a firm objection to AI summaries against an unknown amount of lost news visibility.”)」と書いています。

今後の見通しについても記事は触れています。Googleは、検索を作り込んでいく過程でこの設定が対象とする機能のリストを追加していく見込みだとしており、そのため現在名指しされている3つの機能が、後になっても全てとは限らないとされています。対象範囲は時間とともに狭まるのではなく広がっていく、という方向性です。一方で、この設定が現時点で影響するのは、機能が展開済みの一部のサイトに限られるとも記事は付け加えています。

実務への影響:SEO・PPC・GEO運用のどこに効くか

まず押さえるべきは、社内で「AI対策」と呼ばれている設定が、実際には何に効いているのかを取り違えないことです。記事が整理しているとおり、Google-ExtendedはGeminiモデルの学習や、Gemini Apps・Vertex AI経由の回答の根拠付けに関わる制御であり、Google検索への掲載可否には影響しません。robots.txtでGoogle-Extendedを拒否しただけで「自社コンテンツはAIに使われていない」と社内報告している場合、Search Console側のAI機能オプトアウトとは別物である点を、まず認識合わせしておく必要があります。

次に、オプトアウトを検討する際の意思決定の設計です。今回の報道が示しているのは、オプトアウトの是非がもはや「AIに要約されるかどうか」だけの問題ではなく、ニュース系の検索結果でどこに自社の見出しが並ぶかにも関わり得る、という点です。記事はGoogleが公式には何も述べていないことを繰り返し強調しており、Shehata氏の見立ても本人が「証明された結果ではない」と断っています。したがって実務側の対応としては、断定的な結論に飛びつくのではなく、自社サイトにこの設定が展開されているかを確認したうえで、仮にオプトアウトした場合に失う可能性のあるトラフィックの規模を、あらかじめ試算しておくのが現実的です。

報道系・オウンドメディア系のコンテンツを持つ事業会社であれば、Search Consoleの検索パフォーマンスで、ニュース性の高いクエリからの流入がサイト全体のどの程度を占めているかを切り出しておくと、判断材料になります。トップニュース枠に依存している比率が高いサイトほど、オプトアウトの機会損失は大きくなります。逆に、指名検索や情報収集型クエリが中心のサイトであれば、そもそもトップニュースの掲載機会自体が限られるため、この論点の優先度は下がります。

所感

Scale Basics編集部としては、今回の報道の要点は「オプトアウトすると損をする」という結論ではなく、Googleが機能単位でしかルールを書いていないために、パブリッシャー側がコストを見積もれない状態に置かれている、という構造そのものにあると捉えています。記事が繰り返し「Googleは明言していない」「証明された結果ではない」と留保を付けているとおり、現段階で確定しているのはNewzDashの計測結果(米国15.5%、英国17.46%)と、Google-Extendedが検索の可否には効かないという公式仕様の2点だけです。ここを混ぜて「オプトアウトは危険」と社内展開してしまうと、後から事実関係が判明したときに信用を落とします。

ここからは記事本文にはない、Scale Basics編集部の見解です。パブリッシャーがAIによる要約への露出を制御する手段は、Search ConsoleのAI機能オプトアウトとGoogle-Extendedだけではありません。Googleが従来から公開しているロボット向けの指定として、検索結果にスニペット(抜粋)を一切表示させないnosnippet、表示する文字数の上限を指定するmax-snippet、画像プレビューの大きさを制御するmax-image-previewといったディレクティブがあります。これらはインデックス登録そのものは維持したまま、検索結果上でどこまで本文を見せるかを段階的に調整するための仕組みです。一方でスニペットの抑制は、通常の検索結果に表示される説明文にも同時に効くため、クリック率への副作用があり得ます。「AIに使われたくない」という動機だけでmax-snippetを極端に絞ると、通常検索での見え方まで痩せてしまう、という点は日本の事業会社でも見落とされがちです。制御手段ごとに、AI学習に効くのか、AI体験への掲載に効くのか、通常の検索結果の見た目に効くのかを分けて台帳化しておくことをおすすめします。

日本市場の事情に引き付けると、この判断が難しいのは、意思決定が分断されがちだからです。robots.txtやSearch Consoleの設定は制作会社やインハウスのエンジニアが握り、コンテンツの権利や「AIに使われること」への態度は編集部門や法務が決め、流入の数値責任はSEO担当や代理店が負う、という分業構造は珍しくありません。今回のように「権利上の判断がそのまま流入の増減に直結する」テーマでは、この三者が同じ数字を見て話す場を先に作っておかないと、誰かが良かれと思って入れた設定が、翌月のレポートで説明のつかない下落として現れます。まずは自社にAI機能オプトアウトの設定が来ているかを確認し、来ていなければ「今は判断不要」と整理して、来た時点で誰がどう決めるかの手順だけ決めておく。これが現時点で最もコストの低い備え方だと考えます。

まとめ

・Googleはトップニュース(Top Stories)のカルーセルを、ページ下部の独立モジュールではなくAI Overviewsの内側に表示してきているとNewzDashが報告し、Search Engine Journalが報じた

・NewzDashが追跡したニュース検索のうちトップニュースが表示されたケースでは、米国で15.5%、英国で17.46%がAI Overviews内のカルーセルで、両国ともエンターテインメント分野が最も高かった(ただしサンプル規模や計測時期は非公開)

・2つの表示形式は併存せず、NewzDashの追跡結果では同時に現れたことはなかった。クリック数を比較したデータはまだない

・NewzDash創業者兼CEOのJohn Shehata氏は、Search ConsoleのAI機能オプトアウト(Googleは6月17日から考慮に入れ始めたと説明)を設定するとAI Overviews内のカルーセルからも外れると読んでおり、本人はこれを「証明された結果ではなく確度の高い解釈」と位置づけている

・Google-Extendedは将来のGeminiモデルの学習やGemini Apps・Vertex AIでの根拠付けを制御するもので、Google検索への掲載可否には影響せず、ブロックしただけではAI Overviews・AI Mode・トップニュースのいずれからも外れない

よくある質問

Q1: GoogleのAI機能オプトアウトを設定すると、トップニュース枠から本当に外れるのですか?

現時点でGoogleは明言していません。NewzDash創業者兼CEOのJohn Shehata氏は、AI Overviews内に表示されるトップニュースのカルーセルが「設定の対象機能の内側にあるパブリッシャーへのリンク集」である以上、オプトアウトしたサイトは脱落すると読んでいますが、本人がこれを証明された結果ではなく確度の高い解釈だと断っており、NewzDashとして検証する予定だとしています。Googleのヘルプページはオプトアウトしたサイトのリンクとコンテンツが対象機能に表示されなくなるとだけ記しており、機能の内側にあるカルーセルの扱いには触れていません。

Q2: Google-Extendedをブロックすれば、AI Overviewsへの掲載を止められますか?

止められません。記事によれば、Googleのクローラー解説ページはGoogle-Extendedを、クロールしたコンテンツを将来のGeminiモデルの学習に使うか、またGemini AppsやVertex AIのGrounding with Google Searchを通じた回答の根拠付けに使うかを制御する仕組みだと説明しており、同じページがサイトのGoogle検索への掲載可否には影響しないと明記しています。そのため、Google-Extendedをブロックするだけでは、AI Overviews、AI Mode、トップニュースのどちらの掲載形式からも外れることはありません。

Q3: 日本のサイト運営者は、いま何をしておくべきですか?

まず、自社サイトにSearch ConsoleのAI機能オプトアウト設定が展開されているかを確認することです。記事によれば、この設定は英国のサイト運営者の一部を対象にテストが始まり、現在はサイト運営者の一部に順次展開されている段階で、影響するのは設定が来ているサイトに限られます。そのうえで、ニュース性の高いクエリからの流入が全体のどの程度を占めているかをSearch Consoleで把握し、オプトアウトした場合に失い得る規模を試算しておくと、権利上の判断と流入の数字を同じテーブルで議論できます。Googleは対象機能のリストを今後追加していく見込みだとされているため、対象範囲は広がる前提で備えるのが安全です。

出典:AI Opt-Out May Cost Sites A Google Top Stories Spot(Search Engine Journal、Matt G. Southern氏、2026年7月28日)https://www.searchenginejournal.com/ai-opt-out-may-cost-publishers-a-top-stories-spot/584016/

scale-basics編集部
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scale-basics編集部

SEO・AI検索最適化(AIO/LLMO/GEO)・Web制作の最前線で活動する専門チーム。テクニカルSEOからコンテンツ戦略、データ分析まで幅広い実務経験をもとに、最新のナレッジと実践的なノウハウを発信しています。

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